紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.12.01~12.12 全6冊、読了後の感想走り書き

年末年始

女子栄養大学のダイエットクリニック(女子栄養大学 栄養クリニック)

別にダイエットするつもりはないんだが、食事内容の見直しと最近のダイエット情報収集が目的。

栄養学とあるだけあって、根性論ではなく最近の医学に基づく科学的なもの。ダイエットというより減量が正しいかなと思う。健康的な減量を促すなら知識の補完としてお勧めできる。

ただ、これが出来れば苦労しねぇんだよなぁ。

健康ってお金も掛かるし、一種のマメさも必要なのかも。それをサポートするコースでウン十万必要ってマメさは買えるのか~すごい世界だ。肥満は貧困病なんかもしれないですね。おわり

ご機嫌ナナメの吉岡さん~福地翼短編集~(福地翼

珍しい漫画。積み本だったもの。

うえきの法則の作者さん。ツイッターなどで公開していた短編集をまとめたもの。ヒキヨセルとか「ははーそうなるか」と感心した。全体的にはほのぼの恋愛短編漫画が多い。電書で購入したのだが、サクッと読めて移動中にも読みやすいサクサク具合。安定の面白さだった。紙でも欲しい

和の色を楽しむ 万年筆のインク事典(武田健)

ツイッターで知って手を出したインク事典。日本全国で作られ販売されている万年筆インクをまとめて紹介している。ご当地インクなども掲載してあって、眺めているだけで楽しい。約700種掲載されていて壮観。巻頭には基本色の色見本一覧付き。全ページフルカラーで、A6文庫サイズ。本自体もコロコロとしたフォルムで可愛い。次買うインクの参考や調べものにも役立つ。

コンセプトも可愛くて、キングダムノートの日本の生物シリーズのインクが気になる。ラベルも可愛い。次インク買うときに探してみる。

建築知識特別編集 20歳まで猫が元気に長生きできる住まい

「建築知識」猫特集第2弾の単行本。猫ちゃんが長生きする家つくりに付いて特集した書籍。住宅の設計ポイントを紹介している。

建築知識自体が、割とマニアックな専門雑誌の類なので設計図なども出てくるため、猫ちゃんだけに釣られて読むと難しいと思う。最後には病気を早期発見するチェックポイントや健康管理方法。防災時の情報なども取り扱っており、猫と暮らすポイントがぎゅっと詰まっている。一般的な猫飼育書籍に比べるとマニアックな内容かもしれないが、可愛い猫ちゃんと長くお付き合いするには知っておきたい書籍。

間取りのすごい新常識 美しい住まいと家づくりシリーズ

人気設計者40人に聞いた「住みやすい間取り」の秘訣を集めた書籍。いまどき間取りの傾向から、暮らしやすい家をつくるための動線・収納計画まで「間取りづくり」を紹介した書籍。生活の動線を重視した間取りや斬新な間取りなんかもあり、変な声が出た。いや、この間取りはいやだなぁとか思うものもあったり、窓が大きいと大掃除大変なんだよなぁとか、建築費が掛かるよなぁとか、光熱費が掛かりそうだなぁ冬寒そう…とか。いい間取りって難しい。変な声がでたり、突っ込みいれたくなったり、いやいやいやと思うのもあったが、家の建設を考えている人には色々な事例があって参考になりそう。設計者さんとのすり合わせとか、何を重視したいのかとか、誰が住むのかとか、考えることがたくさんあるのだとわかる。

建築知識特別編集 犬のための家づくり

Q、お前家でも建てるの? A、残念私は賃貸派だ

帯のキャッチコピーが「愛犬のために住まいができること、全部教えます!」

強そう。

犬は猫以上に人と共に過ごすことを好む生き物。しかし、犬種によってはひとりになる時間が必要だったり、来客時の避難場所が必要だったりと設計計画が必要とのこと。

前にも読んだ猫ちゃん特集の犬バージョン。

建築知識は前述通り建築専門書。内容はかなり専門的ではあるのだが、家の設計工夫や実例、設計の目的なども紹介されていて参考になる。わんちゃん可愛いだけで読むにはちょっと難しい。床材の選び方や収納、犬種による特徴や生態など。国際畜犬連盟の公認された10グループごと、犬種の特徴やサイズも紹介。イラストも可愛い。健康チェックポイントや食べていけない食品一覧、災害時や避難時の注意点もあって、飼育マニュアルとしてもよい感じ。全体的に満足度が高い書籍。

大型犬の運動量を満たすために庭の通路を回遊させたり、吠える犬種のために吠え防止の中庭。道路のものに吠えてしまう犬種のために、窓の高さの考え方など。

家を建てる予定はないけれど、人間にとっても快適な家になりそうな事例が多く、読んでいて楽しい書籍だった。

 

2021.11.21~11.30 全4冊、読了後本感想走り書き

何着て外出すればいいのか分からない。コート?

ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学(本川達雄

面白そうなタイトルだなーと思って手に取った書籍。

動物のサイズの違いから、構成するメカニズムに一定の法則をみつけ、デザインを明らかにしようとする書籍。扱っている情報量が多く、数式が多く出てくるため、全体的にハードルの高さを感じる。動物のサイズが寿命や拍動など様々なことに影響を与え、一定の規則にあてはめて考えられることは面白い。代謝量の比率は大きく変動せず、体重の3/4乗を消費して自分の体にあったサイズの獲物を食らう。漠然と「そうだろう」と感じていたことが、しっかり法則として解説されている。生物学の書籍として興味深い入門書だと思った。

が、数式が多量に出てくるので読んでいて本を遠ざけつつ薄めになってしまう。拒否反応

ドラゴンの教科書 神話と伝説と物語(ダグラス・ナイルズ)

ツイッターで見かけて手に取った書籍。ファンタジーの世界や現実のゲームに至るまでドラゴンの情報を網羅した本。伝承は勿論ゲームや文学作品に出てくるドラゴンまで、とにかくドラゴンの情報を列挙している。とにかく幅広い情報がまとめてあり文字通りの教科書だった。知らない世界のドラゴンまで知れるので興味深いが、それぞれの内容は浅めではある。入門書か辞書、総論教科書といった印象を覚えた。

絵に隠された記憶 熊沢アート心療所の謎解きカルテ(一色さゆり)

珍しい物語。

主人公はスクールカウンセラーを目指している大学院生。インターンとして、絵画療法の行う熊沢アート心療所に訪れた。様々な背景や過去を絵画を通して解決していく中で、主人公は自身の幼少期の記憶がないことに気付いて……という、ミステリー区分なのだが、ミステリーか?これと首を捻るやつ。「このミステリーがすごい!」大賞受賞作なので、一般的にはミステリーなのかもしれない。アートセラピーや絵画の専門知識が出てきて、あまり馴染みがなく専門知識もないので「ふーんそうなのかー」と思いながら読んだ。こんな形態の心療科あるのか?精神科のデイで美術や工芸をレクに取り入れてる話は聞くけど、これ単体で施設が作れるんだろうか…などと考えてしまった。患者ごとに章が分かれているのでサクサク読める。設定に引っ掛かりは覚えたが、癖のない文章と情報量の密度で読みやすい。

背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?(ウイリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド)

読もう読もうと思って積んでた書籍。研究者による論文捏造は何故尽きないのかをテーマに様々な角度から情報を集め、考察している。教科書に載っているような歴史上の研究者にも偽装の疑惑があることなど、よくこれだけ掘り返したなぁと感心するぐらい捏造の歴史がまとめてある。見たいものを見ることは捏造なのか。予測した通りの事象のみを切り取ることは偽装なのか。これは同一視してもよいことなのだろうか、とも感じた。が、入門書として授業で触れておいた方がよいものなのだろう。卒論を書く前に読みたい書。

元々は1982年に出版された本だが、改訂版もあり私が読んだのは改訂版。2014年までの事件年表などの加筆もある。論文の再現性や職業科学者、栄光を掴みたい欲望、資金面での苦悩など。悩ましい背景も見え資料的書籍としては秀作だが、読み物としては面白くない。こんな事件があった。こんな背景があったと知ることは大切だが、研究者も人であり俗世から離れ成果や金銭を求めない聖職者ではいられないのも事実。常に清く正しくあれと願うだけでは人は生きられない。科学者もただの人ではあり、複雑な気持ちにもなる。

 

2021.11.15~11.19 全2冊、読了後の本感想走り書き

急に冬になったなぁと思ってたけど、11月も実は半分終わっていたことに衝撃を覚える。あと1ヵ月半で今年終わるらしいよ。マジかー。

365日にっぽんのいろ図鑑(暦生活)

日本の伝統色を1日1色、365色紹介する書籍。色だけではなく、気象や習わし草花などと色の名前の由来なども紹介。写真も一緒に紹介しており、写真集や雑学集としても楽しめる。

日本には色々な色があって、まだ知らない見たことのないような色がたくさんあることがわかる。色出しも結構繊細で、美味く表現できないが絶妙な差の色が多い印章を覚えた。色の発色を再現して書籍にするのも大変そう。写真も日本の美しい風景といったものが多くパラパラ眺めているだけでも楽しい。図鑑としても写真集としても、色の雑学や配色の参考としても刺激になって、手元に置いて定期的に見返したい1冊。

タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源(ピーター・ゴドフリー=スミス)

著者は哲学者でありダイバー。著者は、哲学において「精神と物質の関係」は大きな考察のテーマと捕らえている。心理の本かと思って手を出したら、タコの観察日記な側面も多い。原題は「Other Minds」邦訳タイトルが盛りすぎ、ともいえるのかもしれない。しかし、水族館などでもタコをまじまじと観察したことがないので、観察日記だとしても生物の書籍としてタコの興味深さを感じた。

本書では、まず単細胞生物から進化の道筋や神経系の発達を振り返る。動物において「賢い」というのは曖昧な言葉になる。タコには合計で約5億個のニューロンがある。人間のニューロンは約1000億個だが、タコのニューロンの数は犬に近い。知性には絶対的な脳の大きさは重要だが、相対的な大きさも考慮に値する。これは、動物が身体の大きさに対して脳にどの程度投資しているかを示すことになる。相対的にみればタコは、相当脳に投資しているといえる。また、ある動物の知能を評価しようとするときに、唯一の基準が何処にもないという問題に直面する。生態がそれぞれ異なるので、動物はそれぞれ得意なことが違う。脳を工具セットとすると、どんな動物にも記憶能力や学習能力など基本的な工具は備わっているいえる。しかし、工具の中には複雑で精巧なものや持つためにコストが高いものもある。一口に高度で洗礼されているといっても、具体的には何が得意で何に役立つかは違う。

実験環境下や海でダイビング時のタコやイカの行動。また著者が観察している「オクトポリス」では、タコたちが社会性の片鱗を示しはじめているという。タコやイカ頭足類に興味があるなら読むと楽しい。それらの生物への魅力と熱意を感じられる。本書の中で、実際にタコを使用した実験論文に付いても触れてあるのだが、タコはよく脱走するし、触手突っ込んで排水溝つまらせて実験室を水浸しにしたり。空の瓶を食べられるか確認したあと遊びを開発したり、嫌いな人には制服が変わっても全員が服装統一しても水をかけてくる。条件付け実験で、エサのイワシの切り身が気に入らなかったのか、ライトが眩しくてイヤだったのか、実験用レバーをぶっ壊した話が面白すぎてタコのお茶目さに楽しい気分になる。一方で、動物虐待を防ぐための規約から無脊椎動物であるために対象にならず、神経を傷つけるような実験も麻酔なしで行われていたなどの記述に陰鬱な気分にもなった。

心についてはよくわからなかったが、タコや頭足類の話がたくさん詰まっていて楽しい書籍だった。あと、タコは私の三倍ぐらいグルメだった。

 

 

2021.11.08~11.14 全2冊、読了後の感想走り書き

気温差えぐい

 

人類にとって「推し」とは何なのか? イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた(横川良明)

どうやって買い物カゴに入り、積み本になっていたのかわからない。

オタクによる推しとはなんだろう?と考察した書籍。著者のエッセイに近いかなと思う。いやぁ、面白い本だ。これが活字化しちゃうんだから、オタク=犯罪者予備軍と見なされていた時代から見れば、今は世紀末なんだろうな。文章はスピード感があって、一々単語選びが面白い。1ページ1つパワー単語をぶち込まないと発狂する呪いにでも掛かってるのか?と思うぐらいには、ぽんぽんパワーワードが出てくる。でも、結構経歴長めの一オタクな私としては「それな!!」と思う。推しは睡眠時間を削って健康を害するかもしれないが、推しは健康にいい。今は社会保険適応外だけれど、そのうち適応になるし病気にも多分効く。いや、とても面白かった。古典文学が~とか、文体が~とか、もうそういう重箱の隅はどうでもいい。面白い。

私がツボッたパワーワードは”好きな四文字熟語は「FC先行」です。”私も大好きだよ、その熟語!私は「完全受注生産」も大好きな言葉です。もっと流行ってほしい。あとは、”推しは心のストロングゼロ”が腹筋のツボに入りました。ふふふふふwそうね!!推しはいいぞ!!

推しがいると、見た目にも意識するようになるので、本当に推しの効能は万能。自分の見た目に興味はないが、それで推しが悪く言われるのは我慢ならねぇ!!わかる。それな!!私もメイクもお洒落もそのためにしている。断じて世の異性を喜ばせる為にしていない。推しのためだ。

4章、一番最後の節に「人類にとって推しとは何か」とまとめがある。本書の結びの節に当たるが、ここがよかった。きっともっと文学的な、詩的表現を好む人もいるだろうし、推しがいない人からすれば、結局推しとは何かわからないかもしれない。なんだこの著者。ここまで1冊、著者の推しについて話を聞かされた。全然興味ないんだよなって人。きっと本書は何も刺さらない。

でも、私にも一応推しがいるので。この結びの節は共感も覚えて、あー面白いもの読んだ。現場行きたいって本を読み終えられた。大変面白い本だった。

自分でできる!印刷・加工テクニックブック 低予算でも素敵なデザイン(平田美咲)

目に付いて適当に手に取った。低予算で出来る、印刷・加工手法を紹介した書籍。数を出すなら、大人しく印刷所に相談する方がいいと思うけれど(いい時代になったな~)自分で使う場合や少量の加工を行う場合、どんな加工を使用するかのカタログになる。プロセスは写真やイラストで、手順を細かく紹介している。概ねの価格帯も書いてあるのでイメージが掴みやすい。

製本の種類もたくさん紹介があり、自分で紙文具を作るときの参考にはなりそう。

でも、内容としての目新しさがあるかといわれると…、同じような本はたくさんありそう。あと、DIYが好きじゃないなら普通に買った方が綺麗だし便利かな(いい時代になったなぁ)活版印刷とかはやってみたいと思うけれど、やっぱり自分でやるのが好きなんじゃなかったらお金を積んでプロにお願いした方が楽じゃないかなぁ……と身も蓋もないことを考えた。問題は発注ロット数と己が不器用さ。

2022年のスケジュール手帳についてのほにゃほにゃ

やっぱり手帳カバーにほにゃほにゃ悩んで、図書館とかで使っているようなブックフィルムを貼ってみることに。でも、これが結構お高いのですな。いいお値段する。利点はセロハンテープとは違ってそこそこ厚みがある。何より経年変化で粘着面が劣化しない。これが紙の劣化に如実に出る(ので図書館の本にセロハンテープや付せん糊をつけて欲しくないのです。紙が痛む)

それでも革でカバー作ったり買ったりするより安いんだけども……うーんと思って色々と調べてみたら、YOUTUBEで100均に似たような商品があることを知る。厳密には、猫の爪とぎシートらしい。はーん?ダイソーで探さないとないかな~と思ってセリアを探してみたらあったわ…ネコちゃん用シート……(これで誤魔化されるネコちゃんいるの?)

でも、これ100均なのか。すごいな~~これ、粘着面の劣化とかどうなんだろう。

貼り損じしたら発狂するなと思いつつ、図書館でアルバイトしていた頃の記憶を掘り起こしつつ貼り付け。まぁ、失敗したら失敗した時に考えましょう。

そもそも何で付属のビニールカバーじゃなくて、貼り付けにするのか。

まず、基本は家に置くので、あれこれカバーに収納力を求めていない。

持ち歩く時は、別のポーチに他のノートとまとめて持ち運ぶ予定なので、とにかく薄くしたい。

触り心地が安っぽくて違うカバーをかけたいが、ビニールカバーを外すと紙のカバーだけで製本部分もむき出しになってしまう。

というわけで貼り付けてみました。

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貼り付けカバーなら、ミドリの紙カバーにも入れられるサイズ感に。今はいいけれど、必要になったら恐らくA5サイズの他社商品に収納する事も可能でしょう。

触った感じはさらさらマット。ビニールカバーと違いテカテカつるつる感もありません。これでネコちゃんが誤魔化されてることはないだろうけれど、紙文具の表面に貼る分には問題ない感じ。カバーとカバーを貼り合わせるには接着剤とかビニール用の接着剤を使う必要があるかな?簡単な水滴ぐらいなら拭き取れそう。びしょびしょに濡らしたらダメだろうけど、水没したら諦めようね~。

ちなみに中はこんな感じです。何処に何を書くかシャーペンでささーと書いてます。

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上にはスケジュール関係のメモ。スケジュール管理自体でするのでメモ。なので、書いてるのは大体「**イベントS(スタート)〆*/*」とか、「**発売日」とか、「****T(誕生日)」とか。予定が抜けても死なないものがメインです。

バーチカルの上段にはfitbitの睡眠時間をメモして、6時~翌5時まで時間軸を振ってみました。やっぱり24時間欲しい。1メモリ1時間。

右側には予定、左側には実際を書く予定。今年は逆で、書く場所をはっきりさせるためにシャーペンで線を引いて分けたりしていたんですが……。365日分の線を引くの面倒臭くて、線を引かなくていいように逆に配置してみます。そしたら線を引かなくてもごちゃ混ぜにならないかなぁと。気圧書いたりすると、まぁ、混ざるんですね。一先ずやってみましょう。やっぱりA5にするとA5スリムより広いですね。紙も安定のキャンパス。案外インクも抜けない。

順調に11月。このまま来年の手帳を増やさずに来年を迎えたいです。この構文がそもそもバグなんだよな。

隣に写っているのは……ツバメノートですね……いや、ノートはスケジュール帳じゃないからノーカンだろ。ノートは算出外。うん。

ツバメノートもよいですね~ペン先のすべりが程よいです。ガラスペンは滲んでしまったので筆記具との相性はありそうですが、やはり長年愛されている文具としての貫禄のようなものがあります。様式も様々で楽しいですね。

ノートはこれから来年までに増えても算出外です。ノートなので。

2021.08.16~2021.11.07 全23冊、読了後の本感想走り書き+バレットジャーナル変更点

温度差えっぐ。グッピーしんじゃう。自律神経に優しくして欲しい。

小さな会社のSDGs 実践の教科書 1冊で基礎からアクション、マネジメントまでわかる(青柳仁士

SDGsとは、国連で合意された地球や社会を持続可能にするための世界共通の目標のこと。著者は元国連職員で国内でのSDGs普及に従事している。本書は、小さな会社でのSDGsの実践のポイントを解説している。

7つのSTEPでSDGs導入のポイントを解説してあり、SDGsの基礎知識や周辺知識もフォローしてある。今すぐ実践できることから会社への定着のさせ方丁寧にまとめてあり、一先ずこれ1冊あれは目標の設定からマネジメントまで基礎知識を押えて、実践まで運用できそう。ボリューム感も凄いし、本当に教科書と成立している。私はSDGsについて詳しくないが、理解もしやすかった。はは~グローバル化するにはこういった視点も大切になってくるんだな。

教科書なので、比較的文字は多い。が、文字や図、STEPなどもあり、とても整理された分かりやすい部類の教科書だと思う。SDGsの目標を立てたいなら、ひとまずこれ1冊押えておけばそれっぽく出来そうではある。巻末には用語集、ツール・資料サイト、プラットフォーム、評価基準など関連サイトの紹介もしてあるので、この辺りを上手に活用して運用していくのだろう。大変なのは、これを社員に理解してもらって、継続していくことなんだろうなぁとも思った。

タロットの歴史 西洋文化史から図像を読み解く(井上教子

タロットカードの起源から歴史的な背景や絵柄の成り立ちを解説した書籍。

写真はちょっと粗いがフルカラー。写真の画像が粗いというよりは、使っている書籍の紙質が粗いのかもしれない。あんまりフルカラー向けの紙ではないのかな?ここは少し残念なポイント。恐らく、フルカラー向けの紙にすると、この厚さが実現できないのではないか?とも思うので、この辺りは致し方ないのかも。

単に各版ごとの比較ではなく、背景や歴史、図柄の認識のために西洋美術が数多く扱われている。スピリチュアルな話よりは文化史や歴史がメインになっていて、視点が面白い。西洋絵画を鑑賞している気持ちで読める。一般的な占い本ではなく、カードの図柄を細かく解説している。解釈の仕方もスプレッドも一切載っていない。が、解釈の根拠とも言える背景が淡々と提示されている。カードの解釈に深みが出せそう。文章は歴史の教科書的で淡々としていて読みやすい。

占星術の文化誌(鏡リュウジ

占星術が文学、美術、音楽、心理学、医術、マスメディアの「星占い」までどのように関わり文化を築いてきたのかを解説した書籍。星占いの本のような顔と棚分類をされているが、これは占いの本ではない。占いの解釈はほぼ出てこない。タイトル通り、文化誌としての側面が強い。どちらかと言うと歴史書占星術は奥深い学問なのだと実感できる。これを1冊読んで読めるほど浅い学問ではないけれど、その淵を覗いた気分を味わえる。まだまだ知識は足りないが学問にロマンは感じた。あと表紙の絵画が好き。

狛犬さんぽ(ミノシマタカコ 川野明正:監督)

著書と監修者が選んだ全国に点在する狛犬の魅力や特徴を写真やイラストなどを交えて紹介している。私もついつい探してしまう狛犬。神社によっては造形や表情、体形などそれぞれ違ったり犬じゃなかったり…。散歩しながら狛犬を巡る楽しみを提案している。

地域や作られた年代によって特徴の違いがあるようで、眺めていてもとても楽しい。

実際に散歩する参考にするのもよき。実際の狛犬の写真とデフォルメ化されたイラストもあって可愛らしい。きちんと参拝してから写真を撮ろうなど、マナー的な部分もフォローがあって読み甲斐のある書籍。実際に散歩してみたい。

狛犬さんぽ

狛犬さんぽ

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ようこそ、2050年の東京へ 生き残る不動産 廃墟になる不動産(榊淳司)

どこかのネット新聞で見かけて手を出した書籍。著者は住宅ジャーナリスト。元々はマンションの広告制作や販売戦略立案などを手がけ、実際に不動産の周りを自身で見て歩くようにしているという。感染症によってオフィス需要が減っても価値のある不動産や歩きたくなる個性ある街。無機質に続く人工的な街など、この差が十数年後にどのように働くのか。未来の東京はどんな街になっているのかを不動産を中心に著者の目線から想像している。著者は冒頭で「本書に書いたことはデータに基づく緻密な未来予想ではない」と断言している。また、30年前と今とでは東京の街の雰囲気はあまり変っていない、と著者は語る。しかし、30年前に脱サラし東京を駈けずり回っていたという著者の体験から妙な説得力が感じられる。

感染症のことを誰も想像ができなかったように、本書で語られる未来予想図も何処まで当たっているかはわからない。しかし、著者の専門である東京各所の不動産価格の議論や将来の勤務形態、デジタル技術など、様々な視点から「東京はどのような街になるのか」著者の想像を読み聞くのはとても面白い時間だった。少なくとも私は本書を読み終わったあとに「この本面白いな!」と膝を叩いた。

AIがどんなに普及しても人間が街を楽しむ規準は二本の足で歩ける範囲であるという主張や、「AIに仕事が奪われる」論調に対し著者が唱える異論にも妙な説得力がある。”AIは確かに人間より優れた面を多く持っている。しかし、人間の生身であるが故に持つ魅力に代わる何かを持つほどに進化するとは思えない”との主張だ。これには医療や介護業界など人と人のやり取りで成り立つ業界の人間は一定の納得感を覚える。

私はこの文章を読んで、学生時代の教材で視聴した「老人Z」と言うアニメを思い出した。高齢化社会と介護問題といった老人問題、そして人間の尊厳と夫婦愛・家族愛をテーマに制作された1991年制作のSFアニメ作品だ。アニメの中では愛のない看護は看護じゃないとの台詞があったが、私は「看護」の漢字の通り、手で触れ目で見て護るものと教わった。どんなにAIが進歩しても、AIでは代われない部分が人にはあるのだろうなと月並みに思った記憶がある。

著者の想像話に関心がなかったとしても、経年劣化するマンション崩壊の危機と空き家問題に付いては知っておいて損はない。悪いデベロッパーにカモにされたり、不動産投資に安易に手を出す前に、この現実は自衛として知っておくべきだと思う。

共食いの博物誌 動物から人間まで(ビル・シャット)

昆虫や動物、変な生き物から人間までなぜ生物は共食いをするのか?共食いについて動物学者があらゆるカニバリズムの起源と真実に果敢に踏み込んだノンフィクション。

表紙のインパクトが凄い。骨。

語り口は学者っぽくなく、とても文学的。一つの物語を読んでいる気分になれる。爽やかで物語り調の文体。なのに、章のフォントが妙にB級ホラーチック。中身は最初から最後まで共食いとカニバリズムの話。振り切れている。面白い。

前半は動物の事例、後半は人間の事例と別れている。特に大航海時代カニバリズムの関係は中々、なかなか人間業が深い……と呻いてしまった。食人の描写はそこそこ生々しい。

ただ、著者の言う「共食い」「カニバリズム」の定義がかなり広義であるのが気になる。相当広義になっている印象を受けた。読み物としては視点が振り切れていて面白い。

死を招くファッション 服飾とテクノロジー危険な関係(アリソン・マシューズ・デーヴィッド)

ツイッターで存在を知って手に出した書籍。

19世紀~20世紀前半の欧米諸国の衣服や装飾品には、当時の最新技術によって革新的なものものが生まれ流行してきた。本書では、その中でも悲惨な出来事を引き起こした事例を取り上げている。美しい色や贅沢な服、帽子、装飾品などの写真とそれを皮肉った風刺画、実際の症状の事例などを多くの写真や絵も一緒に示している。

内容としても読み応えがある。ファッションや歴史の闇の部分を詳細に包み隠さず記されており、現代の社会にも通ずるものを見出せる。素直に読めば読むほど、現代にも同様の危険性が隠れているのではないかと危機感を覚える。

不安症の人や陰謀論と相性がいいのかもなと思った。そういった意味では素直すぎるとちょっと危ないかもしれない。ただ、現代の外見至上主義や成果主義に思うところはあった。

表紙のイラストは一見可愛らしく、魅力の感じる絵。だが、事例紹介の写真は生々しさがあり、耐性がある私も少し「うっ」となる。ある程度胸糞やグロへの耐性が必要かと思う。世界史やファッション、美容等に興味がある人は一度読んでみると、学びがあるだろう。熱意を持ってまとめられた専門書籍で、値段に見合っただけの価値がある。

論文捏造(村松秀)

元々はテレビ番組コンクールで科学ジャーナリスト大賞になったNHK番組。本書はこの番組を下に書き下ろしたノンフィクションエッセイ。報告書の類ではなく、あくまで取材に基づくエッセイ。ただ、本当によく取材してある。現地取材は勿論、当事者の証言も広く集めており丁寧な仕事。綿密で熱意、一種の執念すら感じる。苦労もお金も時間もたくさん掛かっているが、それに見合うだけのものになっている。ジャーナリストの模範例と言いたいレベル。賞を受賞したのも納得のボリュームがある。

取り上げているのは有名な捏造論文事件。科学の殿堂・ベル研究所のヘンドリック・シェーンによる超伝導分野の論文に纏わる事件。話自体はかなり有名で、物理は専門外の私でも話は聞いたことがある程度にインパクトがあった事件。彼の論文は数多く発表され、サイエンスやネイチャーなどの科学誌にも掲載された。一時はノーベル賞に最も近いともされた。如何にして論文は捏造され、科学者達は騙されたのか。何故発覚に時間が掛かったのかを記している。専門用語もあり、科学や実験に関わる者特有の考え方なども関わってくるが、とても丁寧に書かれており小気味よく読みやすい。ミステリー小説のようなリズム感なので、恐らく科学が苦手な人でも読める。少々ページはあるが、読み応えもあるし面白さもある。

また、この事件の根幹には日常の生活にも通ずる学びがある。エピローグにもある「わからなさ」の問題。本書では”現代社会の諸問題は、大胆に言えば「わからなさとどう向きあっていいのかがわからない」ということに集約されている、とも見ることが出来る。”とある。これは現在の時事的話題にも通ずる部分だと感じた。感染症について「わからないことがわかってきた」側面があるし、人体は現代でもよくわからないブラックボックスだ。わからないことが多すぎる。生きた人体と死んだ人体は同じではないのだから余計にわからない。理解できない科学は魔法と同じ、と言う言葉をどこかで聞いたことがあるが、陰謀論は一種のわからなさへのわかりやすい答えになったのではないかと考えた。今の社会に求められるのは真摯にわからなさと向き合うこと。この事件は本質的には信頼に根ざした話だ。不測事態への対応がわからない時そのままにしておくとどうなるのか。社会として個人としてどう考えねばならないか。今一度過去の事例に学び、自身でも考え続けたいと思った。

常温核融合スキャンダル(ガリー・トーブス)

古い本。1993年出版。「証拠など何ひとつなかった」のになぜ常温核融合の「世紀の記者会見」は行われたのか。取材した結果をまとめたドキュメント。なのだが、登場人物が多い多い。印象としてはノンフィクションと言うより群像劇のような印象を受ける。これが実際に起きたことなのだがら、驚きしか感じない。当時、この世紀の発見にたくさんの人が湧き上がりフィーバーしたことがわかる。もう浮かれ踊っている感。浮かれ踊った人の声が大きく、真実を指摘する人の声は小さく響かない。センセーショナルで、食いつきたくなるような魅力があるのだろう。また、研究費をたくさん集めるのも、真実ではなく華やかな結果。古い書籍ではあるが肝に刻んでおきたい事例だった。

文章としては少し読みにくいと感じた。あと鈍器。手に乗せて手癖で読むと手首を傷めそう。勉強になる分野なので、同分野の背信の科学者達も一読したいと思った。

永久運動の夢(アーサー・オードヒューム)

科学者の思い込みの集大成として、あるいはイカサマの手段として作られた永久機関。「不可能」の虜になった先人たちの奮闘を紹介した書籍。実際の図版も多数載せてある。原著者は機械工学者で、その発明について解説しているのだがこれが薄目にある。丁寧に解説はしてあるのだが、抽象的な論述があったり文章で解説されてもさっぱり想像出来ない…といった部分がある。図版も多数あるのだが、後半に行くにつれ減り、元々の画像も小さめで図版目的に手に取るのはお勧めできない。文章内容自体は永久機関を広く集めた、科学史書籍。私は物理学はド初心者なので、薄目で首をずっとかしげながら読んでいたが、機械好きや力学・物理学マニアには刺さる書籍だろうとは思った。私はずっと首を傾げていた。うーんわからん。

知りたい!サイエンス 拡がる宇宙地図~宇宙の構造はどう解明されてきたか(矢野太平)

古代ギリシアの時代から現代に至るまで、宇宙構造への理解がどのように得られてきたのかを解説した書籍。2008年出版の書籍なので、現代と言ってももう10年以上前の情報になり、最新とまではいえない内容。しかし、年周視差を用いて天体までの距離を測ることに重点を置いて解説してあり、最新トレンドと言うよりは歴史書といった印象も覚える。一般の読者向けへの解説本だが、天文学に興味があるのであれば面白く読めると思う。文章自体もさほど詰まっていないので、中高生でも興味があれば読める程度にはなっていると思う。この分野初めての1冊にするなら広く浅く纏まっていて手を出しやすいと思う。

信頼はなぜ裏切られるのか 無意識の科学が明かす真実(デイヴィッド・デステノ)

心理学の知見から「信頼」に付いて考察した書籍。相手を信頼できるかどうかは、その人の性格や道徳観だけで決まるわけではない。寧ろ無意識が支配している。無意識の心は他人の助けが必要かどうか常に監視し、必要がなければ不誠実に振る舞えと囁く。

本書では丁寧に「信頼」とは何か、科学的観点を踏まえてまとめている。私には少し読みにくい部分が多かった。お経を読んでいる気分。形式が論文に近いのかもしれない。視点としては関心が持て面白いと思った。ハリケーンカトリーナ被災時におけるハンコック銀行の決断には純粋に感心した。

文体は読みにくく内容は高度。各章ごとの要点がまとめてあるが、講義のレジメを見ている気分になる。信頼というテーマに正面から向き合っている書籍。

異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む(中野京子

まーーーーこのテーマ、この作者、私が嫌いなわけがなかった。怖い絵シリーズの著者、新作。怖い絵テーマではなく、異形のものが出てくる絵画がテーマの書籍。

大きく章は「人獣」「蛇」「悪魔と天使」「キメラ」「ただならぬ気配」「妖精・魔女」「魑魅魍魎」と分けられている。一見奇異で不穏、隠されたメッセージ。画家の描きたい意思と見たいという需要。描かれているのは異形のものであるはずなのに、当時の時代背景や人の思惑が透けているような。そんな空寒さが感じられるような。ちょっと怖くて不思議で、何故か魅力のある絵画のエッセイ。

文自体はいつも通り読みやすい。淡々と進む感はある。文字はフォントが大きいと思うが、年代問わず読みやすい。ともいえる。絵画自体はフルカラーにはなっているが、新書だと小さいので迫力は薄い。やはり生で見る迫力には負けてしまう。贅沢な悩みだ。

1枚目からベックリンの「人魚の戯れ」で始まり、テンションのギアがあがる。後半には有名なベックリンの「死の島」も出てくる。不気味だけれど、存外この絵画が好きなので私は小躍りした。ベックリンの「死の島」は他書でも詳しく書かれているし、本書では小さく紹介されている。他にも、他書など怖い絵シリーズで紹介された絵画、実際の展覧会で展示された絵画もいくつかあるのだが、異形や奇怪、異界をテーマに集め、ぎゅぎゅっと詰め込んである。どこかで一度見たとしても、何度見てもやはり心惹かれてしまう。西洋絵画の怪のカタログ。

発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47(借金玉)

ADHD当事者である著者が、どうにか「食っていく」ための生活術を紹介した書籍。分類は自己啓発本だが、困り事のハードルが他の自己啓発本より低い。実際、著者はどうしているのか、まで書いてあるので解決事例としての再現性が他書より高め。

意識高く生きている人からすれば、まったく理解出来ないレベルの話かもしれない。発達障害で「何に困っているのか?」は個人差があって、困る部分にはグラデーションがある。きっちり病名がつくことの方が稀で、実際には困り事の差にグラデーションがあり、病名は付かずグレーであることの方も多い(私の病態認識としては虹で、青の主張が強い人とか、赤の主張が強い人とか居る感じ)そのため、本書が1~10まで当てはまって全部役に立つ!と言うことはほぼない。だが、近い悩みはあるけど診断は付いてないし、相談できる人も居ない。そもそも理解してもらえないという人。そういう人は、本書を一通り読むと「あ、これ同じ悩みだ!こんな工夫してる人もいるのか!」と言う気付きがある。

ただ、よくも悪くも一人暮らしの男性向けハックが多いのも事実。子どもがいるとか、私は妻で家族に料理を作らないといけないだとか、そういう人には刺さらないと思う。

家計簿は付けられないなら全部クレカで決済にしよう!だと、躁うつのとき借金してまで使うんじゃないかな……と思ったり。大型家電を買って自炊を推奨していたり。発達障害と一括りにはしているけれど、あくまで著者が上手くいった方法で、症状のグラデーションまでは考慮していない。私は料理や身だしなみの部分は刺さらなかった。あと入浴。在宅ワークの部分は「はーなるほどな?」と思う部分もあった。仕事一切しないイスは用意しようと思う。

文章力はあって、サクサク読めるので見た目の分厚さより読みやすい。たくさん打たれている広告に期待しすぎて読むと、肩透かしを食らうかもしれないと思った。書籍としては不快感なく読めるので結構快適。

”「休む」は意志の賜物で、「頑張る」はむしろ惰性”

”「休む」という判断を「よく頑張った」と褒めてくれる人は殆ど居ない。「死ぬ気で頑張れ」という人はたくさん居るのに本当に酷い話”

”「どんなときでも休むのはベターな判断」”

など、心にぐっと来る。救われた気持ちになる文章もたくさんあったので、刺さる人には刺さる書籍なのだと思う。私は仕事をしないソファーを買おうと思う。

敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント(イルセ・サン)

敏感な人や内向的な人が、生きづらい世の中で自分らしく生きる6つのヒントをまとめた書籍。何処の統計なのか、敏感な人は5人に1人。内向的な人は2~3人に1人いるらしい。外向的で鈍感な人が上手く渡り歩き、色んな場所で積極的で外向的なことがよいとされる。本書では、自分の個性にきちんと向き合い、それを上手に生かすことができれば、敏感で内向的な自分のままで十分ラクに生きていけるとしている。

大抵の自己啓発本ではポジティブ思考に着地する。本書でも、自分を責めないこと。
物事を好意的に見ること。という結論になる。それはそれで負担だと思った。自分らしいかと言われると、自責的な自分と何十年生きてるわけで。簡単に変われるなら苦労しない。

文章自体は穏やかな語り口で、優しい本だと思った。冒頭から敏感度と内向度を検査するテストが付いている。実際は、医学的な検査ではないし。こういうテストがあるわけではないので。まぁ、そんなもんなんだなぁと思えばいいと思う。HSPも結構書籍によって質問項目にぶれがある。こんな項目に当てはまる人、みたいな項目が多々あるのだが、実生活で役立つかというと。若干消化不良感もある。元々が敏感や内向って性質で前提がふわふわしているので、その人によって変わるオーダーメイドな対応が多いのだと思う。へーこういう考え方もあるんだなぁと視野を広くすることは出来るだろうと思った。また、優しい本なのでぐさぐさ刺されないので読んでいて傷付かないので平和でよい。

未亡人26年生が教える 心地よい一人暮らし(りっつん)

個人のエッセイブログを書籍化したもの。著者はシニアで未亡人歴26年の女性。生活であったことや夫が教えてくれたこと、未亡人の子育てや老後のお金に付いてなど。雑記ブログという感じの内容。ほぼ日記。仙人とはあるけれど、言うほど仙人はしていない。が、一般的に言う華やかな生活ではないのか?私は豊かでよい暮らしだと思った。同居猫?家主?の猫ちゃんも20歳で、長生きホルモンでも出ているんだろうか。こういう暮らしもあるのだなぁと感嘆の気持ちになれる。

未亡人の目線にはなるが、老後にどう生きるか漠然と不安を感じている人は結構参考になる。未亡人になる予定はないけれど、息子さん2人を女手一つで大学まで進学させ、それぞれ現在は自立生活を達成している。これは同性としても尊敬する。軽快で読みやすく、快適な生活とは?老後はどうする?お金はどうしよう?などなど勉強になる。さくっと夜にベッドで読むにはちょうどいい書籍。

美食のギャラリー 絵画で綴る食の文化史(レイ・タナヒル

それぞれの時代の画家が描いた図版を示しつつ、古代~19世紀末の食の変遷をまとめた書籍。タイトルは美術書籍のようだし、本棚の分類も美術分野になっていたが中身は半分世界史。文章としても文学的で美しい。外国の人の歴史書は文学的で、単純に美しい。上手に和訳されていると読んでいて楽しい。

古代ローマ人が、雉やクジャクの脳など色々食べていて、いつの時代も宴は特別な意味合いを持っていたのだと思った。しかし、人肉食文化はうーんすごいなと月並みの感想。16世紀のコース料理が品数多くて、料理人は1日料理してそう。本当に無駄に贅沢。美味しいのは今一つわからない。絵画で見ると美しいけど、メニューを見ても味の想像が出来ない。スパイスも豊富だが、何故スパイスを使ったのかなどの何故の部分を紐解くと、当時の物流など様々な背景に繋がって面白い。私はスパイスの風味があまり好きではないので、今も昔も食べるものがない。

陰陽師安倍晴明3(川端新)

珍しい漫画。原作者買いシリーズ。小説自体は昔に読んで覚えてないので、新鮮な気持ち。少年陰陽師を読んでいると「あーーーこの孫があぁなって。この青年があぁなるのか」としみじみする。若いのにすれている主人公なので、主人公に感情移入型はもやるかな。漫画としてはのんびりテンポで、ストーリー噛み砕けない気もする。絵自体は安定して上手い。平安舞台で狩衣いっぱい見れる。色んな意味で描き手発狂しそう。

Twisted-Wondeerland The Comic Episode of Heartslabyul 1巻(コノヲスミレ)

珍しい漫画2 漫画の感想って何言えばいいんだろうな。そんな語るほどの感想がない。

ゲームやってるし、私の推し寮はハーツなのでまぁ買いましたね。監督生の癖が強い。物理的に強そうだけど、結構天然。いい子だこいつ……。画面コストが高くて、ひゃーってなる(語彙力)平安とは別の意味で作画コスト高い。いろんな意味で修行感がある。

「電波と光」のことが一冊でまるごとわかる(井上伸雄)

「電波と光」について書いた書籍。大きな文字だが、大人向けとされる。絵は多いが、相応に文章多め。入門書としては妥当だが、中高生が読むにはハードルが高いか。

物理の基本というよりは、今の最新技術に関わる電波と光がメインテーマ。5Gって何?電波数帯?プラチナバントって?といった技術理解の足がかりになる。教科書的に進むと、序盤で躓くだろうが身の回りにある技術へ解説が移るので、ちゃちゃっと飽きずに読める。お堅い学問書というより、大人の雑学書と言った感じ。この手の入門書籍としてよく出来ている。総論で全体像把握のための書籍。気になる技術があったらもっと詳しく調べてみるとよいのかなと思った。文字こそ大きいが内容はそこそこ詰まっている。

事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学(ターリ・シャーロット)

人はいかにして他人に影響を与え他人から影響を受けているのか。著者は認知神経科学者。イギリス心理学会賞も受賞した書籍。原典タイトルは「The Influential Mind: What the Brain Reveals About Our Power to Change Others」邦訳タイトルは微妙にぶれてる気もするんだが、ご愛嬌か。

人と人、人と社会の間の影響力に関する心理学と脳科学について書いた本で、感染症やワクチンでざわめく今読むとわくわくする内容。本文訳もこなれていて、とてもわかりやすい。原文もストーリーがしっかりしてるのだと思った。論文調ではないが、読みやすいいい文章。読みながら「面白いなこの本!!」と膝を叩いた。面白い。
政治家や管理職、営業職、詐欺師など、人に影響力を行使したい人には、とても良い教科書。対抗するにも知っておくと対策しやすくなる?けども、本能や脳に揺り動かされてしまう部分もあるから、対策し難いとも思う。はじめにトランプ元大統領の話が出てくる。本書では、元大統領のやり方を批判するわけでもなく、彼のやり方は有効です。みたいな話になって、ちょっともやもやした。ヒトは頭のいい、扇動するセンスと知識も持った悪い人が一人いると、どんなに知能が高い集団でも扇動されてしまう生き物なんだと思った。なんだかそれは残酷に感じる。

税金を払うのはみんなイヤで、アメリカでも脱税が起きている。じゃぁ、思わず税金を払いたくなるようにはどうすればいいのか?手を洗わない病院職員が手を洗う率を上げるにはどうすればいいのか?など、幾つかの研究とそれに対する考察が書いてある。へーーーーーっと感心した。日本の政治家が今回の感染症で非難される理由がなんとなくわかった気がする。日常生活で今すぐ役立つことはないけれど、心理を考える上でとても良書と思った。この分野に関心がある人は一読の価値がある。

サピエンス全史 上(ユヴァル・ノア・ハラリ)

まったく関係ないけど、タイトルのピの゜が浮いているように見えていてフォントが気になって仕方ない。

とにかく滅茶苦茶売れた本。中身は生物×世界史×人類学を3で割ったような内容。歴史というには視点が絞られすぎているし、人類学というには専門性が薄く、民俗学というには広すぎる。そんな感じの本。著者は歴史学者。ストーリー仕立てで、ヒトがどのように発展してきたのかを詳しくまとめた書籍。

滅茶苦茶絶賛されているところは気持ち悪いけれど悪い本ではない。が、個人的にはとても読みにくい本で、正直あんまり面白くなかった。言い回しが難解というか……。この内容、別の書籍でも知れないかな……うーん……。しかし、人を選びそうな本だが絶賛されているわけだし……うーん……と唸っていると広告に気圧される。広告の圧が強い。深く考えず「わーい話題本だわーい」と、すはすは本を吸って楽しむものなのかもしれない。萎えて下は読まなかった。

そして、すべては迷宮へ(中野京子

著者買い。『怖い絵』や『名画の謎』シリーズの著者のエッセイ集。著者の他書を読了済みだと既視感のある内容・文章もある。新聞や雑誌に寄稿したもので、どれも短いので気軽に読める。絵画の解説や作者の解説だけではなく、日常や見聞きしたことをまとめたエッセイで、寝る前やちょっとした時間に読むのにちょうどよい。

その中でも不思議な猫物語とベリベリが印象的だった。猫は本書を読んでもらうとして、ベリベリについてメモ。ドイツ語でBeriberiそのままベリベリと読み、英仏語でもベリベリ。日本語だと脚気のことだそうだ。脚気より死に至りそうな名前。強そう。元々はスリランカ公用語シンハラ語の「虚弱」という意味。ビタミンB1の不足による病気なので、麦主食の国では少なく米主食の国で多い。近年は日本でも増えている。豊かになって逆に増えるとは面白い話だと思った。

9月~11月バレットジャーナルの変更点

ほぼ8月と変わらない内容だったので変更点のみ、さらっと紹介しておく。

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9月のゲームログ。ててごとついすてのゲームメモ。ててごに関しては殆どやってないので半ページに圧縮された。もういらないのではの気持ちになって半年ぐらい経っているので、もういいのでは……?

と、言いつつ10月にもページを設けている。

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画像はないけれど、11月ではついにててごのメモを設けなくなった。

【余談】2022年のスケジュール手帳

2022年のスケジュール手帳を買いました。今年終わりますね。こわ。

あと4ヶ月あるのでまた変わるかもしれないが、一先ずキャンパスダイアリーBizを購入。マンスリーのないバーチカルのみのシンプルな手帳。キャンパスダイアリーと言うと、ほぼノートのようなデザインのスケジュール手帳というイメージがあったが、Bizと言うことでビジネスの場でも使いやすいシックな表紙。よい感じ。中身もシンプル。可愛さはないが、私はスケジュール手帳に可愛さは求めていないので全然あり。

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今年から引き続き、スケジュール管理はマイクロ5のシステム手帳。マンスリーカレンダーのみを入れて運用するつもり。バーチカル手帳にはライフログを書いてます。それなら、いっそバーチカルのみのキャンパスノートでいいのでは?と思ってのセレクト。バレットジャーナルに併せてA5サイズに。今年はA5スリム使ってたが、揃えた方が綺麗だし書き込む枠が大きくなるかなぁと。

だが、キャンパスダイアリーは無地。方眼欲しい。まだ悩みそうな予感がする。でも、これはこれで薄くて軽くていい感じ。紙もキャンパスで御馴染みと安心の触り心地。ただ万年筆やインクフローのよい筆記用具だとぴゃってなりそう(ぴゃっで通じるかな)ジェットストリームなら問題ないだろう。あと、メモページなんかも一切ないので、スケジュール手帳に何をどのぐらい求めるかで色々な選択肢がある。今年も手帳は沼。色もBizで可愛くない!って人も居るだろう。難しい話だ。私は青と緑は好物なので、全然これでいい。寧ろピンクだと発狂する。

でも、ビニールカバーやだーーーってなって別のカバーかけていない保証ができない。

10月にはM5のマンスリーも購入。今年のリフィルはプロッターのマンスリーに変更。来年はアシュフォードに魂を売り渡さずに済みそう。プロッターのリフィルは薄く細かな方眼が印刷されていて、マンスリーにTODOを書く隙間もあり使い勝手がよさそう。角がまるく切り抜き加工されていて指に刺さない。紙もアシュフォードより厚い?張りがあるクリーム色。シンプルでよい。万年筆でも抜けないとは聞いたことあるが……果たして?書き心地はよい。デザインがシンプル。プロッターは元々製図や企画図案などを描く人を顧客層に展開しているので、性別不詳で私の好みに刺さってよい感じ。メモパットとかも気になる。

ノート用の日付シールは、今年使ってるシールが来年は発売していないみたい…?

なので、今年はこのhimekuriという日めくり日付ふせんを使ってみようと思う。

柄は猫。色々と柄の種類はあるのに、なぜ犬はないのか(審議)

満月とか新月とか、暦の情報は記載がない様子。気にする時は確認してるのでいいのだが、新月・満月ぐらいは意識したいかなぁと思ったりいたり、なかったり。手帳用具もりもり増えそうなので、この辺で歯止めをかけたいところ。2022年を迎えるまでに手帳を増やしていたら笑ってやってください。

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2021.07.18~08.15 全7冊、読了後の本感想走り書き。と、2021.8月のバレットジャーナル

暑い。生命が生きていく環境じゃない。干物になる。

7月がもう死んだことに驚きを隠せない。先月も同じことを言っていた気がする。

1ヶ月の8割が体調不良で、夏にあまり本を読んでないことが分かる。

死者の花嫁 葬送と追想の列島史(佐藤弘夫

自然葬・樹木葬など葬送のあり方が多様化する現在。従来の仏教式の葬送文化はどのように成立したのか。それを支えていた“死生観”とは。墓、先祖、幽霊。日本人の死生観の変容を、古代から近現代に至る長い変遷でまとめた書籍。著者は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県三陸地方出身。本書最後には震災を通じて改めて触れた自身の死生観にも触れている。

内容としては、著者の研究結果をまとめたものでありながら文芸作品のように美しい文章で構成されている。本書から引用すると、下記のような文章がある。

”人は必ず死ぬ。例外はない。私たち自身が死すべき運命を刻印されているだけではない。一人の生を支えるためには、多くの生物の死が不可欠である。人間は無数の死の影を背負い、みずからもまた死という終着駅に向かって、絶えることのない歩みを運び続けることを宿命づけられた存在なのである。”

私達は現代、人の死から離れて生きている。人の死を目にすることはまずない。死亡確認は医師によって行われ、何時何分後臨終と生と死には明確に線引きがされる。この死の線引きは医療従事者でも議論のある難しい議題なのだが、ひとたび死へ線引きされると、次は葬儀専門家へ引き継がれ粛々と葬儀へと進み火葬される。前近代では、生と死の線引きには移行期間があり一定の幅があった。この生と死が交錯する期間、生者と死者は交錯し同じ空間を共有していた。前近代では、生と死そのものが本質的に異なる状態とは考えられていなかったとしている。

本書を通して、著者が辿り着いた結論を読者に伝えたいという意図よりは、著者の今までの研究結果を一般にも分かりやすいようにまとめたものと言う印象を受けた。タイトルに見合うような唯一の結論を読みたい需要には答えられないかもしれないが、著者の研究結果が様々な時代、分野の視点からまとめてある。よい出来の書籍だと感じた。文章の美しさだけではなく、内容自体もとても興味深い書籍。 

最高に楽しい文房具の歴史雑学(ジェームズ・ウォード)

文房具の背後にある歴史と物語を飽くなき偏愛で綴った書籍。扱われている文房具はモレスキンなど、海外ブランドの文房具メイン。著者がイギリス人でイギリス中心に話が進む。文章が文学的。著者は元々ブロガーで、本書もブログが話題になっての出版したそうなのだが、熱量がとてもブログとは思えない。好きが詰まっているのだと思う。イギリス人っぽい文房具への拘りが透けて、日本人と文房具に求めるものが異なるのだろうと感じた。文房具本としても、読み物としても面白い。写真がちょっと残念。

スーツの百科事典(出石尚三

スーツを正しく着こなすための「知識」と「教養」を網羅した本邦初の百科事典にして全ビジネスマン必読の実用書。

と、紹介はあるが、スーツの近代史から細かくまとめてある。これは百科事典ではない。形式も内容も百科事典ではない。エッセイ、かなぁ……。これがビジネスマン必読の実用書は流石に詐欺。内容としては、著者の英国趣味が多分に反映されている。歴史・ルール・時代考証なども英国に偏り。網羅性を考慮しても、やはり事典ではない。スーツのことを知りたい人が始めて手に出す本としては、中々ヘビー。

ただ、スーツのことを詳しく知ろうと思うと、書籍が殆どないのも事実なので悩ましい。

文章が、なんというか、ナルシスト?のような感じで、最後まで読めなかった。苦痛。 

マリー・アントワネット 運命の24時間(中野京子

マリー・アントワネットの立場から見るフランス革命。愛人フェルゼンが綿密に計画を立てた王家の亡命が失敗しなければ、歴史は変わっていた。王妃の運命を狂わせた一日、ヴァレンヌ逃亡事件についてまとめた書籍。

著者は怖い絵シリーズの中野京子さん。ちょっと期待して手を出したのだが、本書のスタンスが今一つ分からず首を捻りながら読んだ。期待が大きかった分ちょっとしょぼっとした。物語にしたかったのか、史実を忠実に記したかったのかハッキリしない。総合的には物語の側面が強いのか。ドラマティックかと言われるとドラマティックではあるのだろう。著者的にはフェルゼンへの思い入れが強いのかなと感じた。私はヴァレンヌ逃亡自体を詳しく知らなかったので、少し難解に感じた。

図説 ウィーンの歴史(増谷英樹)

ウィーンの歴史を、古代から現代に至るまでのまとめた書籍。ローマ帝国の軍事拠点、バーベンベルク家とハプスブルク家、ペストの脅威、オスマン帝国との戦い、反ユダヤ、2つの革命など。

写真やイラスト、地図が大量に載っていて、文章を読まなくても眺めているだけで楽しい。ウィーンと言う街に絞った書籍なので、ハプスブルクの歴史やオーストリアの歴史も他書で併読すると、この時代に詳しくなれそう。というより、単純に私は世界史が苦手なので、他の歴史を並行して読みたいと感じた。著者は同じ出版社からオーストリアの歴史を出しているので、著者読みすると解像度が上がるのはないか。

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方(moto)

結構昔に書店で立ち読みして、ちゃんと読もうと思って積んでた書籍。

とにかく「お金をたくさん稼ぐ」を主目的にした、仕事と転職、副業の考え方をまとめた書籍。チャンスを待つのではなく、自らチャンスを取りに行き、そのチャンスに全力を尽くすことが、自分の経験値や成果に繋がる。何事もまず自ら行動しなくては…と思える本。前半は著者の自伝(?)体験談(?)で、これが結構極端。この体験談のみでは再現性もないだろうと思っていたのだが、後半の株式会社自分の考え方など具体的にまとめてある。意識の高い本で、具体例もあり転職やより年収を上げたいと考えている人にはよい本。メンタルを病んでいる人やお金をたくさん稼ぐことを人生の主課題としていない人には、色々としんどい本。

新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実(峰宗太郎/山中浩之)

2020年出版の時事ネタタイトル書籍。当時はまだ新型コロナワクチン接種開始前。峰先生のツイッターで存在を知っていていた積み本。峰先生と編集Yさんが対談形式で進行する。タイトルは時事ネタの「コロナ」だが、本書が伝えたい論点は少し異なる。よって「コロナの真実を知りたい!」と考え手に取ると、何も受け取れず駄作に感じるだろうと思う。勿論、前半部分では「ワクチンが9割効くとは?」「ワクチン打てはマスクしなくていい?」「なんでワクチンはなんでこんなに早くできたの?」など専門家に詳しく聞きたい素朴な疑問にも触れている。(が、簡単に説明できないので、話が長くなる。比較的分かりやすく話してくれているのだが、対談形式で読みやすい文章ではない)

本書を最後まで読んで「何が真実なのだ」「不都合な真実なんて書いてない!」と思うのならば、心の兜の緒を締め「自分は騙されやすい」と常に唱えることをオススメする。本書には、予防医学や健康情報、公衆衛生の仕事に関わっているとき、実感していたけれど相手に上手く伝えられず歯痒い思いをした事も書いてある。この歯痒い現実がタイトルにある「不都合な真実

白黒つかないし魔法の弾丸も魔法の水晶もない。特定の薬や食べ物が効いて一発解決することもない。神風は吹かない。泥臭くてつまらないし面倒くさい。ぱっとしないし、華やかでもない。ハッキリもしないし格好良くもない。しかし、それが妥当である場合もある。サバ缶がコレステロールを下げるだとか、朝だけバナナだけダイエットとか、○○油で血液がキレイになる!だとか……。よくありますよね?本書は一番伝えたいことは、これらのことと根本的には同じの話。

私自身も今一度、緒を引き締めようと感じました。コロナの情報書籍というよりは、考え方の一つの提示として熱意の感じられるよい書籍でした。

【8月のバレットジャーナル】

◆表紙

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ツイッターで見かけたいい感じの森。森に行きたい。貴船上高地に行きたい。

◆トラッカー

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いつものトラッカー。無印のフリーカレンダーを使い切ってしまったので、今月は手書きに変えた。

◆健康トラッカーと睡眠ログ

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内服部分だけ消してある。ノートに色々貼ってたら、180度開いてるのにページがひらひらする。

◆今月の占いと頭痛ダイアリー、基礎体温グラフ

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しいたけさんの今月の占い。薔薇は自分で撮影した薔薇。

◆体重グラフと家計簿

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体重グラフと家計簿。家計簿自体はメインはアプリで管理しているけれど、趣味だから手書きもしている。グラフもアプリで付けられるけれど、グラフは美しいので好き

◆第五人格とソシャゲメモ

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ソシャゲメモ。ここが白いと課金に見合った稼動をしていないことが丸わかりになって、課金を振り返る参考になる。そろそろ第五人格には課金を控える時期かなぁと考え中。端的に白いんだよな、このページ。やってない。

2021.06.28~07.17 全7冊、読了後の本感想走り書きと7月バレットジャーナル

【今週のトピックス】

7月になったので、もう2021年下半期が始まった。遺憾。月8割体調不良。食欲が行方不明。

やさしい漢方入門 ねころんで読める漢方薬(今津嘉宏)

「ねころんで読める」とは言ったが、「ねころんで理解出来る」とは言ってない。

漢方の基礎知識から四診を活かしたフィジカルアセスメント、症状別漢方薬、副作用まで、漢方の知識がない医療関係者向け書籍。

ねころんで読める薄さ。寝る前にベッドでごろごろ読むのには最適。

ただ、入門書としては物足りない。漢方の総論の総論。といった印象。これ一冊では漢方の「か」の字も分からないし、フィジカルアセスメントも四診も臨床では生かせない。巻末にはよく使う漢方の一覧?情報があるが、それも情報が浅い。

ねころんで読むにはちょうどよい厚さだが、コスパと内容を考えると割高に感じる。

医学知識はある程度ある前提の書籍なので、患者が読むことを想定している書籍ではない。

イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める!物理のしくみ(川村康文監修)

学生時代に物理選択してなかったし、物理よくわからない ので手に出した。

表紙にも書いてあるように、文系な人や知識ゼロ向けの物理の書籍。一問一答形式。イラストが多くて最早絵本。空はどうして青いのか?など、身近なことだけど仕組みがわからない現象をていねいに解説している。小中学生でも読めるんじゃないかと思う。

子どもの「なんでなんで期」に一緒に読むと科学に興味持ってくれるんじゃないかな。

しらないとか、そんなのどうでもいいわよ、などばっさり切ると、子どもにも切られるのでご注意ください(※個人の考えです)

コンパクトに分かりやすく、イラストの多くて簡単にまとめてあるのでよい書籍。もっと詳しく掘りたい場合は、ここから専門内容を掘るといいのではないかなと。高校生の物理レベルだと、ちょっと簡単すぎると思うので他書で補足しないと足りない。

ナレッジエンタ読本21 妖怪を科学する!(武村政春

妖怪をこよなく愛する分子生物学者である著者が妖怪を徹底考察した本。「カッパはカメか?人間か?」など、もし妖怪が本当に存在するのであればどんな仕組みをしているのか考察している。考察されている妖怪は全部で7体。いずれも日本では古くから馴染みのある妖怪。生物学の専門家が妖怪を真面目に考えている時点で発想が面白い。本書から生物学の知識を強化するというより、読み物として面白い。

ただ、実際に解剖された妖怪はいないので、各地での伝承や古い文献を元に考察している。最終的には著者の妄想にはなってしまっているし、実際に解剖してみないと分からないがオチ。7体も読むと若干胸焼けする。アプローチは面白く、読み物としては寝る前にサクサク読めてよい。

図説 ヴィクトリア朝の子どもたち(奥田実紀・ちばかおり)

ヴィクトリア朝の子どもの暮らしを英国児童文学から引用しつつ紹介している。階級意識が強いヴィクトリア朝で子どもの世界は光と影がはっきりとしていた。本書では誕生から「大人」になるまで、上流~労働者階級の差も網羅している。

ヴィクトリア朝では「子どもは大人のミニチュア版」と考えられていて、早いと5歳で働きに出ていた。育児は乳母が行い親とは殆ど接していない。

社交界デビューについて調べても、”ハリボテ”感が強い。売春の年齢は12歳から合法で、水の汚染が強いため子どもでもビールを飲んでいた。夜泣きにアヘンを与えたり、現在との認識の差を強く感じた。華やかな側面を表現した作品が多いが、光と影が色濃くあった時代なのだと感じた。

昆虫の哲学(ジャン=マルク・ドルーアン

古代から現代まで、昆虫をめぐって人間が考えてきたことを多角的にふりかえり、生物多様性など古今東西の昆虫に着目した科学エッセイ。著者はフランスの科学史家で国立自然史博物館の教授で、在任中は後進の指導や展示の企画にあたっていた。

昆虫がなぜ一部の人の心を捉えるのだろうか?その理由を考察することが本書の目的の一つでもある。昆虫は種数が膨大で、形態や生態が多種多様。地球上の動植物を合わせた総種数175万のうち、54%にも達する95万種が昆虫。

また、社会生活をする昆虫は、共和制、王制、奴隷制度、労働といった人間社会の制度をめぐる議論とかさねられた。一見奇怪とも思える昆虫の生態と解釈、様々な論争も詳しく紹介されている。

美しい世界の文様を彫る ソープカービング(智美)

ソープカービングHow to本。

ソープカービングは、タイカービングの技法を応用し石鹸に彫刻を行うもの。元々のタイカービングとは、フルーツや野菜に美しい彫刻をほどこすタイの伝統的な文化技法。
フルーツや野菜の代わりに石鹸を使うことで、ほのかな優しい香りを空間に広げてくれるインテリアとしても楽しむことが出来る。

本書には図案つき。入り組んだ文様を彫るコツや、つまずきがちな箇所を写真で丁寧に解説されている。初心者向けの解説本として丁寧なつくりになっている。

和風な文様デザインも数多くあって、縁起のいい文様がたくさん。見ていても楽しいし、ちょっと石鹸削ってみたくなる。

ダークデータ 隠れたデータこそが最強の武器になる(デイヴィット・J・ハンド)

ダークデータは著者の造語だが、ダークデータは目には見えず記録されていないが、私たちの結論や決定、行動を大きく左右する大切な情報のことだ。 私たちは世界を正しく認識しているつもりでも、ついこれを見落としがちである。結果、不幸な結果や取り返しのつかない事態を招くことがある。本書ではダークデータとそれによって起きた結果を実際の事を踏まえ紹介している。

事例紹介が多く少し物足りない印象はあるが、データ分析を行う上で頭の片隅に置いておきたい視点ではある。

鈍器。

7月のバレットジャーナル

もう半月過ぎてるので、さらっと写真だけ載せておく。自己満足。7月の表紙は星空。

◆トラッカー

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いつも通り。無印のフリーカレンダーを使い終わってしまったので、勉強用のカレンダーは手書きしました。

◆健康記録

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ここはいつも通り。ページの順番のみ移動させている。

◆しいたけ.さん占いと基礎体温記録

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ページ順番を移動させた。占いがここに移動。裏抜けを気にして変えた。

今は占いの下に推しのイラストをコピーして貼ってある。謎の恥じらい。

◆体重記録と家計簿

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マステでページの小口に貼り付けしてインデックス代わりにしてるのだが、そろそろマステを買い足さないとマステがない。マステの主張が強い。

家計簿の各項目を最後にまとめられるようなページを作った。

◆第五人格記録

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作ってはいるけれど、最近ゲームをしていない。画面酔いしちゃって気持ち悪いんだなぁ……。メモ欄にはツイステの記録を書き出している。

あと、謎のシールを大量に貼り付けている。ぺたぺた……気分は女児。

2021.06.19~06.27 全9冊、読了後の感想走り書き

【今週のトピックス】

「頭痛と友だち」「部屋に緑がほしいけど枯らす気がして怖い」「血祭り由来の不調を引き摺っていたら血祭り前になってしまった」

中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない(中野京子

「運命の絵」シリーズ第2弾。怖い絵シリーズの著者の書籍。著者買い。

サブタイトル通り、運命の中でも含まれた小テーマは「誰もみな、運命から逃れられない」

表紙はマネの「フォリー・ベルジェールのバー」

一見華やかなバーガールだが、無機質な死んだ目をしているのか。よくよく見ると、この絵、構図が変だ。そこにはどんな意図があったのか。当時の時代背景も紐解きつつ、絵画の解説をしている。

いつも通り、フルカラーで掲載されている。相変わらず著者の解説の引き出しが多い。

ゴーギャン「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」は、絵画の解説よりは画家の波乱万丈半生解説になっている。絵で食べていくってホント大変なんだな……。現代からだと想像も出来ない人生。

ギュスターヴ・モローユピテルとセメレ」は描き込みがすごい。描き込みが多すぎて息が詰まりそう。でも、画家本人はまだ描く気があったのも怖い。絵のテーマはゼウスお前はまたか!!と思うエピソードなのだが、一番怖いのは背後にしれっといるヘラ。澄まし顔を通り越して無表情に見えて、こわい。

運命の絵(中野京子

著者と表紙で手を出した。怖い絵シリーズの著者の本。

過去に出版した「運命の絵」を改題し、文庫化したもの。表紙が違うから、一部追加あるのかなと思ったらそんなことなかった。ナポレオンの晩年の年表とオペラ「運命の力」は確かなかったと思う。後は、出演したテレビのプロデューサーの解説もあるが、まぁ、ほぼ焼き直しかな。でも、表紙のルノワールシャルパンティエ夫人と子どもたち」がインパクトがあり手にとって仕舞ったよね……。一人は男の子って凄い風習だよなぁ。どう見ても可愛い女子会にしか見えない。犬はボーダーコリーっぽい。滅茶苦茶画家(鑑賞者?)を警戒していて、賢いわんこだな……モフモフしたい。

知識ゼロからの近代絵画入門(山田五郎

西洋絵画史でドラクロワ、マネ、ゴッホピカソカンディンスキー、ダリなど、近代美術の変遷を網羅し、解説した本。現代アートに付いての解説もあり。

各流派の変遷を説明しつつ、紹介する絵画を1文で紹介している。近代絵画の大きな流れは掴める。雑学としてなら入門書籍として十分だと思った。じっくり西洋絵画を学んでいくのであれば全く物足りない。絵画を大きく載せているので、文字フォントは小さいが、文量は少なく30分程度で読み終わるので実質絵本。

現代アートに付いては、読んでもよくわからん。に着地した。よくわからん。

各流派の代表を、現代日本人に例えたりしているのだが、余計によくわからなくなった。誰だ~~~~お前は~~~~~~~!!!!!

1冊読み終わったあとに「あ、この人テレビに出てる人か」と気付いた

部屋で楽しむ きのこリウムの世界(樋口和智)

水槽やガラスの容器できのこやコケをあしらって作るきのこリウムの紹介解説した本。

『きのこ』+『テラリウム』=きのこリウム

比較的簡単で管理しやすい初級編~上級編まで作り方を紹介している。育て方のコツやキレイに撮影するアイデアを紹介。きのこの寿命は少し短いので、ちょっと寂しい気もする。写真が綺麗で、眺めているだけで楽しい本。

きのこリウムに適したきのこの紹介しているのだが、本書の写真で見ると見慣れたエノキやナメコ、ヒラタケもなんだかお洒落に見える。ただし食べられない。

小さな容器で楽しめる”癒しの水草レイアウト” ボトルアクアリウム(千田義洋)

今話題の手軽に楽しめるグリーンインテリア。小さな容器で楽しめる、ボトルアクアリウムのHow to本。水草レイアウトも紹介している。ボトルアクアリウムの基本から応用まで紹介している。魚など生態を飼うのは相当上級者向けだと思うのだが、本書ではさらっと書いてあり、少し不安と違和感を覚えた。

この手のボトルで生体を飼育する場合、水が少ない分温度や水質の管理が難しい。生体を飼うのであれば、初心者は大きな水槽で飼った方が水質が急激に悪化し難くて管理しやすい。と言うのは、私の基本知識だった。その部分はうーん……見栄えがいいんだがな……とちょっと歯痒い気持ちになった。こんな小さなボトルで飼えれば、お手軽だし見栄えはいいよな。見栄えは。

写真はフルカラーで見ていて楽しいし、水草や適した生体の紹介もあり、初心者が読むにはよい本ではある。水草だけをインテリアとして飾るなら、これでいいのかもなと思う。生体をお迎えするなら、是非他書や生体に詳しい販売員に相談してから検討して欲しいと思う。

はじめての苔テラリウム 失敗しない植え方・育て方・メンテナンスがわかる(園田純寛)

はじめて苔テラリウムを作る人へのHow to本。かなり詳しく紹介されており、蓋つきのクローズドタイプだけでなくオープンタイプの管理の紹介。苔と石、フィギュアを組み合わせたレイアウトなど、写真としても眺めていて楽しい。

苔といっても色々と種類があるが、巻末には苔図鑑としてカラーで複数種の解説がある。特徴や植え方や育て方のポイント、どのぐらい大きくなるのかなど、苔テラリウムに適した情報が纏まっている。

用土に付いても細かく特徴の解説もあり、本書独自配合を公開している。トラブルの対処法の解説など初心者が読むには中々広くツボを押えてる書籍。

イラスト&写真で見る 多肉植物の楽しみ方と育て方(古谷卓)

部屋に緑が欲しいのだが、植物あまり育てたことがない。タイトルで手を出した。植物、枯らすの、得意…

多肉植物の種類別・季節ごとの管理方法、水やり、植え替えなどを解説した書籍。年間カレンダーも付いている。多肉植物を全て網羅しているわけではないだろうが、一般的なものは網羅してそう。初心者も中級者もこれで大抵対応できそう。よほどの専門家でなければ、一先ずこれ1冊で概ね対応できそうな充実っぷり。ワンポイントのQ&Aも付いていて親切な書籍。写真やイラストも豊富で、絵本のように眺めていても楽しい。

特徴がよくわかる おもしろい多肉植物350(長田研)

かわいく個性的な多肉植物がたくさん紹介されている書籍。とても写真が多く眺めるだけで楽しい。見た事もない植物がたくさん載っている。兎に角たくさん紹介しているので、管理方法は少なめ。全く見たことも聞いた事もない多肉植物ばかりなんだが、珍しいものが多いんだろうか……。写真は本書のために撮ったのだろうなと思わせる、統一感がある。とても綺麗。初心者の本としてはハードルが高いと思うので、上級者やマニア向けの書籍。詳しい育て方は他書の方がよさそう。

<正義>の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか(山田俊弘)

生物多様性を守らなければいけない理由とはなんだろうか?パンダやトキが絶滅すると何か不都合があるのだろうか?過去に起きた五度の大量絶滅をはるかに凌ぐ勢いで、現在生物多様性が失われつつある。この第六の大量絶滅期を生きる私たちは、生き物の保全をおこなうべきだろうか?もしおこなうべきだとすれば、その理由はどこにあるだろうか?「保全の理由」を考えまとめた書籍。

表紙が可愛い。フォントが動物になってる。フォントがすごくかわいい!

本書の冒頭で「生物の保全は必要か?必要であるならその根拠は何か?」を問いかける。この問いに対して、情報をまとめ、著者の主義主張を提示するのが本書の流れになる。本書の内容は、偽善といってしまえば偽善だし、問いに確実な答えがなく、人によって答えが異なる問いではないかと思う。生物学の教科書としてではなく「こういう考え方もあるのか。私はこう思うな。」など、ある程度生物学の基本知識があり、自分なりの意見を持っていると有意義な書籍になると感じた。そうではないと、内容が冗長に感じ、はじめと終わりだけ読めば満足するのではないか。

冒頭の問いは答えがないようなものなので、常に中立にフラットに「考え続ける」ことが大切なのだと思う。時代によって答えも変わる。本書では「命は皆尊い」が結論になっている。確かにこれは正かもしれないが、それを突き通すには人間に余裕がないと突き通せない。自身が死んでしまうような状況では、命は皆尊いと言ってられない。実際の現場において費用や人手は有限で、殺処分される保護犬猫もいるだろうし、人を害するクマは射殺してしまう。命が皆尊いなら、このクマも殺せない。しかし、何かを選ばないと全てを捨てることになる。やらないよりやった方がマシなはずと、苦しみながら選択しているのではないか。これは言葉を変えれば、命の選別で、差別であるとも言える。うーん、主張がループしてしまった。

寝る前にベッドの中でだらだら読み、頭を使うのにちょうどよい内容だった。

 

 

2021.06.13~06.18 全7冊、読了後の本感想走り書き

夏かと思ったら、これから梅雨だった。

中野京子が語る 橋をめぐる物語(中野京子

橋に纏わる様々な話をまとめた本。

所謂著者買い。怖い絵シリーズの著者。今回は絵画メインの話ではなく橋がメイン。舞台は西洋関係なく、日本の話も載っている。犬の飛び込み橋と味噌買い橋が面白い話だった。犬が何をしたああああああ!!!!!

「奇」「驚」「史」「怖」で分類されている橋のエピソード集。怖い話だったり、怪談だったり。表紙は絵画だけれど、この絵画の話は本文には出てこないし、絵画に関する話は少なめ。ブリューゲルの「悪女フリート」ぐらい。絵画の解説をしている他書の感覚で手を出すと、ちょっと物足りない感がある。文章はいつもより緩やかな感じ。元々は新聞に掲載されていたエッセイをまとめたものなので、1本1本は結構さっくりしている。 

名画に見る男のファッション(中野京子

名画から当時のファッションに付いて触れた本。

所謂著者買い。怖い絵シリーズの著者。今回は絵画の話だが、怖い話ではなくファッションに注目している。文庫本なので、絵画自体は小さいので少し見難い。ただ、文庫で出先で読みやすいし、本文の文字自体も大きいのでサクサク読める。新聞の連載や雑誌に掲載していた原稿をまとめたものなので、一つ一つは簡潔に纏まっておりするする読める。それほど怖い話もなく、今と当時とは異なる文化を知れるので面白い。あ、毛皮にノミが付いていて~という話はぞっとした。いや、人工物ないしそりゃそうなんだけど。ひぇ…。かつてはゴムもファスナーもホックも存在しないし、着るのも使用人の手を借りていたらしい。大変だ。男性も化粧をしていた時代もあったとあり、ファッションは本当に巡るんだなぁと謎に感心した。

表紙は、ジョバンニ・ボルディーニ「ロベール・ド・モンテスキュー伯爵の肖像」

19世紀末パリにおけるダンディのお手本のような男性。カフスとステッキの柄は青で対に。グレーのスーツに白い山羊革手袋がお洒落。白手袋かぁ、いいなぁ。

フランツ・ヴィンターハルター「アルバートエドワード王子」の肖像画も可愛らしい。当時は海軍に制服はなく、水夫は思い思いの格好をしていた。しかし、胸元が逆三角形に開いており、波に浚われた時すぐ脱げるからと甲板衣としてセーラー服が好まれ出す。これが、子どもが着るとこの絵画のように独特の魅力を放つとして、ファッションとして流行する。私はセーラー服を着たことはないのだが、確かに可愛い。分かる。

いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。(ジュリア・キャメロン)

ベストセラー『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』の大人編。熟年期を迎えた人たちをターゲットに自分を見つめ直していく自己啓発本

リタイアした人たちが直面する問題は「有り余るほどの時間」「手持ち無沙汰」「生活環境が一変し、時代から取り残されたような感覚」「未知なものへの恐れをともなう将来への不安」「苛立ちや興奮、憂鬱」など。この先どう生きていくのか?本書は12週間に渡って、自分を見直し活用できる実践書となっている。文字がびっしりの自己啓発本で、他の自己啓発本と比較すると毛色が違いその点は面白い。

私は、モーニングページの名前ぐらいは知っていたけれど、実際にこの著者の書籍を読むのは始めてだった。モーニングページは、毎朝、自分のためだけに自身の意識を書き出すメゾット。著者の書籍は、色んな所で絶賛されていたのだが……私には今一つ刺さらなかった。

本書の結論は

日記を書きましょう!

これに尽きると感じたから。これ読んで感銘を覚える人はA4ノート買うんだろうなぁ……。文房具は自分が長く付き合える恋人に出来るようなやつがいいよ…などとちょっとだけ心がめしょめしょした。違うんだ…How toでオススメされたからよい文房具なんじゃないんだ…自分でやって継続できるからこそ、この手のHow toは素晴らしいんだ。まだA4コピー用紙を使おうとかなら納得できた。今度はバラバラになって腹立つので難しい。

いちばんやさしいWordPress入門教室(佐々木恵)

WordPressで、ゼロからWebサイトの作成や運用を解説した本。
WordPressでサイトを作ろうかと悩みつつ、手を出した。一通り読んだのだが、恐らく手を動かしながら読む本なんだろうなぁ。初心者は有料のテーマが良いとすすめる人も多いのだが、この本通りにやれば普通に一つサイトはできそう。どっちの方がいいんだろう。

今はYouTubeや他の情報もたくさんあるだろうから、出来るなら自分で調べつつ手を動かすのがいいんだろうなと思った。この手の技術モノは、紙ではなく動きを見る方が分かりやすいのかも。本当には詳しい人に投げちゃった方がいいんだろうなぁ……。

アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治(吉田徹)

戦後秩序を形成したリベラリズム崩壊後の「暗い時代」の深淵を書き出している本。

中間層が疎外感を強め、凶暴になる理由。なぜ有権者は強い指導者を求めるようになったのか。考察している。古今東西の政治や体制について熟知していないと描けない本で知識量に圧倒される。ただ情報量が多く、図示化しないと情報が錯綜する。カタカナも多く、読んでいて迷子になる。読むことが辛かった。

俯瞰的にリベラルデモクラシーを捉えることは難しい作業だと感じた。ある意味、リベラルぶるなんておこがましいのかもしれない。

心や懐を広く持って、穏やかに生きたいのだが、贅沢な願いなのだろうか。今年、ちょっと心が折れた本。

石井ゆかりの星占い教室のノート(石井ゆかり

石井ゆかりさんがまとめたホロスコープの読み方。「石井さんならどう読みますか?」の答えをまとめた本。「星占い教室」のトークも抜粋して収録してある。

丁寧な本。ただ、初心者にはわからない事も多い。ある程度知識がある人向けの書籍だが、この本やあの本が詳しいです。だとか、この本を参考にしています。だとか、小まめな参考先や出典のフォローがあり総合して丁寧。聞き慣れない単語を補足した寄稿記事をまとめた章もあり、タイトル通り石井さんのノートという感じ。他の本と併せて腰を据えて勉強したい。星読み、奥が深いぜ……。

文面は優しくて読みやすい。尖った物言いをしないので、よい意味で食べやすい。教科書的かというと語り口に文面が近い。

最近はネットも便利だけれど、1冊にしっかり纏まっている本の方が大まかにイメージを掴みやすいように思った。本文中でも何度か触れられているが、人によって解釈に幅があるのが星読みの世界。ネットだと、人による解釈が色々と入り交ざっているのであれこれ摘むと、余計に混乱してしまうように思う。それなら、色々と網羅している本を1冊腰を据えて学んでしまい、その後他の人をつまみ食いして、自分の解釈を育てる。そんな育て方が綺麗な道筋なのかなと考えた。

猫をもっと幸せにする「げぼく」の教科書(獣医にゃんとす)

ロンブンチョットヨメルな猫げぼくさんの本。

ツイッターで科学的根拠に基づいたわかりやすい情報発信の著者。獣医師で研究員、そして猫の飼い主(=「げぼく」)という3つの視点から、猫に心身ともに健康でいてもらうための“心得”をわかりやすく解説している。

卒業大学も勤務先も「某」になっているので、うーんどうなんだろう?と思ったのが第一印象。(看護師や医師と同じでちょっとややこしそう)猫を飼う時の疑問が分かりやすくまとめてある。文章自体もそこそこ読みやすい。あとイラストが可愛い!

ツイッターやインスタ、YouTubeでも、猫に関心が高い人なら目を通していそうな情報も多い。私は犬猫どっちも好きだけれど、実際に一緒に生活したことがあるのは犬だけだったので新鮮だった。ご飯の話や環境の作り方の話など、悩んでいる猫飼いさんはたくさんいそう。犬は高いソファーから降りそびれて足を痛めたりするけれど、猫は部屋を見渡せる場所が必要だそうだ。猫は自分のテリトリーを大事にするらしい。この辺り、犬とは違う生き物なんだなと改めて納得した。ツイッターなどで見る本棚や洗濯機やちょっと高いものに登っている猫ちゃんたちは、お部屋のパトロールだったのか~とほっこりした。 

げぼくの愛が詰まっている書籍だった。入門書としてとっつきやすく良いと思う。

 

2021.05.30~06.12 全7冊、読了後の本感想走り書き

 資格の勉強始めたり、血祭りで不調が来たり、なんだかんだ本が読めなかった。くそこん

紙の世界史 歴史に突き動かされた技術(マーク・カーランスキー)

世界の「紙」の歴史をまとめた本。日本の和紙にも記述ある。

本書では、「記録する」というのはヒトだけの特性と着目する。紙は人類史を作り上げる礎となった。世界史において活版印刷で知られるグーテンベルクだが、本書では本人に関する情報は少ない。ちょっと意外に感じたが、活版印刷は厳密には紙の歴史ではない。本書では紙をテクノロジーの一つと捉える。冒頭の記述には”テクノロジーが社会を変えるのではく、社会の方が社会のなかで起こる変化に対応するためにテクノロジーを発達させている。”とある。紙は古いテクノロジーで、印刷は新しいテクノロジー。著者の主張を見ると、活版印刷によって紙を活用する選択肢が一つ増えたと考えられるのかもしれない。パソコンやITの発達が近年めまぐるしいが、やはりテクノロジーとして選択肢が増えただけ。紙はまだまだなくならないのだろうなと感じた。

結構しっかり歴史書で、若干文体が苦手だった。原題は「Paper」また、世界史くっつけて邦題タイトルを作っている。またか。慣習?でも、表紙に「紙」とだけ提示されても今度は分かり難いし……翻訳って難しい

「馬」が動かした日本史(蒲池明弘)

最近馬が流行りだ。うん。

と思って反射で手に取った本。馬に関する日本の歴史をまとめた本書だが、著者は歴史学者ではなく歴史ライター。馬が持ち込まれたのは5世紀ごろ。日本史と馬の関わりは歴史書としてはよく語られるジャンルらしい。

本書はすごく読みにくい。日本史とはあるのだが、地層の話になったり地域ごとのまとめになっていて、時代があっちこちに前後する。後半は著者の自慢?分からないけども、タイトルから期待したような内容ではなかった。史というよりはコラム。

何冊目かの今年挫折した本にランクイン。

<新版>ユダヤ5000年の教え(ラビ・マービン・トケイヤー)

ユダヤ教聖典「タルムード」を中心に、ユダヤ教の他の教典や言い伝えの金言を厳選しまとめたのが本書。それぞれ「ビジネスで成功するには」「蓄財するには」「知恵を磨くには」「人付き合いで失敗しないためには」などの章に分類されている。各金言には簡単な解説も付いているが、日本人の感覚だと生活背景的にピンと来ないものも当然ある。日本人は豚も食べるしね。

私はキリスト教の入口を簡単に触った程度の知識しかなく、ユダヤ教に付いてはあまり知識がないが入門の書籍として楽しめた。これは参考にしようと思うような金言もあった。現在ユダヤ人にはお金持ちや成功者が多いと本書でも触れているが、小さい頃からこんな知恵に触れていれば、広い視野をもって生きていけそうだと思う。

以下、本書中、特に参考にしようと思った金言まとめ。

  • 毎日、今日があなたの”最後の日”だと思え。毎日、今日があなたの”最初の日”だと思え。
  • 人は金銭を時間より大切にするが、”失われた時間”は金銭では買えない。
  • どれほど”高価な時計”でも、刻む一時間の長さは同じだし、どれほど”偉い人”でも一時間は変わらない。
  • 成功の扉を開けるためには、”押す”か”引く”かしなければならない。
  • 貧乏は”恥”ではない。しかし”名誉”だと思うな。
  • ”してしまった”悔やみより、”したかったのにしなかったこと”のほうが、後悔が大きい。
  • 鳥を籠から逃がしても、また捕らえることができるが、”口から逃げた言葉”を捕らえることはできない
新版 しあわせ占星術 自分でホロスコープが読める本(まついなつき

ホロスコープの書き方&読み方をマンガでわかりやすく解説。占星術の入門書。

2000年に初版が出版されて、改訂版、新版、と版を重ねている。

漫画を含めた解説で、入門書と紹介されているだけあってわかりやすい。ホロスコープの書き方は、本当に簡易なものでより精密なものだと微妙に異なる場合もある。解説は精密なものに対応してはいるので、本書でも触れられている通りインターネットのサイトなどで自分のホロスコープを作ってしまって。それを読み解くのに使うといいのかなと思う。4元素・3区分から始まるので、他書に比べると親切設計でとっつきやすい。ある程度分かっている人だと、物足りないんだろうなぁとも思う。

私は、自身の獅子座らしい獅子座だが、火元素っぽくはない。が、ホロスコープをちゃんと確認してみたら、持っている元素自体は土が一番多かった。むしろ露骨に土に偏っていた。無駄に納得した。リラックスできる空間の項目にも納得。そこも獅子座ぽくないよな~と思っていた。自身が癒される場所を順番に並べてみたら、その通りだった。何もおかしくなかった。

本書自体は分かりやすいのだが、土星より外の惑星はよくわからないし、1度読んでみても「あ、分かったー!」とはならない。本書も終始首を捻りながら読んでいた。何度も読まないと理解できなさそう。占星術、考えることが多すぎる。しかし、雑誌の星座占いが当たらないのは道理だなと納得できる。これ読めるようになると楽しそう。

中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇(中野京子

「難しい」と思われがちなキリスト教の名画を解説した本。他書よりもラフな文章で、痛快な砕けた文章。タイトル通り、旧約・新約聖書のどちらの絵画に付いても解説している。絵画の色合いもつかめるフルカラー。

旧約聖書は家族関係がややこしく、新約聖書は人間関係に首を捻るのだが、丁寧に関係図も付いている。聖書を殆ど知らない人でも「ふーん。そうなのかー」と読むことが出来る。実際、聖書は普通に読むだけではなくどういった意図の文なのか。読み解き方まで教わらないと読み解けないと思う。本書では、難解な聖書を聖書の宗教観とは無縁の日本人でも、ライトに読み解ける。

実際の展覧会で実物を見たことがある絵画もあったが、解説を聞き視点が変わったのはブリューゲルバベルの塔」何も知らないで見たときとは印象が変わった。

難解なテーマの絵画が、聖書ではどんなストーリーなのか。登場人物が何を意図されているのか。初心者でも解説を聞けば分かりやすく、流石の内容だった。

中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇(中野京子

名画の謎シリーズの3作目。フェルメールラファエロゴヤブリューゲルなど、時代を代表する名画を解説した本。権力へと強欲な手を伸ばし、運命に翻弄され、恋に身を焦がす人々の営みがときに鮮やかに、ときに冷酷に描かれている。

サブタイトル部分の「陰謀」はちょっと首を捻る。だが、いつもの読みやすい文章も、深い西洋史知識も健在。怖い絵シリーズよりは軽快でリズミカル。

該当の時代がヨーロッパでは激動の時期で難解なためか、それぞれの絵画にきちんと年表でのどこに該当するのか補足記載がある。世界史や西洋史にあまり詳しくないので、とても親切でありがたかった。

安定のフルカラー。印刷の質は、お値段相応か。だが、この値段で名画を自分のペースでゆっくり眺められるのかと思えば安い。様々な愛憎や権力争い、それに伴う恐怖。登場人物の背景が分かれば、より篭められた作者の意図も読み解きやすくなる。作者買いした本だったが、やはり面白く楽しく読めた。

中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇(中野京子

名画の謎シリーズの4作目。同様の題材や図柄なのに、その意味や世の評価は時に正反対になる。2枚の絵を比べる面白い視点で解説した本。

冒頭から「ストレート VS ゲイ(死んでもいい)」としてクリムト「接吻」と、カラヴァッジョ「聖マタイの殉教」を解説する。この冒頭の内容で挑戦的な書籍だと感じた。

あとがきでも著者が触れているが、この視点での解説はあまり触れられてこなかったようだ。ヌードは芸術か、スキャンダルか。女性のヌードを描くことが禁じられ、裸体を描くためのお題目としての題材があった。ならば、艶かしい男性のヌードを描くことは禁じられたのか?挑戦的でありつつ、「そんな視点もあったのか!」と膝を打つ小気味よさもある。

レーニ「聖セバスティアヌスの殉教」で題材になっている聖セバスティアヌスは、世界最古のゲイ・アイコンと紹介されている。え、はい。なるほど!?三島由紀夫の「仮面の告白」にも詳しく語られているそうなのだが、三島は同じポーズで写真を撮っているそうだ。なる…ほど?全く知らなかった世界を覗いてしまった感がすごい。

フランソワ・ブーシュ「ゼウスとカリスト」は解説を読めば読むほど、ゼウスこの野郎……!と言う気持ちになる。憧れのお姉様だと思って抱き寄せられたのに、実際は自分の娘に変身した父親(ゼウス)だった。パワーワードすぎて、ちょっと意味が分からない。世界始まりすぎだろ。ゼウスこの変態野郎……その後の顛末も救いがなさ過ぎる。ギリシャ神話色々とすごい物語だ……。

個人的には、ジョゼフ=マリー・ヴィアン「キューピッド売り」が面白かった。羽をつまむように気軽に扱われているキューピッドと、それに対してのキューピッドのパフォーマンス。何も知らないとよくわからない絵画なのだが、読み解くと卑猥なニュアンスも含みつつ作者のユーモラスも感じられて中々に面白い。ちょっとこのキューピッド好き。

2つの作品を対比させながら論じるのでは、解説に物足りなさが残るのではないかとも思ったのだが、これはこれで面白い。絵画の解説としては物足りなさを感じる部分もあったが、当時の背景を知り鑑賞の視点の引き出しを増やすにはとても有意義だった。