紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.07.18~08.15 全7冊、読了後の本感想走り書き。と、2021.8月のバレットジャーナル

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暑い。生命が生きていく環境じゃない。干物になる。

7月がもう死んだことに驚きを隠せない。先月も同じことを言っていた気がする。

1ヶ月の8割が体調不良で、夏にあまり本を読んでないことが分かる。

死者の花嫁 葬送と追想の列島史(佐藤弘夫

自然葬・樹木葬など葬送のあり方が多様化する現在。従来の仏教式の葬送文化はどのように成立したのか。それを支えていた“死生観”とは。墓、先祖、幽霊。日本人の死生観の変容を、古代から近現代に至る長い変遷でまとめた書籍。著者は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県三陸地方出身。本書最後には震災を通じて改めて触れた自身の死生観にも触れている。

内容としては、著者の研究結果をまとめたものでありながら文芸作品のように美しい文章で構成されている。本書から引用すると、下記のような文章がある。

”人は必ず死ぬ。例外はない。私たち自身が死すべき運命を刻印されているだけではない。一人の生を支えるためには、多くの生物の死が不可欠である。人間は無数の死の影を背負い、みずからもまた死という終着駅に向かって、絶えることのない歩みを運び続けることを宿命づけられた存在なのである。”

私達は現代、人の死から離れて生きている。人の死を目にすることはまずない。死亡確認は医師によって行われ、何時何分後臨終と生と死には明確に線引きがされる。この死の線引きは医療従事者でも議論のある難しい議題なのだが、ひとたび死へ線引きされると、次は葬儀専門家へ引き継がれ粛々と葬儀へと進み火葬される。前近代では、生と死の線引きには移行期間があり一定の幅があった。この生と死が交錯する期間、生者と死者は交錯し同じ空間を共有していた。前近代では、生と死そのものが本質的に異なる状態とは考えられていなかったとしている。

本書を通して、著者が辿り着いた結論を読者に伝えたいという意図よりは、著者の今までの研究結果を一般にも分かりやすいようにまとめたものと言う印象を受けた。タイトルに見合うような唯一の結論を読みたい需要には答えられないかもしれないが、著者の研究結果が様々な時代、分野の視点からまとめてある。よい出来の書籍だと感じた。文章の美しさだけではなく、内容自体もとても興味深い書籍。 

最高に楽しい文房具の歴史雑学(ジェームズ・ウォード)

文房具の背後にある歴史と物語を飽くなき偏愛で綴った書籍。扱われている文房具はモレスキンなど、海外ブランドの文房具メイン。著者がイギリス人でイギリス中心に話が進む。文章が文学的。著者は元々ブロガーで、本書もブログが話題になっての出版したそうなのだが、熱量がとてもブログとは思えない。好きが詰まっているのだと思う。イギリス人っぽい文房具への拘りが透けて、日本人と文房具に求めるものが異なるのだろうと感じた。文房具本としても、読み物としても面白い。写真がちょっと残念。

スーツの百科事典(出石尚三

スーツを正しく着こなすための「知識」と「教養」を網羅した本邦初の百科事典にして全ビジネスマン必読の実用書。

と、紹介はあるが、スーツの近代史から細かくまとめてある。これは百科事典ではない。形式も内容も百科事典ではない。エッセイ、かなぁ……。これがビジネスマン必読の実用書は流石に詐欺。内容としては、著者の英国趣味が多分に反映されている。歴史・ルール・時代考証なども英国に偏り。網羅性を考慮しても、やはり事典ではない。スーツのことを知りたい人が始めて手に出す本としては、中々ヘビー。

ただ、スーツのことを詳しく知ろうと思うと、書籍が殆どないのも事実なので悩ましい。

文章が、なんというか、ナルシスト?のような感じで、最後まで読めなかった。苦痛。 

マリー・アントワネット 運命の24時間(中野京子

マリー・アントワネットの立場から見るフランス革命。愛人フェルゼンが綿密に計画を立てた王家の亡命が失敗しなければ、歴史は変わっていた。王妃の運命を狂わせた一日、ヴァレンヌ逃亡事件についてまとめた書籍。

著者は怖い絵シリーズの中野京子さん。ちょっと期待して手を出したのだが、本書のスタンスが今一つ分からず首を捻りながら読んだ。期待が大きかった分ちょっとしょぼっとした。物語にしたかったのか、史実を忠実に記したかったのかハッキリしない。総合的には物語の側面が強いのか。ドラマティックかと言われるとドラマティックではあるのだろう。著者的にはフェルゼンへの思い入れが強いのかなと感じた。私はヴァレンヌ逃亡自体を詳しく知らなかったので、少し難解に感じた。

図説 ウィーンの歴史(増谷英樹)

ウィーンの歴史を、古代から現代に至るまでのまとめた書籍。ローマ帝国の軍事拠点、バーベンベルク家とハプスブルク家、ペストの脅威、オスマン帝国との戦い、反ユダヤ、2つの革命など。

写真やイラスト、地図が大量に載っていて、文章を読まなくても眺めているだけで楽しい。ウィーンと言う街に絞った書籍なので、ハプスブルクの歴史やオーストリアの歴史も他書で併読すると、この時代に詳しくなれそう。というより、単純に私は世界史が苦手なので、他の歴史を並行して読みたいと感じた。著者は同じ出版社からオーストリアの歴史を出しているので、著者読みすると解像度が上がるのはないか。

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方(moto)

結構昔に書店で立ち読みして、ちゃんと読もうと思って積んでた書籍。

とにかく「お金をたくさん稼ぐ」を主目的にした、仕事と転職、副業の考え方をまとめた書籍。チャンスを待つのではなく、自らチャンスを取りに行き、そのチャンスに全力を尽くすことが、自分の経験値や成果に繋がる。何事もまず自ら行動しなくては…と思える本。前半は著者の自伝(?)体験談(?)で、これが結構極端。この体験談のみでは再現性もないだろうと思っていたのだが、後半の株式会社自分の考え方など具体的にまとめてある。意識の高い本で、具体例もあり転職やより年収を上げたいと考えている人にはよい本。メンタルを病んでいる人やお金をたくさん稼ぐことを人生の主課題としていない人には、色々としんどい本。

新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実(峰宗太郎/山中浩之)

2020年出版の時事ネタタイトル書籍。当時はまだ新型コロナワクチン接種開始前。峰先生のツイッターで存在を知っていていた積み本。峰先生と編集Yさんが対談形式で進行する。タイトルは時事ネタの「コロナ」だが、本書が伝えたい論点は少し異なる。よって「コロナの真実を知りたい!」と考え手に取ると、何も受け取れず駄作に感じるだろうと思う。勿論、前半部分では「ワクチンが9割効くとは?」「ワクチン打てはマスクしなくていい?」「なんでワクチンはなんでこんなに早くできたの?」など専門家に詳しく聞きたい素朴な疑問にも触れている。(が、簡単に説明できないので、話が長くなる。比較的分かりやすく話してくれているのだが、対談形式で読みやすい文章ではない)

本書を最後まで読んで「何が真実なのだ」「不都合な真実なんて書いてない!」と思うのならば、心の兜の緒を締め「自分は騙されやすい」と常に唱えることをオススメする。本書には、予防医学や健康情報、公衆衛生の仕事に関わっているとき、実感していたけれど相手に上手く伝えられず歯痒い思いをした事も書いてある。この歯痒い現実がタイトルにある「不都合な真実

白黒つかないし魔法の弾丸も魔法の水晶もない。特定の薬や食べ物が効いて一発解決することもない。神風は吹かない。泥臭くてつまらないし面倒くさい。ぱっとしないし、華やかでもない。ハッキリもしないし格好良くもない。しかし、それが妥当である場合もある。サバ缶がコレステロールを下げるだとか、朝だけバナナだけダイエットとか、○○油で血液がキレイになる!だとか……。よくありますよね?本書は一番伝えたいことは、これらのことと根本的には同じの話。

私自身も今一度、緒を引き締めようと感じました。コロナの情報書籍というよりは、考え方の一つの提示として熱意の感じられるよい書籍でした。

【8月のバレットジャーナル】

◆表紙

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ツイッターで見かけたいい感じの森。森に行きたい。貴船上高地に行きたい。

◆トラッカー

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いつものトラッカー。無印のフリーカレンダーを使い切ってしまったので、今月は手書きに変えた。

◆健康トラッカーと睡眠ログ

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内服部分だけ消してある。ノートに色々貼ってたら、180度開いてるのにページがひらひらする。

◆今月の占いと頭痛ダイアリー、基礎体温グラフ

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しいたけさんの今月の占い。薔薇は自分で撮影した薔薇。

◆体重グラフと家計簿

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体重グラフと家計簿。家計簿自体はメインはアプリで管理しているけれど、趣味だから手書きもしている。グラフもアプリで付けられるけれど、グラフは美しいので好き

◆第五人格とソシャゲメモ

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ソシャゲメモ。ここが白いと課金に見合った稼動をしていないことが丸わかりになって、課金を振り返る参考になる。そろそろ第五人格には課金を控える時期かなぁと考え中。端的に白いんだよな、このページ。やってない。