2020.11.17 読了後の本感想【雑多】
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読了後の本感想。走り書き。珍しく物語り。
春待ち雑貨店 ぷらんたん(岡崎琢磨)
珈琲店タレーランの事件簿を読んだことあるのだけれど、あ、こんな本出してたんだなと思って手に取った。
表紙が暖かい雰囲気でとても絵になる。
京都のハンドメイドアクセサリーショップ「ぷらんたん」が舞台。意味は外国語で春らしい。タレーランと同じく舞台が京都で本当に京都に行った気分になれる。
主人公は雑貨店の店主、巴瑠。4人の悩みを持った不思議なお客さんと向き合う連作短篇集。
タレーランも珈琲を片手にぐんぐん読み込んだ記憶があったが、本書もぐいぐい読んでしまった。
巴瑠はターナー症候群を抱えていて長年悩み苦しんでいた。病気で子どもは望めない。プロポーズを断るシーンととても印象深い。いきなりリアルな重い病気の話から始まり「表紙詐欺かな!?」とハラハラしたが、全体の雰囲気がとてもよく、優しく、後味も爽やか。最後は桜が咲いている京都を思い出した。いいなぁ。
同じ女性として悩む話に、一誠の抱えている悩み。お店への悪意。
自分が辛い思いをしているから、相手の苦しみを理解できるわけでもない。でも、寄り添い合い共有することは出来る。本文の「ゆっくりわかり合っていきましょう。時間をかけて、それこそ必要ならもう十年費やしてでも、二人が孤独を分かち合いながら一緒に歩めるのかを確かめていきましょう」と言う文章がグッと来た。
もしかしたら、また冬が来るのかもしれない。でも、二人で寄り添い合いながら次の春を迎えられそう。言葉に出来ないけど、じんわり胸にくるよい本だった。
あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。(日野瑛太郎)
タイトが面白すぎて手に取ったんだけど、中身がぐうの音も出ないド正論で草も生えない。
社畜(会社と自分を切り離して考えることができない会社員)になりたいならなってもいいが、多様性を認めてやりたくないやつの価値観も大事にしろよ。って所に話が進んでいくのが好感を持てる。
内容としては正論。と、言うか当たり前の事が書いてあるのだが、これが当たり前じゃないんだよな、日本……。
でも、これを読んで「やっぱりおかしいよな!?今すぐやめるわ!」って考えると、それはそれで違うんだろうなぁ……とは思ったりした。じゃぁ、どうする?の部分は薄め。
「やる気が出ない」が一瞬で消える方法(大嶋信頼)
やる気が出ないとき、本当の原因は何処にあるのだろうかを考えた本。
人間ってコンピューターじゃないから「快・不快」だけで出来てないと思うのだが、この本ではそれだけで人間を説明しようとしている。根拠が乏しいし、違和感を覚えた。
解決策もそれは解決策じゃないだろ……と思ってしまうようなもので、それだったら根性論振り回してる方が数倍マシ。終始もやもやする本だった。
なんであなたのやる気を阻害しているのは他人からの嫉妬になるんだ?それはやる気を奪われた時に奪い返す方法だよ。