紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.06.13~06.18 全7冊、読了後の本感想走り書き

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夏かと思ったら、これから梅雨だった。

中野京子が語る 橋をめぐる物語(中野京子

橋に纏わる様々な話をまとめた本。

所謂著者買い。怖い絵シリーズの著者。今回は絵画メインの話ではなく橋がメイン。舞台は西洋関係なく、日本の話も載っている。犬の飛び込み橋と味噌買い橋が面白い話だった。犬が何をしたああああああ!!!!!

「奇」「驚」「史」「怖」で分類されている橋のエピソード集。怖い話だったり、怪談だったり。表紙は絵画だけれど、この絵画の話は本文には出てこないし、絵画に関する話は少なめ。ブリューゲルの「悪女フリート」ぐらい。絵画の解説をしている他書の感覚で手を出すと、ちょっと物足りない感がある。文章はいつもより緩やかな感じ。元々は新聞に掲載されていたエッセイをまとめたものなので、1本1本は結構さっくりしている。 

名画に見る男のファッション(中野京子

名画から当時のファッションに付いて触れた本。

所謂著者買い。怖い絵シリーズの著者。今回は絵画の話だが、怖い話ではなくファッションに注目している。文庫本なので、絵画自体は小さいので少し見難い。ただ、文庫で出先で読みやすいし、本文の文字自体も大きいのでサクサク読める。新聞の連載や雑誌に掲載していた原稿をまとめたものなので、一つ一つは簡潔に纏まっておりするする読める。それほど怖い話もなく、今と当時とは異なる文化を知れるので面白い。あ、毛皮にノミが付いていて~という話はぞっとした。いや、人工物ないしそりゃそうなんだけど。ひぇ…。かつてはゴムもファスナーもホックも存在しないし、着るのも使用人の手を借りていたらしい。大変だ。男性も化粧をしていた時代もあったとあり、ファッションは本当に巡るんだなぁと謎に感心した。

表紙は、ジョバンニ・ボルディーニ「ロベール・ド・モンテスキュー伯爵の肖像」

19世紀末パリにおけるダンディのお手本のような男性。カフスとステッキの柄は青で対に。グレーのスーツに白い山羊革手袋がお洒落。白手袋かぁ、いいなぁ。

フランツ・ヴィンターハルター「アルバートエドワード王子」の肖像画も可愛らしい。当時は海軍に制服はなく、水夫は思い思いの格好をしていた。しかし、胸元が逆三角形に開いており、波に浚われた時すぐ脱げるからと甲板衣としてセーラー服が好まれ出す。これが、子どもが着るとこの絵画のように独特の魅力を放つとして、ファッションとして流行する。私はセーラー服を着たことはないのだが、確かに可愛い。分かる。

いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。(ジュリア・キャメロン)

ベストセラー『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』の大人編。熟年期を迎えた人たちをターゲットに自分を見つめ直していく自己啓発本

リタイアした人たちが直面する問題は「有り余るほどの時間」「手持ち無沙汰」「生活環境が一変し、時代から取り残されたような感覚」「未知なものへの恐れをともなう将来への不安」「苛立ちや興奮、憂鬱」など。この先どう生きていくのか?本書は12週間に渡って、自分を見直し活用できる実践書となっている。文字がびっしりの自己啓発本で、他の自己啓発本と比較すると毛色が違いその点は面白い。

私は、モーニングページの名前ぐらいは知っていたけれど、実際にこの著者の書籍を読むのは始めてだった。モーニングページは、毎朝、自分のためだけに自身の意識を書き出すメゾット。著者の書籍は、色んな所で絶賛されていたのだが……私には今一つ刺さらなかった。

本書の結論は

日記を書きましょう!

これに尽きると感じたから。これ読んで感銘を覚える人はA4ノート買うんだろうなぁ……。文房具は自分が長く付き合える恋人に出来るようなやつがいいよ…などとちょっとだけ心がめしょめしょした。違うんだ…How toでオススメされたからよい文房具なんじゃないんだ…自分でやって継続できるからこそ、この手のHow toは素晴らしいんだ。まだA4コピー用紙を使おうとかなら納得できた。今度はバラバラになって腹立つので難しい。

いちばんやさしいWordPress入門教室(佐々木恵)

WordPressで、ゼロからWebサイトの作成や運用を解説した本。
WordPressでサイトを作ろうかと悩みつつ、手を出した。一通り読んだのだが、恐らく手を動かしながら読む本なんだろうなぁ。初心者は有料のテーマが良いとすすめる人も多いのだが、この本通りにやれば普通に一つサイトはできそう。どっちの方がいいんだろう。

今はYouTubeや他の情報もたくさんあるだろうから、出来るなら自分で調べつつ手を動かすのがいいんだろうなと思った。この手の技術モノは、紙ではなく動きを見る方が分かりやすいのかも。本当には詳しい人に投げちゃった方がいいんだろうなぁ……。

アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治(吉田徹)

戦後秩序を形成したリベラリズム崩壊後の「暗い時代」の深淵を書き出している本。

中間層が疎外感を強め、凶暴になる理由。なぜ有権者は強い指導者を求めるようになったのか。考察している。古今東西の政治や体制について熟知していないと描けない本で知識量に圧倒される。ただ情報量が多く、図示化しないと情報が錯綜する。カタカナも多く、読んでいて迷子になる。読むことが辛かった。

俯瞰的にリベラルデモクラシーを捉えることは難しい作業だと感じた。ある意味、リベラルぶるなんておこがましいのかもしれない。

心や懐を広く持って、穏やかに生きたいのだが、贅沢な願いなのだろうか。今年、ちょっと心が折れた本。

石井ゆかりの星占い教室のノート(石井ゆかり

石井ゆかりさんがまとめたホロスコープの読み方。「石井さんならどう読みますか?」の答えをまとめた本。「星占い教室」のトークも抜粋して収録してある。

丁寧な本。ただ、初心者にはわからない事も多い。ある程度知識がある人向けの書籍だが、この本やあの本が詳しいです。だとか、この本を参考にしています。だとか、小まめな参考先や出典のフォローがあり総合して丁寧。聞き慣れない単語を補足した寄稿記事をまとめた章もあり、タイトル通り石井さんのノートという感じ。他の本と併せて腰を据えて勉強したい。星読み、奥が深いぜ……。

文面は優しくて読みやすい。尖った物言いをしないので、よい意味で食べやすい。教科書的かというと語り口に文面が近い。

最近はネットも便利だけれど、1冊にしっかり纏まっている本の方が大まかにイメージを掴みやすいように思った。本文中でも何度か触れられているが、人によって解釈に幅があるのが星読みの世界。ネットだと、人による解釈が色々と入り交ざっているのであれこれ摘むと、余計に混乱してしまうように思う。それなら、色々と網羅している本を1冊腰を据えて学んでしまい、その後他の人をつまみ食いして、自分の解釈を育てる。そんな育て方が綺麗な道筋なのかなと考えた。

猫をもっと幸せにする「げぼく」の教科書(獣医にゃんとす)

ロンブンチョットヨメルな猫げぼくさんの本。

ツイッターで科学的根拠に基づいたわかりやすい情報発信の著者。獣医師で研究員、そして猫の飼い主(=「げぼく」)という3つの視点から、猫に心身ともに健康でいてもらうための“心得”をわかりやすく解説している。

卒業大学も勤務先も「某」になっているので、うーんどうなんだろう?と思ったのが第一印象。(看護師や医師と同じでちょっとややこしそう)猫を飼う時の疑問が分かりやすくまとめてある。文章自体もそこそこ読みやすい。あとイラストが可愛い!

ツイッターやインスタ、YouTubeでも、猫に関心が高い人なら目を通していそうな情報も多い。私は犬猫どっちも好きだけれど、実際に一緒に生活したことがあるのは犬だけだったので新鮮だった。ご飯の話や環境の作り方の話など、悩んでいる猫飼いさんはたくさんいそう。犬は高いソファーから降りそびれて足を痛めたりするけれど、猫は部屋を見渡せる場所が必要だそうだ。猫は自分のテリトリーを大事にするらしい。この辺り、犬とは違う生き物なんだなと改めて納得した。ツイッターなどで見る本棚や洗濯機やちょっと高いものに登っている猫ちゃんたちは、お部屋のパトロールだったのか~とほっこりした。 

げぼくの愛が詰まっている書籍だった。入門書としてとっつきやすく良いと思う。