2021.06.19~06.27 全9冊、読了後の感想走り書き
スポンサーリンク
【今週のトピックス】
「頭痛と友だち」「部屋に緑がほしいけど枯らす気がして怖い」「血祭り由来の不調を引き摺っていたら血祭り前になってしまった」
- 中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない(中野京子)
- 運命の絵(中野京子)
- 知識ゼロからの近代絵画入門(山田五郎)
- 部屋で楽しむ きのこリウムの世界(樋口和智)
- 小さな容器で楽しめる”癒しの水草レイアウト” ボトルアクアリウム(千田義洋)
- はじめての苔テラリウム 失敗しない植え方・育て方・メンテナンスがわかる(園田純寛)
- イラスト&写真で見る 多肉植物の楽しみ方と育て方(古谷卓)
- 特徴がよくわかる おもしろい多肉植物350(長田研)
- <正義>の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか(山田俊弘)
中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない(中野京子)
「運命の絵」シリーズ第2弾。怖い絵シリーズの著者の書籍。著者買い。
サブタイトル通り、運命の中でも含まれた小テーマは「誰もみな、運命から逃れられない」
表紙はマネの「フォリー・ベルジェールのバー」
一見華やかなバーガールだが、無機質な死んだ目をしているのか。よくよく見ると、この絵、構図が変だ。そこにはどんな意図があったのか。当時の時代背景も紐解きつつ、絵画の解説をしている。
いつも通り、フルカラーで掲載されている。相変わらず著者の解説の引き出しが多い。
ゴーギャン「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」は、絵画の解説よりは画家の波乱万丈半生解説になっている。絵で食べていくってホント大変なんだな……。現代からだと想像も出来ない人生。
ギュスターヴ・モロー「ユピテルとセメレ」は描き込みがすごい。描き込みが多すぎて息が詰まりそう。でも、画家本人はまだ描く気があったのも怖い。絵のテーマはゼウスお前はまたか!!と思うエピソードなのだが、一番怖いのは背後にしれっといるヘラ。澄まし顔を通り越して無表情に見えて、こわい。
運命の絵(中野京子)
著者と表紙で手を出した。怖い絵シリーズの著者の本。
過去に出版した「運命の絵」を改題し、文庫化したもの。表紙が違うから、一部追加あるのかなと思ったらそんなことなかった。ナポレオンの晩年の年表とオペラ「運命の力」は確かなかったと思う。後は、出演したテレビのプロデューサーの解説もあるが、まぁ、ほぼ焼き直しかな。でも、表紙のルノワール「シャルパンティエ夫人と子どもたち」がインパクトがあり手にとって仕舞ったよね……。一人は男の子って凄い風習だよなぁ。どう見ても可愛い女子会にしか見えない。犬はボーダーコリーっぽい。滅茶苦茶画家(鑑賞者?)を警戒していて、賢いわんこだな……モフモフしたい。
知識ゼロからの近代絵画入門(山田五郎)
西洋絵画史でドラクロワ、マネ、ゴッホ、ピカソ、カンディンスキー、ダリなど、近代美術の変遷を網羅し、解説した本。現代アートに付いての解説もあり。
各流派の変遷を説明しつつ、紹介する絵画を1文で紹介している。近代絵画の大きな流れは掴める。雑学としてなら入門書籍として十分だと思った。じっくり西洋絵画を学んでいくのであれば全く物足りない。絵画を大きく載せているので、文字フォントは小さいが、文量は少なく30分程度で読み終わるので実質絵本。
現代アートに付いては、読んでもよくわからん。に着地した。よくわからん。
各流派の代表を、現代日本人に例えたりしているのだが、余計によくわからなくなった。誰だ~~~~お前は~~~~~~~!!!!!
1冊読み終わったあとに「あ、この人テレビに出てる人か」と気付いた
部屋で楽しむ きのこリウムの世界(樋口和智)
水槽やガラスの容器できのこやコケをあしらって作るきのこリウムの紹介解説した本。
『きのこ』+『テラリウム』=きのこリウム
比較的簡単で管理しやすい初級編~上級編まで作り方を紹介している。育て方のコツやキレイに撮影するアイデアを紹介。きのこの寿命は少し短いので、ちょっと寂しい気もする。写真が綺麗で、眺めているだけで楽しい本。
きのこリウムに適したきのこの紹介しているのだが、本書の写真で見ると見慣れたエノキやナメコ、ヒラタケもなんだかお洒落に見える。ただし食べられない。
小さな容器で楽しめる”癒しの水草レイアウト” ボトルアクアリウム(千田義洋)
今話題の手軽に楽しめるグリーンインテリア。小さな容器で楽しめる、ボトルアクアリウムのHow to本。水草レイアウトも紹介している。ボトルアクアリウムの基本から応用まで紹介している。魚など生態を飼うのは相当上級者向けだと思うのだが、本書ではさらっと書いてあり、少し不安と違和感を覚えた。
この手のボトルで生体を飼育する場合、水が少ない分温度や水質の管理が難しい。生体を飼うのであれば、初心者は大きな水槽で飼った方が水質が急激に悪化し難くて管理しやすい。と言うのは、私の基本知識だった。その部分はうーん……見栄えがいいんだがな……とちょっと歯痒い気持ちになった。こんな小さなボトルで飼えれば、お手軽だし見栄えはいいよな。見栄えは。
写真はフルカラーで見ていて楽しいし、水草や適した生体の紹介もあり、初心者が読むにはよい本ではある。水草だけをインテリアとして飾るなら、これでいいのかもなと思う。生体をお迎えするなら、是非他書や生体に詳しい販売員に相談してから検討して欲しいと思う。
はじめての苔テラリウム 失敗しない植え方・育て方・メンテナンスがわかる(園田純寛)
はじめて苔テラリウムを作る人へのHow to本。かなり詳しく紹介されており、蓋つきのクローズドタイプだけでなくオープンタイプの管理の紹介。苔と石、フィギュアを組み合わせたレイアウトなど、写真としても眺めていて楽しい。
苔といっても色々と種類があるが、巻末には苔図鑑としてカラーで複数種の解説がある。特徴や植え方や育て方のポイント、どのぐらい大きくなるのかなど、苔テラリウムに適した情報が纏まっている。
用土に付いても細かく特徴の解説もあり、本書独自配合を公開している。トラブルの対処法の解説など初心者が読むには中々広くツボを押えてる書籍。
イラスト&写真で見る 多肉植物の楽しみ方と育て方(古谷卓)
部屋に緑が欲しいのだが、植物あまり育てたことがない。タイトルで手を出した。植物、枯らすの、得意…
多肉植物の種類別・季節ごとの管理方法、水やり、植え替えなどを解説した書籍。年間カレンダーも付いている。多肉植物を全て網羅しているわけではないだろうが、一般的なものは網羅してそう。初心者も中級者もこれで大抵対応できそう。よほどの専門家でなければ、一先ずこれ1冊で概ね対応できそうな充実っぷり。ワンポイントのQ&Aも付いていて親切な書籍。写真やイラストも豊富で、絵本のように眺めていても楽しい。
特徴がよくわかる おもしろい多肉植物350(長田研)
かわいく個性的な多肉植物がたくさん紹介されている書籍。とても写真が多く眺めるだけで楽しい。見た事もない植物がたくさん載っている。兎に角たくさん紹介しているので、管理方法は少なめ。全く見たことも聞いた事もない多肉植物ばかりなんだが、珍しいものが多いんだろうか……。写真は本書のために撮ったのだろうなと思わせる、統一感がある。とても綺麗。初心者の本としてはハードルが高いと思うので、上級者やマニア向けの書籍。詳しい育て方は他書の方がよさそう。
<正義>の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか(山田俊弘)
生物多様性を守らなければいけない理由とはなんだろうか?パンダやトキが絶滅すると何か不都合があるのだろうか?過去に起きた五度の大量絶滅をはるかに凌ぐ勢いで、現在生物多様性が失われつつある。この第六の大量絶滅期を生きる私たちは、生き物の保全をおこなうべきだろうか?もしおこなうべきだとすれば、その理由はどこにあるだろうか?「保全の理由」を考えまとめた書籍。
表紙が可愛い。フォントが動物になってる。フォントがすごくかわいい!
本書の冒頭で「生物の保全は必要か?必要であるならその根拠は何か?」を問いかける。この問いに対して、情報をまとめ、著者の主義主張を提示するのが本書の流れになる。本書の内容は、偽善といってしまえば偽善だし、問いに確実な答えがなく、人によって答えが異なる問いではないかと思う。生物学の教科書としてではなく「こういう考え方もあるのか。私はこう思うな。」など、ある程度生物学の基本知識があり、自分なりの意見を持っていると有意義な書籍になると感じた。そうではないと、内容が冗長に感じ、はじめと終わりだけ読めば満足するのではないか。
冒頭の問いは答えがないようなものなので、常に中立にフラットに「考え続ける」ことが大切なのだと思う。時代によって答えも変わる。本書では「命は皆尊い」が結論になっている。確かにこれは正かもしれないが、それを突き通すには人間に余裕がないと突き通せない。自身が死んでしまうような状況では、命は皆尊いと言ってられない。実際の現場において費用や人手は有限で、殺処分される保護犬猫もいるだろうし、人を害するクマは射殺してしまう。命が皆尊いなら、このクマも殺せない。しかし、何かを選ばないと全てを捨てることになる。やらないよりやった方がマシなはずと、苦しみながら選択しているのではないか。これは言葉を変えれば、命の選別で、差別であるとも言える。うーん、主張がループしてしまった。
寝る前にベッドの中でだらだら読み、頭を使うのにちょうどよい内容だった。