紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.08.16~2021.11.07 全23冊、読了後の本感想走り書き+バレットジャーナル変更点

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温度差えっぐ。グッピーしんじゃう。自律神経に優しくして欲しい。

小さな会社のSDGs 実践の教科書 1冊で基礎からアクション、マネジメントまでわかる(青柳仁士

SDGsとは、国連で合意された地球や社会を持続可能にするための世界共通の目標のこと。著者は元国連職員で国内でのSDGs普及に従事している。本書は、小さな会社でのSDGsの実践のポイントを解説している。

7つのSTEPでSDGs導入のポイントを解説してあり、SDGsの基礎知識や周辺知識もフォローしてある。今すぐ実践できることから会社への定着のさせ方丁寧にまとめてあり、一先ずこれ1冊あれは目標の設定からマネジメントまで基礎知識を押えて、実践まで運用できそう。ボリューム感も凄いし、本当に教科書と成立している。私はSDGsについて詳しくないが、理解もしやすかった。はは~グローバル化するにはこういった視点も大切になってくるんだな。

教科書なので、比較的文字は多い。が、文字や図、STEPなどもあり、とても整理された分かりやすい部類の教科書だと思う。SDGsの目標を立てたいなら、ひとまずこれ1冊押えておけばそれっぽく出来そうではある。巻末には用語集、ツール・資料サイト、プラットフォーム、評価基準など関連サイトの紹介もしてあるので、この辺りを上手に活用して運用していくのだろう。大変なのは、これを社員に理解してもらって、継続していくことなんだろうなぁとも思った。

タロットの歴史 西洋文化史から図像を読み解く(井上教子

タロットカードの起源から歴史的な背景や絵柄の成り立ちを解説した書籍。

写真はちょっと粗いがフルカラー。写真の画像が粗いというよりは、使っている書籍の紙質が粗いのかもしれない。あんまりフルカラー向けの紙ではないのかな?ここは少し残念なポイント。恐らく、フルカラー向けの紙にすると、この厚さが実現できないのではないか?とも思うので、この辺りは致し方ないのかも。

単に各版ごとの比較ではなく、背景や歴史、図柄の認識のために西洋美術が数多く扱われている。スピリチュアルな話よりは文化史や歴史がメインになっていて、視点が面白い。西洋絵画を鑑賞している気持ちで読める。一般的な占い本ではなく、カードの図柄を細かく解説している。解釈の仕方もスプレッドも一切載っていない。が、解釈の根拠とも言える背景が淡々と提示されている。カードの解釈に深みが出せそう。文章は歴史の教科書的で淡々としていて読みやすい。

占星術の文化誌(鏡リュウジ

占星術が文学、美術、音楽、心理学、医術、マスメディアの「星占い」までどのように関わり文化を築いてきたのかを解説した書籍。星占いの本のような顔と棚分類をされているが、これは占いの本ではない。占いの解釈はほぼ出てこない。タイトル通り、文化誌としての側面が強い。どちらかと言うと歴史書占星術は奥深い学問なのだと実感できる。これを1冊読んで読めるほど浅い学問ではないけれど、その淵を覗いた気分を味わえる。まだまだ知識は足りないが学問にロマンは感じた。あと表紙の絵画が好き。

狛犬さんぽ(ミノシマタカコ 川野明正:監督)

著書と監修者が選んだ全国に点在する狛犬の魅力や特徴を写真やイラストなどを交えて紹介している。私もついつい探してしまう狛犬。神社によっては造形や表情、体形などそれぞれ違ったり犬じゃなかったり…。散歩しながら狛犬を巡る楽しみを提案している。

地域や作られた年代によって特徴の違いがあるようで、眺めていてもとても楽しい。

実際に散歩する参考にするのもよき。実際の狛犬の写真とデフォルメ化されたイラストもあって可愛らしい。きちんと参拝してから写真を撮ろうなど、マナー的な部分もフォローがあって読み甲斐のある書籍。実際に散歩してみたい。

狛犬さんぽ

狛犬さんぽ

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ようこそ、2050年の東京へ 生き残る不動産 廃墟になる不動産(榊淳司)

どこかのネット新聞で見かけて手を出した書籍。著者は住宅ジャーナリスト。元々はマンションの広告制作や販売戦略立案などを手がけ、実際に不動産の周りを自身で見て歩くようにしているという。感染症によってオフィス需要が減っても価値のある不動産や歩きたくなる個性ある街。無機質に続く人工的な街など、この差が十数年後にどのように働くのか。未来の東京はどんな街になっているのかを不動産を中心に著者の目線から想像している。著者は冒頭で「本書に書いたことはデータに基づく緻密な未来予想ではない」と断言している。また、30年前と今とでは東京の街の雰囲気はあまり変っていない、と著者は語る。しかし、30年前に脱サラし東京を駈けずり回っていたという著者の体験から妙な説得力が感じられる。

感染症のことを誰も想像ができなかったように、本書で語られる未来予想図も何処まで当たっているかはわからない。しかし、著者の専門である東京各所の不動産価格の議論や将来の勤務形態、デジタル技術など、様々な視点から「東京はどのような街になるのか」著者の想像を読み聞くのはとても面白い時間だった。少なくとも私は本書を読み終わったあとに「この本面白いな!」と膝を叩いた。

AIがどんなに普及しても人間が街を楽しむ規準は二本の足で歩ける範囲であるという主張や、「AIに仕事が奪われる」論調に対し著者が唱える異論にも妙な説得力がある。”AIは確かに人間より優れた面を多く持っている。しかし、人間の生身であるが故に持つ魅力に代わる何かを持つほどに進化するとは思えない”との主張だ。これには医療や介護業界など人と人のやり取りで成り立つ業界の人間は一定の納得感を覚える。

私はこの文章を読んで、学生時代の教材で視聴した「老人Z」と言うアニメを思い出した。高齢化社会と介護問題といった老人問題、そして人間の尊厳と夫婦愛・家族愛をテーマに制作された1991年制作のSFアニメ作品だ。アニメの中では愛のない看護は看護じゃないとの台詞があったが、私は「看護」の漢字の通り、手で触れ目で見て護るものと教わった。どんなにAIが進歩しても、AIでは代われない部分が人にはあるのだろうなと月並みに思った記憶がある。

著者の想像話に関心がなかったとしても、経年劣化するマンション崩壊の危機と空き家問題に付いては知っておいて損はない。悪いデベロッパーにカモにされたり、不動産投資に安易に手を出す前に、この現実は自衛として知っておくべきだと思う。

共食いの博物誌 動物から人間まで(ビル・シャット)

昆虫や動物、変な生き物から人間までなぜ生物は共食いをするのか?共食いについて動物学者があらゆるカニバリズムの起源と真実に果敢に踏み込んだノンフィクション。

表紙のインパクトが凄い。骨。

語り口は学者っぽくなく、とても文学的。一つの物語を読んでいる気分になれる。爽やかで物語り調の文体。なのに、章のフォントが妙にB級ホラーチック。中身は最初から最後まで共食いとカニバリズムの話。振り切れている。面白い。

前半は動物の事例、後半は人間の事例と別れている。特に大航海時代カニバリズムの関係は中々、なかなか人間業が深い……と呻いてしまった。食人の描写はそこそこ生々しい。

ただ、著者の言う「共食い」「カニバリズム」の定義がかなり広義であるのが気になる。相当広義になっている印象を受けた。読み物としては視点が振り切れていて面白い。

死を招くファッション 服飾とテクノロジー危険な関係(アリソン・マシューズ・デーヴィッド)

ツイッターで存在を知って手に出した書籍。

19世紀~20世紀前半の欧米諸国の衣服や装飾品には、当時の最新技術によって革新的なものものが生まれ流行してきた。本書では、その中でも悲惨な出来事を引き起こした事例を取り上げている。美しい色や贅沢な服、帽子、装飾品などの写真とそれを皮肉った風刺画、実際の症状の事例などを多くの写真や絵も一緒に示している。

内容としても読み応えがある。ファッションや歴史の闇の部分を詳細に包み隠さず記されており、現代の社会にも通ずるものを見出せる。素直に読めば読むほど、現代にも同様の危険性が隠れているのではないかと危機感を覚える。

不安症の人や陰謀論と相性がいいのかもなと思った。そういった意味では素直すぎるとちょっと危ないかもしれない。ただ、現代の外見至上主義や成果主義に思うところはあった。

表紙のイラストは一見可愛らしく、魅力の感じる絵。だが、事例紹介の写真は生々しさがあり、耐性がある私も少し「うっ」となる。ある程度胸糞やグロへの耐性が必要かと思う。世界史やファッション、美容等に興味がある人は一度読んでみると、学びがあるだろう。熱意を持ってまとめられた専門書籍で、値段に見合っただけの価値がある。

論文捏造(村松秀)

元々はテレビ番組コンクールで科学ジャーナリスト大賞になったNHK番組。本書はこの番組を下に書き下ろしたノンフィクションエッセイ。報告書の類ではなく、あくまで取材に基づくエッセイ。ただ、本当によく取材してある。現地取材は勿論、当事者の証言も広く集めており丁寧な仕事。綿密で熱意、一種の執念すら感じる。苦労もお金も時間もたくさん掛かっているが、それに見合うだけのものになっている。ジャーナリストの模範例と言いたいレベル。賞を受賞したのも納得のボリュームがある。

取り上げているのは有名な捏造論文事件。科学の殿堂・ベル研究所のヘンドリック・シェーンによる超伝導分野の論文に纏わる事件。話自体はかなり有名で、物理は専門外の私でも話は聞いたことがある程度にインパクトがあった事件。彼の論文は数多く発表され、サイエンスやネイチャーなどの科学誌にも掲載された。一時はノーベル賞に最も近いともされた。如何にして論文は捏造され、科学者達は騙されたのか。何故発覚に時間が掛かったのかを記している。専門用語もあり、科学や実験に関わる者特有の考え方なども関わってくるが、とても丁寧に書かれており小気味よく読みやすい。ミステリー小説のようなリズム感なので、恐らく科学が苦手な人でも読める。少々ページはあるが、読み応えもあるし面白さもある。

また、この事件の根幹には日常の生活にも通ずる学びがある。エピローグにもある「わからなさ」の問題。本書では”現代社会の諸問題は、大胆に言えば「わからなさとどう向きあっていいのかがわからない」ということに集約されている、とも見ることが出来る。”とある。これは現在の時事的話題にも通ずる部分だと感じた。感染症について「わからないことがわかってきた」側面があるし、人体は現代でもよくわからないブラックボックスだ。わからないことが多すぎる。生きた人体と死んだ人体は同じではないのだから余計にわからない。理解できない科学は魔法と同じ、と言う言葉をどこかで聞いたことがあるが、陰謀論は一種のわからなさへのわかりやすい答えになったのではないかと考えた。今の社会に求められるのは真摯にわからなさと向き合うこと。この事件は本質的には信頼に根ざした話だ。不測事態への対応がわからない時そのままにしておくとどうなるのか。社会として個人としてどう考えねばならないか。今一度過去の事例に学び、自身でも考え続けたいと思った。

常温核融合スキャンダル(ガリー・トーブス)

古い本。1993年出版。「証拠など何ひとつなかった」のになぜ常温核融合の「世紀の記者会見」は行われたのか。取材した結果をまとめたドキュメント。なのだが、登場人物が多い多い。印象としてはノンフィクションと言うより群像劇のような印象を受ける。これが実際に起きたことなのだがら、驚きしか感じない。当時、この世紀の発見にたくさんの人が湧き上がりフィーバーしたことがわかる。もう浮かれ踊っている感。浮かれ踊った人の声が大きく、真実を指摘する人の声は小さく響かない。センセーショナルで、食いつきたくなるような魅力があるのだろう。また、研究費をたくさん集めるのも、真実ではなく華やかな結果。古い書籍ではあるが肝に刻んでおきたい事例だった。

文章としては少し読みにくいと感じた。あと鈍器。手に乗せて手癖で読むと手首を傷めそう。勉強になる分野なので、同分野の背信の科学者達も一読したいと思った。

永久運動の夢(アーサー・オードヒューム)

科学者の思い込みの集大成として、あるいはイカサマの手段として作られた永久機関。「不可能」の虜になった先人たちの奮闘を紹介した書籍。実際の図版も多数載せてある。原著者は機械工学者で、その発明について解説しているのだがこれが薄目にある。丁寧に解説はしてあるのだが、抽象的な論述があったり文章で解説されてもさっぱり想像出来ない…といった部分がある。図版も多数あるのだが、後半に行くにつれ減り、元々の画像も小さめで図版目的に手に取るのはお勧めできない。文章内容自体は永久機関を広く集めた、科学史書籍。私は物理学はド初心者なので、薄目で首をずっとかしげながら読んでいたが、機械好きや力学・物理学マニアには刺さる書籍だろうとは思った。私はずっと首を傾げていた。うーんわからん。

知りたい!サイエンス 拡がる宇宙地図~宇宙の構造はどう解明されてきたか(矢野太平)

古代ギリシアの時代から現代に至るまで、宇宙構造への理解がどのように得られてきたのかを解説した書籍。2008年出版の書籍なので、現代と言ってももう10年以上前の情報になり、最新とまではいえない内容。しかし、年周視差を用いて天体までの距離を測ることに重点を置いて解説してあり、最新トレンドと言うよりは歴史書といった印象も覚える。一般の読者向けへの解説本だが、天文学に興味があるのであれば面白く読めると思う。文章自体もさほど詰まっていないので、中高生でも興味があれば読める程度にはなっていると思う。この分野初めての1冊にするなら広く浅く纏まっていて手を出しやすいと思う。

信頼はなぜ裏切られるのか 無意識の科学が明かす真実(デイヴィッド・デステノ)

心理学の知見から「信頼」に付いて考察した書籍。相手を信頼できるかどうかは、その人の性格や道徳観だけで決まるわけではない。寧ろ無意識が支配している。無意識の心は他人の助けが必要かどうか常に監視し、必要がなければ不誠実に振る舞えと囁く。

本書では丁寧に「信頼」とは何か、科学的観点を踏まえてまとめている。私には少し読みにくい部分が多かった。お経を読んでいる気分。形式が論文に近いのかもしれない。視点としては関心が持て面白いと思った。ハリケーンカトリーナ被災時におけるハンコック銀行の決断には純粋に感心した。

文体は読みにくく内容は高度。各章ごとの要点がまとめてあるが、講義のレジメを見ている気分になる。信頼というテーマに正面から向き合っている書籍。

異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む(中野京子

まーーーーこのテーマ、この作者、私が嫌いなわけがなかった。怖い絵シリーズの著者、新作。怖い絵テーマではなく、異形のものが出てくる絵画がテーマの書籍。

大きく章は「人獣」「蛇」「悪魔と天使」「キメラ」「ただならぬ気配」「妖精・魔女」「魑魅魍魎」と分けられている。一見奇異で不穏、隠されたメッセージ。画家の描きたい意思と見たいという需要。描かれているのは異形のものであるはずなのに、当時の時代背景や人の思惑が透けているような。そんな空寒さが感じられるような。ちょっと怖くて不思議で、何故か魅力のある絵画のエッセイ。

文自体はいつも通り読みやすい。淡々と進む感はある。文字はフォントが大きいと思うが、年代問わず読みやすい。ともいえる。絵画自体はフルカラーにはなっているが、新書だと小さいので迫力は薄い。やはり生で見る迫力には負けてしまう。贅沢な悩みだ。

1枚目からベックリンの「人魚の戯れ」で始まり、テンションのギアがあがる。後半には有名なベックリンの「死の島」も出てくる。不気味だけれど、存外この絵画が好きなので私は小躍りした。ベックリンの「死の島」は他書でも詳しく書かれているし、本書では小さく紹介されている。他にも、他書など怖い絵シリーズで紹介された絵画、実際の展覧会で展示された絵画もいくつかあるのだが、異形や奇怪、異界をテーマに集め、ぎゅぎゅっと詰め込んである。どこかで一度見たとしても、何度見てもやはり心惹かれてしまう。西洋絵画の怪のカタログ。

発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47(借金玉)

ADHD当事者である著者が、どうにか「食っていく」ための生活術を紹介した書籍。分類は自己啓発本だが、困り事のハードルが他の自己啓発本より低い。実際、著者はどうしているのか、まで書いてあるので解決事例としての再現性が他書より高め。

意識高く生きている人からすれば、まったく理解出来ないレベルの話かもしれない。発達障害で「何に困っているのか?」は個人差があって、困る部分にはグラデーションがある。きっちり病名がつくことの方が稀で、実際には困り事の差にグラデーションがあり、病名は付かずグレーであることの方も多い(私の病態認識としては虹で、青の主張が強い人とか、赤の主張が強い人とか居る感じ)そのため、本書が1~10まで当てはまって全部役に立つ!と言うことはほぼない。だが、近い悩みはあるけど診断は付いてないし、相談できる人も居ない。そもそも理解してもらえないという人。そういう人は、本書を一通り読むと「あ、これ同じ悩みだ!こんな工夫してる人もいるのか!」と言う気付きがある。

ただ、よくも悪くも一人暮らしの男性向けハックが多いのも事実。子どもがいるとか、私は妻で家族に料理を作らないといけないだとか、そういう人には刺さらないと思う。

家計簿は付けられないなら全部クレカで決済にしよう!だと、躁うつのとき借金してまで使うんじゃないかな……と思ったり。大型家電を買って自炊を推奨していたり。発達障害と一括りにはしているけれど、あくまで著者が上手くいった方法で、症状のグラデーションまでは考慮していない。私は料理や身だしなみの部分は刺さらなかった。あと入浴。在宅ワークの部分は「はーなるほどな?」と思う部分もあった。仕事一切しないイスは用意しようと思う。

文章力はあって、サクサク読めるので見た目の分厚さより読みやすい。たくさん打たれている広告に期待しすぎて読むと、肩透かしを食らうかもしれないと思った。書籍としては不快感なく読めるので結構快適。

”「休む」は意志の賜物で、「頑張る」はむしろ惰性”

”「休む」という判断を「よく頑張った」と褒めてくれる人は殆ど居ない。「死ぬ気で頑張れ」という人はたくさん居るのに本当に酷い話”

”「どんなときでも休むのはベターな判断」”

など、心にぐっと来る。救われた気持ちになる文章もたくさんあったので、刺さる人には刺さる書籍なのだと思う。私は仕事をしないソファーを買おうと思う。

敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント(イルセ・サン)

敏感な人や内向的な人が、生きづらい世の中で自分らしく生きる6つのヒントをまとめた書籍。何処の統計なのか、敏感な人は5人に1人。内向的な人は2~3人に1人いるらしい。外向的で鈍感な人が上手く渡り歩き、色んな場所で積極的で外向的なことがよいとされる。本書では、自分の個性にきちんと向き合い、それを上手に生かすことができれば、敏感で内向的な自分のままで十分ラクに生きていけるとしている。

大抵の自己啓発本ではポジティブ思考に着地する。本書でも、自分を責めないこと。
物事を好意的に見ること。という結論になる。それはそれで負担だと思った。自分らしいかと言われると、自責的な自分と何十年生きてるわけで。簡単に変われるなら苦労しない。

文章自体は穏やかな語り口で、優しい本だと思った。冒頭から敏感度と内向度を検査するテストが付いている。実際は、医学的な検査ではないし。こういうテストがあるわけではないので。まぁ、そんなもんなんだなぁと思えばいいと思う。HSPも結構書籍によって質問項目にぶれがある。こんな項目に当てはまる人、みたいな項目が多々あるのだが、実生活で役立つかというと。若干消化不良感もある。元々が敏感や内向って性質で前提がふわふわしているので、その人によって変わるオーダーメイドな対応が多いのだと思う。へーこういう考え方もあるんだなぁと視野を広くすることは出来るだろうと思った。また、優しい本なのでぐさぐさ刺されないので読んでいて傷付かないので平和でよい。

未亡人26年生が教える 心地よい一人暮らし(りっつん)

個人のエッセイブログを書籍化したもの。著者はシニアで未亡人歴26年の女性。生活であったことや夫が教えてくれたこと、未亡人の子育てや老後のお金に付いてなど。雑記ブログという感じの内容。ほぼ日記。仙人とはあるけれど、言うほど仙人はしていない。が、一般的に言う華やかな生活ではないのか?私は豊かでよい暮らしだと思った。同居猫?家主?の猫ちゃんも20歳で、長生きホルモンでも出ているんだろうか。こういう暮らしもあるのだなぁと感嘆の気持ちになれる。

未亡人の目線にはなるが、老後にどう生きるか漠然と不安を感じている人は結構参考になる。未亡人になる予定はないけれど、息子さん2人を女手一つで大学まで進学させ、それぞれ現在は自立生活を達成している。これは同性としても尊敬する。軽快で読みやすく、快適な生活とは?老後はどうする?お金はどうしよう?などなど勉強になる。さくっと夜にベッドで読むにはちょうどいい書籍。

美食のギャラリー 絵画で綴る食の文化史(レイ・タナヒル

それぞれの時代の画家が描いた図版を示しつつ、古代~19世紀末の食の変遷をまとめた書籍。タイトルは美術書籍のようだし、本棚の分類も美術分野になっていたが中身は半分世界史。文章としても文学的で美しい。外国の人の歴史書は文学的で、単純に美しい。上手に和訳されていると読んでいて楽しい。

古代ローマ人が、雉やクジャクの脳など色々食べていて、いつの時代も宴は特別な意味合いを持っていたのだと思った。しかし、人肉食文化はうーんすごいなと月並みの感想。16世紀のコース料理が品数多くて、料理人は1日料理してそう。本当に無駄に贅沢。美味しいのは今一つわからない。絵画で見ると美しいけど、メニューを見ても味の想像が出来ない。スパイスも豊富だが、何故スパイスを使ったのかなどの何故の部分を紐解くと、当時の物流など様々な背景に繋がって面白い。私はスパイスの風味があまり好きではないので、今も昔も食べるものがない。

陰陽師安倍晴明3(川端新)

珍しい漫画。原作者買いシリーズ。小説自体は昔に読んで覚えてないので、新鮮な気持ち。少年陰陽師を読んでいると「あーーーこの孫があぁなって。この青年があぁなるのか」としみじみする。若いのにすれている主人公なので、主人公に感情移入型はもやるかな。漫画としてはのんびりテンポで、ストーリー噛み砕けない気もする。絵自体は安定して上手い。平安舞台で狩衣いっぱい見れる。色んな意味で描き手発狂しそう。

Twisted-Wondeerland The Comic Episode of Heartslabyul 1巻(コノヲスミレ)

珍しい漫画2 漫画の感想って何言えばいいんだろうな。そんな語るほどの感想がない。

ゲームやってるし、私の推し寮はハーツなのでまぁ買いましたね。監督生の癖が強い。物理的に強そうだけど、結構天然。いい子だこいつ……。画面コストが高くて、ひゃーってなる(語彙力)平安とは別の意味で作画コスト高い。いろんな意味で修行感がある。

「電波と光」のことが一冊でまるごとわかる(井上伸雄)

「電波と光」について書いた書籍。大きな文字だが、大人向けとされる。絵は多いが、相応に文章多め。入門書としては妥当だが、中高生が読むにはハードルが高いか。

物理の基本というよりは、今の最新技術に関わる電波と光がメインテーマ。5Gって何?電波数帯?プラチナバントって?といった技術理解の足がかりになる。教科書的に進むと、序盤で躓くだろうが身の回りにある技術へ解説が移るので、ちゃちゃっと飽きずに読める。お堅い学問書というより、大人の雑学書と言った感じ。この手の入門書籍としてよく出来ている。総論で全体像把握のための書籍。気になる技術があったらもっと詳しく調べてみるとよいのかなと思った。文字こそ大きいが内容はそこそこ詰まっている。

事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学(ターリ・シャーロット)

人はいかにして他人に影響を与え他人から影響を受けているのか。著者は認知神経科学者。イギリス心理学会賞も受賞した書籍。原典タイトルは「The Influential Mind: What the Brain Reveals About Our Power to Change Others」邦訳タイトルは微妙にぶれてる気もするんだが、ご愛嬌か。

人と人、人と社会の間の影響力に関する心理学と脳科学について書いた本で、感染症やワクチンでざわめく今読むとわくわくする内容。本文訳もこなれていて、とてもわかりやすい。原文もストーリーがしっかりしてるのだと思った。論文調ではないが、読みやすいいい文章。読みながら「面白いなこの本!!」と膝を叩いた。面白い。
政治家や管理職、営業職、詐欺師など、人に影響力を行使したい人には、とても良い教科書。対抗するにも知っておくと対策しやすくなる?けども、本能や脳に揺り動かされてしまう部分もあるから、対策し難いとも思う。はじめにトランプ元大統領の話が出てくる。本書では、元大統領のやり方を批判するわけでもなく、彼のやり方は有効です。みたいな話になって、ちょっともやもやした。ヒトは頭のいい、扇動するセンスと知識も持った悪い人が一人いると、どんなに知能が高い集団でも扇動されてしまう生き物なんだと思った。なんだかそれは残酷に感じる。

税金を払うのはみんなイヤで、アメリカでも脱税が起きている。じゃぁ、思わず税金を払いたくなるようにはどうすればいいのか?手を洗わない病院職員が手を洗う率を上げるにはどうすればいいのか?など、幾つかの研究とそれに対する考察が書いてある。へーーーーーっと感心した。日本の政治家が今回の感染症で非難される理由がなんとなくわかった気がする。日常生活で今すぐ役立つことはないけれど、心理を考える上でとても良書と思った。この分野に関心がある人は一読の価値がある。

サピエンス全史 上(ユヴァル・ノア・ハラリ)

まったく関係ないけど、タイトルのピの゜が浮いているように見えていてフォントが気になって仕方ない。

とにかく滅茶苦茶売れた本。中身は生物×世界史×人類学を3で割ったような内容。歴史というには視点が絞られすぎているし、人類学というには専門性が薄く、民俗学というには広すぎる。そんな感じの本。著者は歴史学者。ストーリー仕立てで、ヒトがどのように発展してきたのかを詳しくまとめた書籍。

滅茶苦茶絶賛されているところは気持ち悪いけれど悪い本ではない。が、個人的にはとても読みにくい本で、正直あんまり面白くなかった。言い回しが難解というか……。この内容、別の書籍でも知れないかな……うーん……。しかし、人を選びそうな本だが絶賛されているわけだし……うーん……と唸っていると広告に気圧される。広告の圧が強い。深く考えず「わーい話題本だわーい」と、すはすは本を吸って楽しむものなのかもしれない。萎えて下は読まなかった。

そして、すべては迷宮へ(中野京子

著者買い。『怖い絵』や『名画の謎』シリーズの著者のエッセイ集。著者の他書を読了済みだと既視感のある内容・文章もある。新聞や雑誌に寄稿したもので、どれも短いので気軽に読める。絵画の解説や作者の解説だけではなく、日常や見聞きしたことをまとめたエッセイで、寝る前やちょっとした時間に読むのにちょうどよい。

その中でも不思議な猫物語とベリベリが印象的だった。猫は本書を読んでもらうとして、ベリベリについてメモ。ドイツ語でBeriberiそのままベリベリと読み、英仏語でもベリベリ。日本語だと脚気のことだそうだ。脚気より死に至りそうな名前。強そう。元々はスリランカ公用語シンハラ語の「虚弱」という意味。ビタミンB1の不足による病気なので、麦主食の国では少なく米主食の国で多い。近年は日本でも増えている。豊かになって逆に増えるとは面白い話だと思った。

9月~11月バレットジャーナルの変更点

ほぼ8月と変わらない内容だったので変更点のみ、さらっと紹介しておく。

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9月のゲームログ。ててごとついすてのゲームメモ。ててごに関しては殆どやってないので半ページに圧縮された。もういらないのではの気持ちになって半年ぐらい経っているので、もういいのでは……?

と、言いつつ10月にもページを設けている。

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画像はないけれど、11月ではついにててごのメモを設けなくなった。

【余談】2022年のスケジュール手帳

2022年のスケジュール手帳を買いました。今年終わりますね。こわ。

あと4ヶ月あるのでまた変わるかもしれないが、一先ずキャンパスダイアリーBizを購入。マンスリーのないバーチカルのみのシンプルな手帳。キャンパスダイアリーと言うと、ほぼノートのようなデザインのスケジュール手帳というイメージがあったが、Bizと言うことでビジネスの場でも使いやすいシックな表紙。よい感じ。中身もシンプル。可愛さはないが、私はスケジュール手帳に可愛さは求めていないので全然あり。

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今年から引き続き、スケジュール管理はマイクロ5のシステム手帳。マンスリーカレンダーのみを入れて運用するつもり。バーチカル手帳にはライフログを書いてます。それなら、いっそバーチカルのみのキャンパスノートでいいのでは?と思ってのセレクト。バレットジャーナルに併せてA5サイズに。今年はA5スリム使ってたが、揃えた方が綺麗だし書き込む枠が大きくなるかなぁと。

だが、キャンパスダイアリーは無地。方眼欲しい。まだ悩みそうな予感がする。でも、これはこれで薄くて軽くていい感じ。紙もキャンパスで御馴染みと安心の触り心地。ただ万年筆やインクフローのよい筆記用具だとぴゃってなりそう(ぴゃっで通じるかな)ジェットストリームなら問題ないだろう。あと、メモページなんかも一切ないので、スケジュール手帳に何をどのぐらい求めるかで色々な選択肢がある。今年も手帳は沼。色もBizで可愛くない!って人も居るだろう。難しい話だ。私は青と緑は好物なので、全然これでいい。寧ろピンクだと発狂する。

でも、ビニールカバーやだーーーってなって別のカバーかけていない保証ができない。

10月にはM5のマンスリーも購入。今年のリフィルはプロッターのマンスリーに変更。来年はアシュフォードに魂を売り渡さずに済みそう。プロッターのリフィルは薄く細かな方眼が印刷されていて、マンスリーにTODOを書く隙間もあり使い勝手がよさそう。角がまるく切り抜き加工されていて指に刺さない。紙もアシュフォードより厚い?張りがあるクリーム色。シンプルでよい。万年筆でも抜けないとは聞いたことあるが……果たして?書き心地はよい。デザインがシンプル。プロッターは元々製図や企画図案などを描く人を顧客層に展開しているので、性別不詳で私の好みに刺さってよい感じ。メモパットとかも気になる。

ノート用の日付シールは、今年使ってるシールが来年は発売していないみたい…?

なので、今年はこのhimekuriという日めくり日付ふせんを使ってみようと思う。

柄は猫。色々と柄の種類はあるのに、なぜ犬はないのか(審議)

満月とか新月とか、暦の情報は記載がない様子。気にする時は確認してるのでいいのだが、新月・満月ぐらいは意識したいかなぁと思ったりいたり、なかったり。手帳用具もりもり増えそうなので、この辺で歯止めをかけたいところ。2022年を迎えるまでに手帳を増やしていたら笑ってやってください。

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