2020.11.15 読了後の本感想【生物学】
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読了後の本感想走り書き。
はじまりは、歌だった「つながり」の進化生物学(岡ノ谷一夫)
生物の講義形式の実況文。
講義対象が高校生だったという事もあり話がわかりやすい。一方的な講義ではなく問いかけながら話が進行していく。多分2ちゃん系さくさく読める人は読みやすい。
4章の「つながるために、思考するために」が特に面白い。
「不可知論」本当に自分以外のものに意識があるかどうかは、決してわからない立場のこと。へー、知らない単語だ。
心とコミュニケーションは比較的社会学で扱われている印象があるが、この本では進化生物学で紐解いていっている。これが答えだ!と押し付けず、何回か繰り返して思考して、答えを考察して言っている様子が微笑ましいと感じた。これ実際に受講したらもっと面白いんだろうなぁ。
人はなぜ眠れないのか(岡田尊司)
タイトルに引かれて手に取った。睡眠に付いての本。一応筆者は精神科医。
睡眠について基礎から説明している。人は何故眠るのか?と言う章があるけれど、内容は睡眠に関するコラムで「何故?」は解決していない。もっと言うと、これ1冊読んでもなぜ眠れないのか?の答えは出ない。
今不眠に苦しんでいる人が、解決方法を求めて読む本ではないのだろうと感じ。目新しい話はない。誰向けなんだこの本。
それから、睡眠負債は最近よく出てくる単語だが不足があるなぁと思う。元々が痒いところに手が届かない単語だよな、と思うのでその辺りがもにょもにょする。
自身が何時に寝て何時に起き、満足度はどうか。それを記録することには不服はないのだが、睡眠負債を考慮して睡眠チャートを書くのは、逆に不眠になりそうな話だ。誰の役に立つんだその話。睡眠は脳波に行き着くと私は認識しているので、睡眠負債からチャート書いて……と読んでいていっそ愉快になってきた。
うつ病などで慢性不眠症の人は、依存症の少ない薬を選んで~とか、睡眠負債を~とかそういう話以前に。病院にかかって薬を飲み、寝れる時にまず寝る。生活はその後整えたらいいだろうと思う。
しかし、日本人の睡眠軽視や医療機関・医薬品への警戒傾向は今に始まったことではないので難しい話。寝酒するより睡眠薬飲んだ方が余程ライトなんだが、日本人は薬怖い!ってなる。不眠症、病だよこれ。薬飲むのは治療なんだし普通では?眠れないからお酒って、風邪っぽいからお酒飲むぐらいのニュアンスなんだけどなぁ……。
慢性疾患との生き方や寛解という概念が浸透していないのだろうなと思った、最近のニュースを思い出して一人でいやな気分になっていた。