2021.1.11 読了後の本感想
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外行きたくないから読書している。読了後の本感想走り書き。
- 感染症の世界史(石弘之)
- ”自己肯定感”のスイッチが入る!自分を受け入れる力(午堂登紀雄)
- 自衛隊メンタル教官が教える 人間関係の疲れをとる技術(下園壮太)
- 増補改訂版 眠れなくなる宇宙のはなし(佐藤勝彦)
- Newton 別冊 現代物理学3大理論(ニュートンプレス)
- Newton 別冊 改訂版 時間とは何か 心理学的な時間から相対性理論まで(ニュートンプレス)
感染症の世界史(石弘之)
人類にとって、感染症は天敵だ。本書は人類と対峙し続ける感染症をまとめた本。世界史、とは書いているがエビデンスが薄く、雑学と呼ぶ方が正しい。話が各章ごとぶつぶつ切れているので、折角世界史という時系列が追いやすい軸があるのに生かせていない感覚がある。
また著者は医者ではなく、ジャーナリスト。そういった意味でも、学術的というよりはジャーナリストの読ませる文章だと思う。またジャーナリストとしても医療が専門なわけではない。ので、あくまで読み物、雑学として面白いに留まる。(個人的に朝日新聞かぁ……と思ってしまったり)章の最後にはその感染症で亡くなった主な有名人を上げているのだが……それは諸説ある、のではなく?言いきりで本当に正しいの?うん?と思ったりもする。それ以外にも単語など、喉にひっかかる違和感がある。
本書は2018年の本で、今読むと新型コロナを予見していた!とも言えそうだが、中国ではその前にSARSもMERSも発生していた。予見と言うよりはもう起きていたことをそれらしく書いているだけのようにも見える。本書で感染症の震源地となる根拠を幾つか示しているが、いずれも前述の感染症発生時にもあった土壌。何の対策もしてこなかったのだから同じ事を繰り返しただけ、ともいえる。
書籍と言うよりは取材ノートの面白そうなところを切り取りし、貼り付けているぶつぶつ感がある。ミルクティーを飲みたいのに白玉入ってたみたいなコレジャナイ感がある。個人的に興味のある切り口なので、とても勿体無い。
”自己肯定感”のスイッチが入る!自分を受け入れる力(午堂登紀雄)
ビジネス系のニュース記事だったかで取り上げられていて、手に取った本。
『自己肯定感が低い人』が無意識でやっている『考え方のクセ』に気付けば、自分も周囲も確実に変わり始めると提案している本。
冒頭に「こういうことありませんか?」と幾つか設問が並んでいるが、時と場合によるが大抵の人が一つは当てはまるのではないかと思う。一つ当てはまれば、もしかして自己肯定感低いのかな……?と思うのではないだろうか。逆にこの設問に全く引っ掛からない人は余程の鈍感なのではないか。冒頭からなんともいえない胡散臭さを感じた。
自己肯定感が低いor高いと比較して展開していくので、自己肯定感ってそういうものじゃないよなぁ……ともやもや。比較は自分自身を侮辱する行為だ、といった名言があったと思うのですが、自己肯定感が低い人はどうしても他人と比較しがちだと思う。それを比較して展開していくって……本末転倒と言うか。何を伝えたいのかピンと来ない。
精神に着目した本なのかと思ったのだが、内容は心構えに付いて書いている本だった。もっと言ってしまうと、著者の心構え。まぁ、自分語り本と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、自己啓発本は元々そういうものだし。
たとえば~がとても多くて、聖書読んでいる気分になった。文体は聖書よりずっと読みやすいけれど。究極的には「人それぞれなりの幸福を目指せばよい」着地する結論はいいと感じた。
自衛隊メンタル教官が教える 人間関係の疲れをとる技術(下園壮太)
前に読んだ本が面白かったので手に取った。
自衛隊でメンタル教官を務めてきた人気カウンセラーが、人間関係の疲れをとる技術を伝授している本。嫌なことがあっても「我慢する」「忘れる」という対処だけでは、知らないうちに「疲れ」がたまり、「防衛(恨み)記憶」も育ち、ますますその人のことを嫌いになる。「自分の感情をケアする技術」紹介している本。
この著者は現実分析の的確さが強い。最近の情勢が情勢なので、本の帯やあらすじに惹かれる人も増えているのではないかと思った。
ただ、この手の問題はやはりというか、劇的な薬がない。
最強無敵のヒーローが現れて全ての悩みを一刀両断!
してくれるなら、精神科なんて必要ない。よって、本書で出てくる多くが「もう、そんなことは知ってるよ!!でも、出来ないんだ。もっと劇的な方法を教えてくれ!」と言いたくなってしまうのではないのかな……と。
この著者は現実の分析能力が高い。だから、言っていることは客観的で筋が通っているし、事実だろうなと思う。とても説得力のある分析をしている。しかし、精神領域において、客観的かつ冷静で正しい意見は、人を救うこともあれば、それを突きつけられることで余計に疲れ絶望する人もいる。魔法の方法も劇的な薬もない。治療する心がまずブラックボックスなのだから、万人に効く治療薬が作れるわけがない。結局はコツコツやるしかないのだ。コツコツやれる余力がある人には、本書はとても参考になる。しかし、余力がないほど既に疲弊してしまっている人は、この本では救えない。
ただし日本人。特に私ぐらいの年代に強い傾向があると思うのだが。波風を立てたくない。目立ちたくない。楽しそうな人に水を挿すのはイヤだ。嫌われたくない……など、イヤなこと辛いことを言わずに、自身で飲み込んで我慢したり忘れようとする傾向が強いのではないだろうか。とても自戒を含んだ話だが、私自身もそうだ。その方が面倒が少ないとすら思う。本書を読むと、それだけで対処していると余計に辛くなるのか……と理解することは出来る。つらい時は辛いと叫んでいいし、どうすれば相手とギクシャクせずに叫べるのか?を学ぶことは出来る。余力があるなら身に付けて損のないスキルだと感じた。
増補改訂版 眠れなくなる宇宙のはなし(佐藤勝彦)
宇宙論の本。
古代インドの奇妙な宇宙観から、コペルニクスによる宇宙像の大転換、そして最新のブレーン宇宙論まで、宇宙の話をまとめた本。
最新の話題は少なめ。2~5章は昔の話。歴史的な内容も知りたい。元々文系でこの辺りの歴史もよくわからない。と言う人はこの章も面白いと思う。逆に宇宙の雑学が好きで、そこそこ読んでいる人からすればどこかで読んだことのある内容かもしれない。
読みにくそうな内容に見えるが、文章は読みやかった。眠れなくなるほど面白いかといわれると、私は逆によく眠れてしまった。
Newton 別冊 現代物理学3大理論(ニュートンプレス)
物理学の三大理論、相対性理論、量子論、超ひも理論を分かりやすく解説した本。
現代物理学がコンパクトに纏まっている。イラストも多い。
私は「物理学、どこがわからないのかわからない!」となったので、基礎は最低限分かっていないと内容が少し難しいかもしれない。各理論はそれぞれ個別にまとめた別冊があるはずなので、興味があったらそちらを読んでみるのもよいと思った。
Newton 別冊 改訂版 時間とは何か 心理学的な時間から相対性理論まで(ニュートンプレス)
時間とは何か?を解説した本、なのだが。相対性理論の記述が多い。タイムトラベルのパラドクスについてもまとめている。
のだが、ちょっと古い本を引いてしまったので、最新版を探してくる。
結局タイトルの謎は解けないのも不如意。