紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.1.8~1.10 読了後の本感想

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爆弾低気圧 with偏頭痛。読了後の本感想走り書き

極論で語る睡眠医学(河合真/香坂俊監修)

人間、人生の1/3寝てるのに睡眠医学を学ばないと患者診れないよ!?

そんな過激なスタートをする本書。睡眠過激派河合先生の著書です。睡眠医学で有名だと個人的に思っています。本書は快眠本ではなく、結構、ガチ目の睡眠医学本。

不眠症なんだよね~よく眠れる方法ないかしら」って人が読んでも一ミリも問題は解決しない。でも、医療職なら寝ない患者はいないので読んで損はない。OSAS、不眠、ナルコレプシー、パラソムニア、概日リズムと睡眠覚醒リズム障害など、様々なエビデンスが記載されているが、情報だけを記載するわけではなく極論で睡眠を語っている。詳細は省くがお前は死ぬ。みたいな情報の載せ方。

不眠症に対する睡眠医学最先端の薬の使い分けとか、そういうの期待していると不発する。とりあえずよくわかんないけどマイスリー……一時避難所にお世話になりっぱなし。恥じましょう。すいませんでした。とりあえずデパスに通じるものがあるね。

本書の中には医者の睡眠問題に付いても書かれており、学生が読んでも多分面白い。

ちょっと専門的過ぎるかなぁ……と思って読み始めたけれど、対象を医学に関する全員と設定されているので、睡眠医学の入口としてよい。私は睡眠に対して興味がある部分もあって手に取ったが、人間診るなら睡眠の入口ぐらいは知っておきたいよなぁ……と思った。ただ、これだけで今すぐ睡眠を語れるようにはならないので、次のステップを模索しないと難しい。快眠本は数多くあるのだが、睡眠医学の本や勉強の機会はあまり多くないのが現状なので。学会にでも所属して本気で学ばないと追いつかないぐらい深い領域なんだよな。

極論で語る睡眠医学 (極論で語る・シリーズ)

極論で語る睡眠医学 (極論で語る・シリーズ)

  • 作者:河合 真
  • 発売日: 2016/09/29
  • メディア: 単行本
 
死刑産業 アメリカ死刑執行マニュアル(スティーヴン・トロンブレイ)

アメリカの死刑執行官が、どのような処刑機械とマニュアルで人を殺しているか。インタビューによって書いたノンフィクション。日本と違って、立会人なしに死刑囚に普通にインタビューできたり国の違いが興味深い。(ブログで意見交換できるってすごいな)

執行人の心の負担にならず、出来るだけ残虐でなく、簡単に人を殺す方法を模索する。文章に起こすと狂気。死刑道具の発案者のインタビューもあるのだが、銃で撃ち殺すより文明的……文明ってなんだったけ?結構生々しい。当然死刑に関わる色々な人がいるのだが、タイトルからあんまりいいニュアンスを伝えるつもりは無いんだろうなと。アメリカでは死刑の執行は政治的な意図が絡むことが多く、本書には死刑廃止派が多いようなので、うん。まぁ、そういう意図の本なのだろうなと思いつつ読んだ。

ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史 上下(カート・アンダーセン)

アメリカとは何か。どうやってトランプ政権は生み出されたのか。アメリカの歴史をまとめたのが本書。上下で分かれているのだが、500年とタイトルにあるように鈍器。背幅が上下で5.5cmある。辞書じゃん……

ただ、読み物としては面白いし、文字もそれほど詰まっておらずさくさく読める。

史書として大絶賛されているベストセラー本なのだが、うん、これは好きな人は滅茶苦茶好きだろうなと思いながら読んだ。本書の前提としてトランプ政権に触れるわけなので、下巻はごりごりに政治思想が見える。

アメリカ人の妄想・空想に偏向しやすい気質という面を解説している。アメリカ史は当然明るくないので、読み物としては面白い。社会学的な学問に沿った本かと言われると、学問的というよりはジャーナリスト的な文章だと感じた。アメリカと言うと、人種のるつぼ、と認識しているので、本書で言うアメリカ人と言う定義的にモヤモヤする。本当にこれはアメリカ人固有なんだろうか。本書の内容は正しいのだろうか。著者の主観的な話に終始している、とも感じる。本書を頭から「すばらしい!!」と丸呑みして絶賛してしまうところがアメリカ的精神構造なんだろうか。読み物としては面白いし、トランプ政権が崩壊した今読むとまた思うところもある。

500年の内8割が上巻で下巻は近代の内容なのだが、陰謀論や反ワクチン、ワクチン恐怖症。銃へ認識や経済の夢だとか。銃は兎も角、それ以外は日本でも聞く話だ。本書ではアメリカ人が陥りやすい気質を持っている、としてるがこれは日本でも通じるところがある。私は、特にワクチン恐怖症は日本人の方が根強いとすら思う。

のだが、うーん?日本人にも気質が伝播しているのだろうか。アメリカの真似をしているせいで感化されているのだろうか。謎だ。

下巻は「もーーーーーーホント、トランプきらい!!!」と言う圧がとても強い。強火。

「僕は賢いからお前達がバカだって知ってるけど!こいつマジで下品で品性が無くて、子ども化した大人で、不愉快な事実は耳塞いで聞こうとしないし、嘘つくし、わがままで、邪魔されたり自分が欲しいものを他の人が手に入れると”フェアじゃない!”って大声を上げる。僕はこいつが嫌いなんだ!お前達はバカだから分からないかもしれないけどな!」と、子どもが床で転げ回っている読後感がある。本当に嫌いなんだなぁ、そっかー。

(現状ちょっと笑えない状況になっているのも、読んでいて「ははははは」と思った)

本書の内容が100正しいとも言えず、一人ひとり自身の頭でしっかり考えよう。夢の国はない。しっかり闘って行こう!と言う答えも対処法もない所に着地してしまう。

背幅5.5cmの鈍器作るなら、持論でいいから対応策まで述べて欲しかった。なんの本だっけこれ……。

私はチェシャ猫が「おはようアメリカ!ファンタジーランドは楽しかったかい?」と三日月の目で笑っている構図が頭を過ぎってしまい。もう尻尾をぺしぺし、ニマニマ笑っていて。私も大概ファンタジーに住んでるなと思ったりした。

総評、トランプが大嫌いな鈍器。