2020.12.31~2021.1.3 読了後の本感想
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読了後の本感想走り書き。年末年始分ぎゅぎゅっと詰め込んだ。
- いま希望を語ろう 末期がんの若き医者が家族と見つけた「生きる意味」(ポール・カラニシ)
- パワー(ナオミ・オルダーマン)
- 知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑(小西さやか)
- 世界一やさしい!栄養素図鑑(牧野直子)
- 「わかる」とはどういうことかーー認識の脳科学(山鳥重)
いま希望を語ろう 末期がんの若き医者が家族と見つけた「生きる意味」(ポール・カラニシ)
著者は36歳の脳神経外科医。2013年5月、末期がんと診断される。でも、希望は捨てない。医療現場への復帰をめざし、夫妻の子供を望み、死の直前まで限りなく前向きな生の記録を残した本。
とても感性が若い部分があると思う。しかし、これにはアメリカと日本の医師の立場の違いがあると感じた。アメリカは日本の用に6年医学部を卒業し国家試験をパスすれば医者になれるわけではない。医者になるための工程はもっと複雑で、その中でも脳外科医といえばエリート中のエリートだ。それがいきなり転落するのだから、色々と追いつかない部分や葛藤が、本書以外の部分にもあったのだろうなと思う。(うろ覚えの内容なので齟齬があったら許して欲しい)
著者は元々文学部を志望していたのもあって、サイエンスと言うよりは詩的な文章だ。その中に、闘病日記が織り込まれており「生の意味と死」を見つめ続けている。
多くの人がガンになる時代だ、自身の終活の参考に読むのも良し。周りの誰かのために読むも良し。紙になった本書が誰かの道標になればいいなと思った。
最後に、邦題のセンスが来い。原題は「When Breath Becomes Air」吐息が無機質な空気になるとき。と言う訳で、多分あっていると思う。どうしてそうなった。
いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」 (ハヤカワ・ノンフィクション)
- 作者:ポール カラニシ,Paul Kalanithi
- 発売日: 2016/11/09
- メディア: 単行本
パワー(ナオミ・オルダーマン)
ある日を境に世界中の女に強力な電流を放つ力が宿り、女が男を支配する社会が生まれたディストピア小説。
現代の男女問題を意識したごりっごりの風刺小説。
この世界に至るまでを考古学的に振り返る体裁で、現在の男性中心社会に強烈に針を刺してくる。プロット展開力があまりにも強い。
のだが、「ここまでやらないと理解できないでしょ?全部ひっくり返してやれば理解出来る?」と言っているような痛烈さ?苛烈さがある。逆に言えば、理解できたあとがないので、お尻の収まりが悪い人はいるんだろうなと思った。
本書からMe too活動が走り出したとも言われているのだが、私は本書のプロット構成に拍手を送りたいと思った。
- 作者:ナオミ・オルダーマン
- 発売日: 2018/11/23
- メディア: Kindle版
知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑(小西さやか)
化粧品に入っている美容成分をかわいいイラストとマンガでわかりやすく解説した本。
兎に角絵が多い。特徴を捉えているのかよくわからないイラスト。漫画?漫画だな。
資格本っていうよりは本当にイラスト本という感じ。検定に役に立つ!と書いてあるが、どこまで生きるのかよくわからない。ふーんと言う感じだった。
寝付けない夜にぺらぺらするには、何も考えなくて済むのでいいと思った。
検定の参考書にするには情報量が少ないし、なんだかごちゃごちゃしているので、整理されているのかされていないのかよくわからない。文章だと内容を読み込めないという人にはいいと思う。実際に検定を取るつもりで他書を読んでいるなら、わざわざこれを買わなくていいと感じた。勉強に活用する本ではない。
世界一やさしい!栄養素図鑑(牧野直子)
とっつきにくい「栄養素」を、キャラクターでわかりやすく紹介している。栄養解説本。こっちは漫画、というより挿絵の多い本なので、まだ勉強に活用しやすい。健診とかで引っ掛かって、食事を見直したいけど栄養学の本は難しくてよくわからない……!と言うときの入門としてはいいかと思った。逆に文字が多いと読めない、イラストや図解して読みたい人には文字が多いと思うので、向かないと思った。栄養学の参考書とするには、これだけでは不足がありすぎるので、他書でフォローを入れないとまっっったく足りない。あと例で健診に引っ掛かったと書いたが、ダイエットや減量の参考になるような食事指導に付いて書いてあるわけではないので、その例の場合はもっとわかりやすい本があると思う。あくまで栄養学のド初歩入門本という感じ。
「わかる」とはどういうことかーー認識の脳科学(山鳥重)
どんなときに「あ、わかった」「わけがわからない」などと感じるのだろうかを考察した本。著者は高次機能障害の臨床医。
気軽に「わかった!」というが、実際のところ「わかる」とはどういう状況なのか。
本書では、外界からの刺激をいつしか内面化し「心像」として切り取っている。そして、それを明確に捉えるためにラベルつけをする。ラベルが付いた心像を他者とも交換が可能となる。ラベル付きの心像が形成されていなければ、それは音として聞こえているに過ぎない。読み切ってみて、わかったような、わからないような……
首を捻りながら読んだ。眠かった。