紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.05.17~05.22 読了後の本感想走り書き

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もう下半期が来ると聞いて、時の流れに震えている。あと、一ヶ月間に元気な時期が短すぎる。世の女性はどうやって生きているんだ……

死因を科学する(上野正彦)

著者は法医学者で、著者が死にまつわる常識・迷信・疑問について解説した本。

「舌を噛み切っても死なない」「なぜ雪山で眠ると死ぬ」などなど。疑問に対して細かい節わけして回答している。各項目の内容は薄め。笑える内容でもないし、轢死の描写などはさらっとえぐいことを書いてある。本書の内容が薄いが、グロがだめな人はちょっと読めないかもしれない。私は比較的グロは平気な方だが「うわぁ…」と声が漏れた。著者の現場での生の経験が軽く書いてある。逆にこれを濃密に濃く書こうと思うと、重くなりすぎる。これぐらい軽い方が新書として読めるのかもしれない。これが医学書であるなら、ちゃぶ台をひっくり返していた。だが、これは一般向け新書と考えると、ちょうどよい塩梅か。雑学を読む気分でだらだら読める。

死因を科学する (アスキー新書)

死因を科学する (アスキー新書)

 
最新4訂版 アロマテラピー図鑑(佐々木薫)

長くからあるアロマテラピーのバイブル本。アロマテラピー検定対象のベーシックな精油から141種の精油を網羅。アイウエオ順なのでひきやすく、香りのタイプ、原料植物の情報、特徴、成分、相性のよい精油も掲載している。うん、図鑑!

アロマテラピー検定1級2級の参考書としてもお勧めされている。

寝る前に使っているアロマオイルが終わり、新しいのを買おうかなと悩んでいる。いつも同じものを買っているので、買い物の引き出しを増やそうかなと思って手に取った。精油売り場に行って、種類の多さに固まらない……?似たような現象がコスメ売り場でも起きる。どれを買うかは結局決まらなかったが、本書は分からない精油があったときに便利そう。定期的にアロマを楽しむなら1冊あると楽しめる。使い方を考える時やアロマテラピー検定の教科書としては足りなさそう。あくまで参考書か辞書的立ち位置の本。

最新4訂版 アロマテラピー図鑑

最新4訂版 アロマテラピー図鑑

  • 発売日: 2019/08/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
線一本からはじめる 伝わる絵の描き方 ロジカルデッサンの技法(OCHABI Institute)

割と人生で始めて読んだデッサンの本。「絵を描くロジックを知る」というアプローチで絵の描き方を学ぶというコンセプト。一応、ある程度の経験者も学び直しに◎とされているが、本当に線の描き方から始まるのでド初心者向きじゃないかと思う。

最近はこういうド初心者向けは少なくて、ある程度絵を描いている人向けの本や情報が多い気がする。私は奥行きのある絵ってどうなってるんだろう?と思っていたので、読んでいて「あ、りんごはそう分解すればいいのか」と納得した。基本の線の描き方、○△□の練習、奥行きのあるものを書くときは○△□と言った基本形に分解してデッサンするなど。

最終的にはこつこつ練習しないといけないので、読んで即絵心が見に付くわけではない。でも、ちゃんと分解してこつこつ練習したら上手になりそう。小さい頃は絵を描くのが好きだったけれど、今は苦手意識があって描かないな~という人にオススメ。逆にある程度描ける。過去にちゃんと美術を学んでいる。感覚派。は絵本に見えると思う。

本当の自由を手に入れる お金の大学(両@リベ大学長)

元々YouTubeで公開されていた教養系動画。著者は起業家で、友人や家族に向けて作っていたお金の教養動画を1冊にまとめたのが本書。貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う、この5つがお金に困らないための力だ。と言うのが本書の大筋の内容になる。

書籍形式ではあるがイラストや図が豊富でとても分かりやすい。対談形式になっているので、書籍が苦手でも読み進められそうである。私の感覚だと絵本に近い。イラストや図が多い分、本文の字はフォントがかなり小さい。一般的なサイズではない。だが、YouTubeに動画があるので、本書の内容に不足を覚えるなら動画を観るといいと思う。今動画も見進めているのだが、私は紙で提示された方が認識が速いので思い切って書籍を購入した。

本書は5つの力を説明しており、投資や株式単体を深く掘り下げている内容ではない。全くお金の知識がない人への入門的なお金の本と言った印象。収入を増やす項目より支出を抑える項目が参考になった。支出の見直しは爆発力も派手さもないが、これがないと底のないバケツになってしまう。一般的なお金の書籍は、どうしても派手さや耳障りのよさで収入を増やす項目を重視している印象があるので「まずは支出を見直そう。」と始まるのは、それだけで好感が持てる。私自身固定費の見直しのきっかけにもなった。

書籍の内容は動画と重複している部分が多いので、動画をきっちり理解できれば書籍自体は不要だと思う。本書以上に具体的な内容は?と思うと、QRコードから動画に飛べるようになっているので、最終的には動画を見た方が早いことには早い。だが、動画本数がかなりあるので、頭から見ると大変なことになる。特にこの項目の動画が観たい!と思ったときの事典のように使えそうだと思う。つまり、書籍としての内容は広すぎて薄い。また、前提が、日本の典型的サラリーマン向けなので、例えばオタクなど個別に軸となる価値観があると、応用できない内容もある。

著者の言うことを丸呑みにしても力にはならない。盲信せず、自分自身で知識や情報を見直し、自分の価値観の軸にあった方法を取捨選択することが大切なのだと思う。

全体的に、大阪の商人らしい語り口。大阪の人は、自分の家族やコミュニティーとの時間をとても大切にするし、関東にはない独特のテンションで生きている。関西人の人たちに言わせると、関東人は冷たいらしい。そういう人情の熱さのようなものがあり、両方知っている身としては「あー」とオタクあるあるの鳴き声をあげたくなる。あー。大阪にそこそこ住んでいた私は結構面白く見ることが出来た。

本当の自由を手に入れるお金の大学

本当の自由を手に入れるお金の大学

 
鬼速PDCA冨田和成)

昔書店で見たけれど、そういえば読んでなかった気がして手に取った。ビジネス書の定番、PDCAサイクルについて書いた本。古典的にフレームワークだが、わかっているつもりでわかっていない。そして基本だと言われているのに実践している人が少ない。
PDCAを極め、「鬼速」で回せるようになると、仕事に一切の迷いや不安がなくなる。と言うのが本書の主張の軸になる。これが出来れば自分もチームも鬼のように速く走れるぞ!と言うことらしい。

滅茶苦茶売れていた記憶があるのだが、まとまりがなくて情報が羅列されている感がある。全く頭に入ってこないし、パッとみて何が重要なのか、何が些末なのかさっぱり読み取れない。私の中では珍しいタイプのビジネス書。

ハマる人にはハマるんだろうなとは思うのだが、私にはピンと来なかった。著者の主観的情報で全てが構成されている印象で、早口で自分語りをされている感覚に近い。

多分なのだが、PDCAがそのままハマる業種とハマらない業種があると思っている。私はハマらない業種の経験が長く、その思考が癖になっているのかなと思った。PDCAの考え方は普通にあるのだが、本書のようにやっていると膨大な量に収拾がつかなくなって肝心のCAに辿り着けなくなる。

ハマる人には良書なのだろう

鬼速PDCA

鬼速PDCA

 
論理的思考力を鍛える 33の思考実験(北村良子)

思考実験とはある特定の条件の下で考えを深め、頭の中で推論を重ねながら自分なりの結論を導き出していく、思考による実験のこと。本書では思考実験の中でも比較的有名な「トロッコ問題」「テセウスの船」「アキレスと亀」「ギャンブラーの葛藤」「モンティ・ホール問題」「エレベーターの男女」「マリーの部屋」「ありえない計算式」など33の思考実験を紹介している。

そもそもが、思考実験は数学的に「これ!」と答えがあるものではない。あくまで自分なりの結論を導き出すもの。よって、数学的な明確な答えを求めて本書を読むと肩透かしを食らう。本書で一番大切なのは、本書を読むことではなく自身の頭の中で推論を重ね考えることだと思った。頭の体操によいと思うが、これが自然に出来る人は本書を読まなくても、ここに出てくる思考実験は大体考えたことあるのではないか。

論理的思考力を鍛える33の思考実験

論理的思考力を鍛える33の思考実験

  • 作者:北村 良子
  • 発売日: 2017/04/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)