紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.03.25~03.28 読了後の本感想

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読了後の本感想走り書き。

お金が教えてくれること マイクロ起業で自由に生きる(家入一真

 騒がしい表紙だなと思って手に取った本。誰だこの人。人の名前覚えるの苦手すぎる。

ジャスダック史上最年少で上場を果たしたIT業界の寵児、家入一真の「お金教室」。

十数億円をたった3年で使い果たしたからこそ見えてきた「お金」との付き合い方。
これは「自由に生きるため」、そして「ビジネスで自分を変えるため」の本。だそうです。私にはよくわからなかった。

成功例より失敗例の方が多いのは参考にはなる。お金によって人生の取れる選択肢が増えるというのには納得感がある。著者が言う豪遊の仕方が全くピンとこなくて、そんな時代もあったんだなぁ……と謎の感心を覚えた。

この本を読んでもお金はたまらない。しかし、表紙が派手でそこまで貧乏に対してコンプレックスを覚えるって言うのも凄い。でも、著者は悪い人ではないんだろうなと感じた。比較的文体は読みやすい。サクサク読める。へーって思う部分もあったが、今後も響くかどうかは人による。

お金が教えてくれること  ~マイクロ起業で自由に生きる~

お金が教えてくれること ~マイクロ起業で自由に生きる~

  • 作者:家入 一真
  • 発売日: 2013/02/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
母がしんどい(田房永子

珍しく漫画。何かの広告で気にはなってたけど読んだことなかったので。「親との一緒に居るのが息苦しい。でも決別するには罪悪感がある」 そんなあなたにこそ読んでもらいたい、毒親との戦いを記録したコミックエッセイ。読んで具合悪くなった。しんどっ……

ここまで凄いの居るんだなぁとも思いつつ、心当たりがある部分もありつつ。色んな意味でうわぁ……となった。小説だったら読めなかったかもしれない。

絵柄の好き嫌いはあるとは思うが、どういう環境だったのか。当時著者がどう思い葛藤していたのか。その辺りの描写がリアル。よく描けたなこれ。所謂毒親育ちって、よくDVパートナーにぶち当たるの業が深い。二人目で理解者に出会えてよかったなぁ……。

一つ理解出来なかったのは、子どもを作っているところかな。母親のサンプル例が本書のこれで母親になろうと思ったのが凄い。私は自分が母親になれる気がしていないし、この遺伝子は私の世代で断ってやると思っている。

母がしんどい【電子特典付】 (角川文庫)

母がしんどい【電子特典付】 (角川文庫)

 
動物の精神科医が教える 犬の咬みグセ解決塾(奥田順之)

数ある犬の問題行動のなかで、もっとも代表的かつ辛い思いをするもののひとつが「咬みグセ」。しつけの問題として捉えられているが、実はしつけだけでは根本的な解決にはならない。獣医行動診療科認定医が咬みグセの原因にアプローチし、解決方法のヒントを提示したのが本書。

今は一人暮らしで犬は飼っていないし、咬み癖のある犬を飼った事もない。だが、犬と猫だとやっぱり犬が好きだし、出来れば将来犬を飼いたい。今は命に責任取れないので、本だけ読んでいる。

全体的に理論メイン。生き物相手なので、これ1冊で速攻解決!にはならない。しつけ方のHow toではなく、その行動なんで?whatがメインな印象。その犬が悪いとか、飼い主が悪いとか、そういう観点ではないので、犬の行動で悩んでいる飼い主さんが読むとちょっと楽になるかもしれない。同時に愛犬に申し訳ない気持ちにもなるかもしれない。我の強い性格が多い日本犬だとか、比較的ビビりが多い小型犬とか。攻撃したくて咬んでいるわけじゃない子も多分たくさん居るんだろうな。

How to本でもないので、本書の内容を愚直に実践していくのは難しそう。でも、知らないよりは知っている方が、お互いに不幸にならなくていい。よい参考になる。

“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾

“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾

  • 作者:奥田 順之
  • 発売日: 2018/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 毒になる親(スーザン・フォワード)

悩める人生のトラウマは「親」。子ども時代に植えつけられた不安、怒り、過剰な義務感、つきまとう罪悪感が、大人になったあなたに害を与え続ける。親に奪われた人生を取り戻すための名著。

毒親」の語源になったのが本書。毒親の本は近年では増えたけれど、読んでみると内容や定義にブレがあるのではないかとは思っていた。自分の中で読む踏ん切りがついたのでそこそこ古い本だが今更手を出した。一体、どんな凄惨な内容なのかと身構えつつ手を出したのだが、いやいやそこまで酷いの日本である!?みたいな事例も結構ある。日本だともう少しマイルドだけど陰湿だよな……みたいな国民性の違い?のような、社会や文化の違い、のようなものもあるとは感じた。

毒親は医学用語でも心理学用語でもない。よって、厳密な定義もない。そういう意味ではHSPだとか、ブルベだとかイエベだとかにニュアンスが似ている気がする。人間は、よくわからないけれどそこにある「困った」に名前をつけるのが好きなのかもしれない。でも、名前が付けば目に見えない何かから、実在する問題や困難に格上げされて、存在感を増したり掴みやすくなるのかなと思う。そういう意味では言霊って考え方は凄いし、名前をつけた著者に感心もする。

本書では親との対決についても書いているが、私は状況によると思う。日本は親が絶対権限を強く持っていて、子どもは親の所有物。子どもの人権は諸外国より軽視されがち。子供って書くぐらいですしね。祖父母の世代からの呪いでもあると思う。変えるには、自身も親も祖父母も親戚も、周囲の社会丸ごと意識を変えないといけない。他人を変えるというのはとても難しいことで無謀。そういった意味では、行動にかかるストレスと成果が見合いません。本書を読んでも現実を知り、辛くなるだけかもしれない。

あとは、日本にはきちんと尻を支えてくれるカウンセラーは少ない現状があります。カウンセラーの保有資格も質も千差万別ですし、人間同士だからこそ相性や費用面の負担もある。心療内科は内科メインで精神や心理に強くなかったり、薬を出すだけのところも少なくない。

まずは、本書を読んで自分の状況を客観的に認識するなり、親へのもやもやした何かを言語化してみたり、ちゃんと形にする。でも、形にして名前をつけるだけで終わっても憂いは晴れない。そもそも、人によってゴールも色々。名前をつけて適度に距離取り「これは私にとっては呪いだったんだ」と認識することがゴールになる人もいれば、絶縁して心の奥底に埋葬することがゴールになる人もいるのだろうな。けれど、本書にある通り、許す必要はないし、欲しいのは親からの上辺の謝罪でもない。ゴールがそれぞれ異なり、絶対解はないので自分で探すしかない。本書に興味を持つ人は、どこかで本書に書いてあるようなことはわかっているのではないか。

他人は自分の思うままに変えられない。向き合うのは辛く、本書の説明にあるような現実の希望にはならない。難しいことは考えたくない。傷と向き合いたくない。兎に角わかりやすい答えが欲しい。そういう人には本書は苦しいだけなのだろうなと思う。

毒になる親

毒になる親

 
タイムマシンがみるみるわかる本(佐藤勝彦

大真面目に科学的な観点から「タイムマシン」について考えているのが本書。相対性理論をはじめ、ワームホール、宇宙ひも、ブレーン宇宙モデルといったキーワードを駆使して過去や未来について思索している。
さくっとSFやタイムトラベルを齧りたい人向け。物理を専門的に勉強している人にはさっぱり物足りない絵本。創作のネタに使いたいけれど、物理は専門外でどこから手をつけたらいいのかわからない。とりあえず簡潔に総論だけ押えたい。そんな横着な人向けの本。

タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]

タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]

  • 作者:佐藤 勝彦
  • 発売日: 2008/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)