紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.04.09~04.11 読了後の本感想

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夕立とかゲリラ豪雨来たり、天気が不安定になってくると、なんか知らんが4月上旬なのに勝手に梅雨になられた気分になって置いていかないで~って泣きたくなる。世界はもっとのんびり歩いて欲しい。

カラスは飼えるか(松原始)

表紙のカラスが愛らしい!と思って手に取った。あと、タイトルが「いや、そもそもカラスというか、野鳥を飼うって言うのが難しい話じゃない?」と思ったところもある。これについては本書の冒頭で触れていた。本書はカラスの飼い方How to本ではない。その議論をする前に、その動物を飼うならその動物の生態を知らないといけない。本書は色々な側面からカラスの生態を比較解説した本になる。

冒頭を読んで「それなーーー!!!!!」と思った。最近ではエキゾチックアニマルが人気だが、その動物をお迎えするということは生から死まで責任を持つということだと思うのだ。可愛いから飼う。癒しになるから飼う。自粛でお家時間が増えたから飼う。なんて自分勝手でナンセンスで無責任すぎる。ここから始まる時点で、著者への評価が鰻登りだ。推しと愛犬と愛猫の腰と股関節は労われ!そんな抱き方をするんじゃない!腰を痛めるだろうが!!と常々思っている私としては、ちゃんと生態を理解しましょうというのは、賛同できる主張だ。

わーどんな本かなー。と思って読み始めると、1章は屋久島の猿から話が始まる。

猿!?カラス遠いな!?と思ったら最後にはカラスに着地する。なんで???

ツイッターでいい感じの漫画を読んでいたら、いいところでラーメン食べているコマに無理矢理切り替わる、みたいな感じで「はっ!?今での動物の話は!?カ、カラスになってる……!!」

面白くてじわじわする。カラスの話を読んでいると著者のカラス愛も感じられる。

前に別の鳥類学者の本を読んで面白かったが、本書も負けずに面白い。鳥類学者は希少種とのことだったが、その希少種のうち2人も面白い人がいるなら、もうこの母集団の書籍は大体面白いのではないか。

オカルトや悪者、ズル賢いイメージのあるカラスだが、本書を読むとカラスはそんなこと考えてないんだろうなと思える。面白かった。

カラスは飼えるか

カラスは飼えるか

  • 作者:松原 始
  • 発売日: 2020/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
セックスレスの精神医学(阿部輝夫)

”セックスは脚と脚の間にあるのではなく、耳と耳の間にあるといわれている。つまり、セックスは脳で行う。”表紙にあるあらすじに引かれて手に取った本。

人間である以上避けられない問題なのに、睡眠と並んで学生時代に意識して勉強した記憶がなかった。当時も診断基準には入っていたと思うが頻出から目を通していた。少し反省した。人間診てるようで人間診てないなかったのかも。

タイトルで抵抗感もあったのだが、中身は至極真面目な医学書

男性が想像よりも繊細で驚き。海綿体もややこしいんだなぁ。内服もどこに原因があるかで、そりゃ効く効かないもあるのも納得。どこに問題があるのかによって、治療が変わってくるのも至極当たり前である。あと日本とアメリカで診断基準にも差が当然ある。繊細な話だ……。

手元のウスイホンを感慨深い目でみてしまった……エロッテスゲー

本書はそこそこ古い本なので、今はどうなんだろうなと疑問を覚えた。ちょっと真剣に情報を追ってみたい。

セックスレスの精神医学 (ちくま新書)

セックスレスの精神医学 (ちくま新書)

 
論文・レポートを読み書きするための理系基礎英語(臼井俊雄)

今年最高に挫折した本、その1

理系論文が書き読み発表出来るように、理系英語特化の基礎英語の本。

論文を読むには、薬とか遺伝子とかその手の専門用語の英訳に対応できないといけないわけなのですが……学生時代に医療英語の単位を一般教養で取って以来の英語チャレンジです。やっぱりお前とは和解できない。

理系英語は、丁寧な教科書やテキストがあまりなく結構困るのですが(一般的な英語辞書を引いても出てこない単語とかが結構ある)本書では数学や物理など、専門に分かれてよく出てくる文法構成や記号の書き方などを解説している。とても親切な仕事をしている本なのだが……英語……楽しくない……苦痛……こんなに薄い本なのに。苦痛……ってなって、そっと本を閉じた。

論文・レポートを読み書きするための理系基礎英語

論文・レポートを読み書きするための理系基礎英語

  • 作者:臼井 俊雄
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
日経サイエンスで鍛える科学英語(日経サイエンス編集部)

他にも種類が色々と出ているようだけれど、多分一番古いやつに手を出した。科学系の英語ニュースの英文と文法、専門用語の解説、和訳をまとめた本。英語の教科書としてはちょっと不親切ではあるけれど。私が英語できたらいいのになぁ……と思うのは、英語のニュースや論文が読めない瞬間なので、ニーズにはあっていた。

TVは持ってないからニュース番組とか報道番組系観ないけど、日経系列のニュースとかはスマホでたまに読む。日経メディカルとかは今でも定期的チェックしている。結構面白い。

のだが、今年最高に挫折した本、その2

英語全然わからないから、和訳しかわからない。結果古いニュース新聞をわざわざ本にした内容を読んでいるだけ、みたいな状態になって苦痛オブ苦痛だった。英語苦手だ……無理。苦痛。

さめざめとした気分で本を閉じた。切ない。

やっぱり頭の柔らかい学生のうちに英語と向き合わないとだめだったんだなぁ……。せめて選択の論文英語取っとけばマシだったのか。

でも、私の選択単位取れるだけ取ってたから上限が青天井になっていたし、3回生からは卒業まで7~8割実習になってたから。基礎必修や専門基礎落とすとその瞬間に留年が確定しちゃうんだよな。必修は1単位も落とせない状況で、選択単位に苦手で時間の掛かる単位取る勇気がなかった。実習いけないと進級も卒業もできないし。

あと、他言語が地雷みたいになっちゃっている。

最近の流れで「他言語でコミュニケーションを取れる学生を~」とか言い出して(実際日本の英語授業ってよくわからないと思う)たくさん話させようとしてる気がするんだけど。

母国語ですら碌にディベートもコミュニケーションも取れてないのに、なんで他言語でやらせようとするのか。その手の基本って言語変わっても根本は一緒じゃないの?単語暗記すれば出来るなら、日本語も国語辞書暗記すれば出来るようになるんか?暗記楽しくない。

あと人前で話したりするのは日本語でも苦痛……。

「わーいコミュニケーション取れたぞ。言葉通じた。やった~!たのしい~~!!」ってならない。「相手と通じ合えたぞ~!」がそもそも強めの幻覚だと思う。意味が分からん。人前に立たされるのも苦痛。あと発音とか笑うやつがいるのはもっといや。どんな言語でも前提条件が苦痛すぎる。たのしくない。やっぱり私はお前が嫌いだ……。

日経サイエンスで鍛える科学英語

日経サイエンスで鍛える科学英語

  • 発売日: 2011/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
洞察のススメ(船ヶ山哲)

膨大な量の情報が、秒単位で目に飛び込んでくる現代社会を生きるには、本質を見抜く力、「洞察力」を身につける必要がある。成功法則をまとめたビジネス書、らしい。

なんだ、ドラゴン桜に青春とか何か大事なもの捧げたの?って感じの本。

あとタイトル詐欺。洞察って言うより、著者が成功したと思っている偏った意見を声高らかに叫んでいる本。押しと我が強い上にガラも悪い。洞察どこ?恫喝の誤植か何か?

最後には起業家になるための音声講座なるものへの案内が貼ってある。本書内容の盛大なブーメラン且つトドメの一撃。なるほど?起業に興味あるけどコストは出したくないやつのリスト作りたいんだなぁ。リアルに漏れる「うわぁ……近寄らんどこ」

一番ひいたのはあとがき。

妻への感謝を書いている様子なのだが、これが、うん……同性として奥様に同情する。なんで看病してもらったところの記憶が飛び飛びなのに2ヵ月後に結婚するの……?専門学校辞めさせて夢を捨てさせ専業主婦を確約。子ども2人とマレーシアに連れて行ってワンマン育児強要。俺は仕事に集中できました☆じゃない。それは無口で弱虫な俺じゃなくて、奥様の人生を生贄に成功(?)召喚したクズ野郎ですって言うんだ。何の告白文だよ。私は何を読まされているんだ。

それは結婚じゃなくて、会社が用意してくれた家政婦か奴隷を手に入れたと言うんだ。

そんな飛び飛び不安定メンタルの人間が猫飼っていることにも率直にひく。これは結婚と猫飼いになったのどっちが先なのか分からんけど。文体見てると奥様紹介される前っぽい?記憶おぼろげな人間が猫飼えるの?猫も奥さまも子どもも、全部生き物なんですが……?

これを感謝として文章に書き起こした挙句、書籍になっていることがいっそ不気味。でも、精神疾患にリンパマッサージしてる奥様にも首を傾げるので(自然療法マニア感があって、とてつもない地雷感がある)需要と供給が噛み合ってしまったのかもしれない。ごりごりの共依存発動していたのかなとも思う。読んでいるときはぶーぶー言っていたが、夫がうつ病になったときの書籍、結構需要に答えた本だったのかも。

最後に一気にホラーになった。しかも私がだめなタイプのメンタルグロ系ホラー。これはビジネス書の皮を被ったホラー書籍。

洞察のススメ―「5つの真実」を知ることで、すべての仕事はうまくいく

洞察のススメ―「5つの真実」を知ることで、すべての仕事はうまくいく

  • 作者:船ヶ山 哲
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)