紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.03.06~03.07 読了後の本感想

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んぐー……暖かくなったり、寒くなったり、気圧が上がったり下がったり……!!!しんどい

人生から「逃げる」コマンドを封印している人へ(やしろあずき)

セフィロスか三角コーンで知っている人もいるかも?一応本職はブロガーらしい著者。三角コーン業者じゃなかったのか……

面白いタイトルだなと思っていて、気になっていたので読んで見ました。

マンガ6:文章4で、文字自体も児童向けかってぐらい大きいし、行間も恐ろしく開いているので、多分これ小学生高学年ぐらいだったら読めると思う。大人が読むと文字数が少ないと思うかも?自己啓発本においては、スカスカの本は賛否分かれるのかな。考え方としては言いたいことはわかるし、全く持ってそれなと思う。どちらかと言うと若い人が共感しやすい考え方なのかなと思う。年齢高めの、言っちゃえば終身雇用の社会を盲信している人には「はぁ??」となるかもしれない。こういう考え方もあるんだなと知る意味でも読んでみて欲しい。

文体としてはほぼマンガブログなので、滅茶苦茶読みやすい。

うつ病でガチめに追い込まれているときは、長い文章が読めなかったりするので(私はヒヤリングがクソになる。ABCが認識できなくなった)追い込まれている人でも読める。人生には本当は選択肢がたくさんあり、死ななきゃなんでも選択できる。どこからでも挑戦できるし、自分がのびのび生きやすい環境を探していいんだなと思えた。

いい意味で自分を飾っていない著者なので、等身大のモデルケースを見ている気分。しかし、出てくるエピソード自体はぶっとんでいるし、三角コーンで笑ってしまう。なんなんだろうね、わかってるのに笑ってしまう。気軽に読める自己啓発マンガ

クリエイターの為の宝石事典(飯田孝一)

ツイッターで見かけたので手に取ってみた。想像より高くて薄いが、フルカラーだし……?書籍の価格設定よくわからん。同人誌だったら「安い……!!安すぎるだろ、お前……!!」と叫んでいた。多分。

天然石のもつ伝説や歴史、命名の由来などを解説した本。宝石名は和名表記で英名と中国名も載っている新設設計。結晶系ごと、色別の索引もある。著者の本から、歴史や伝説に関わる部分を取り上げて収録した書籍のようなので、そちらを持っていればいいといわれたらそうなのか……?とは思う。

ただ、オタクこういうネタを軽率に創作に盛り込むの大好きだから。うんしかたないね。あと花言葉も好きだろ……?私も好きだ。

伝説関係の逸話などをまとめてあるので、TRPGアーティファクトのネタになりそう。薄いのですぐ読み終わる。さくさくパンダ

クリエイターの為の宝石事典 (亥辰舎BOOK)

クリエイターの為の宝石事典 (亥辰舎BOOK)

  • 作者:飯田 孝一
  • 発売日: 2020/08/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
病気の社会史 文明に探る病因(立川昭二

古代ギリシアの疾病、ハンセン病、ペスト、梅毒、結核、ガン。病気の歴史をたどる本。病気が文明と歴史にいかなる影響を与えたのかを考察する。

最近の世情や鬼滅の鬼に出てくる上弦の鬼たちを思い出して手を出した。歴史から過去の流行疾患を考える病理のことを古病理学と呼ぶそうだ。私ははじめて知った。人類と病気との闘いは古代ギリシアから始まる。近代の画像診断などの検査で、現在発見されている病気の多くは古代から存在していたことがわかる。著者は冒頭に”病気とは何か?”と考察する。”病気が社会のものであり、文化のものである以上、社会に文明に歴史があると同じように、病気にも歴史がある。”とし、著者は病気が文明がつくると考察した。病気は病原菌を伝播・繁殖させる条件があって、始めて病気になる。

7~9章には日本における病気の歴史にも触れている。当時の無知もあるが、今見れば差別や残虐な行動も数多くある。しかし、同時に現代の世情を見て通ずるものがあるのも興味深い。また、多くの感染症は貧困→疾病→貧困の悪循環が現れ、とりわけコレラは貧困病とも言われている。貧困に伴う公衆衛生上の悪環境は疾患を蔓延させると歴史上にもハッキリしているのだ。公衆衛生のためには貧困層への対応が効果的といえる。また、明治33年には「精神病者監護法」という精神病者の取締りが立法化した。精神疾患は現代でも患者が多く見られ医療問題の一つでもある。ヨーロッパの「罪の文化」に対し、日本は「恥の文化」であるという。この感覚は現代でも通ずるものがあり、この文化の肌感覚の差はどこから生まれたのだろうと疑問を覚えた。

本書を読んでいて面白いと思ったのは、コレラ流行時昭和46年の毎日新聞で「コレラ渦」と見出しを出していることだ。すごい、令和になってもネーミングセンスが昭和から進歩してない……完成された言葉と感動すべきなのか。私は○○渦と言う表現はあまり好ましくないと思っているので面白半分の複雑な気分になった。

本書の不満としてしては、本書は2007年出版で著者も1927年生まれなところだ。とてもよく出来ているし本書は名著だと思うが、著者は亡くなっており且つ情報のアップデートがされていない部分だけがマイナスにも思う。病気と歴史を学ぶなら、本書だけではなく他書を併せて読みたい。

病気の社会史―文明に探る病因 (岩波現代文庫)

病気の社会史―文明に探る病因 (岩波現代文庫)

  • 作者:立川 昭二
  • 発売日: 2007/04/17
  • メディア: 文庫