紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2020.11.19 読了後の本感想

スポンサーリンク

読了後の本感想

母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘(熊谷早智子)

タイトルをみたときからしんどかった。気まずい。

コンビニで無修正の発禁本見つけてしまった感覚に近いのかな。タイトルがまずインパクトでかい。姨捨山かな?

同じ女性問題の本で強烈だったのは「切除されて(キャディ著)」だったが、これはこれで強烈(「生きながら火に焼かれて(スアド著)」も気になっているのだが、読む勇気が出ずまだ手を出せないでいる。多分これも強烈だと思う。)

メンタル系治療中に読む本ではないな、これは。というのが一番最初の感想。

それぐらい強烈。抉れる。

でも、そうか。もっと壮絶な人もいるんだなというのと。

あーーーーーーそうか。それモラハラだったのか。という目から鱗というか。

手を上げるだけが人を支配する方法じゃなかったなぁ……と言う、謎の納得だった。

たくさんあるんだな、こういう話。

著書は、著者が運営する「モラル・ハラスメント被害者同盟」から、7つの母娘関係のタイプ別エピソードを紹介している本。「モラ母」「支配する母親」との関係に苦しむ娘たちの話。

大体、高確率でモラハラ夫に捕まって(本文の表現を借りると、よいカモになるそうだ。だろうな)問題が自身の子どもにも波及していくのが胃がキリキリする。著書では「決別」や回復はへのステップや解決策はほとんど言及されていない。が、読んでいるとそこまで辿り着くハードルがとても高いのだろうなと感じた。気付くだけで解放される話ではない、でも、まずは気付いて、あぁ、そうだったんだと認めるところから全てが始まる。

そして、日本ではそういった女性へ手を差し伸べる手段が少ない(これはDVの場合とかでもそうだと思う)下を見れば、もっと酷い国はあるのだろうが下を見る話でもない。

母とうまく行かないと思っている人は一歩引いて母の事を冷静に見てみるといい。

本文にはそうあるが、何年掛かるんだろう。

ACは営業職向きで、苦笑してしまった。

相手が何を考えているかを察知する能力が高く、どうすれば相手が喜び、こちらの思うように動いてくれるかを素早く計算できる。
自分の感情を押し殺して相手を優先し、相手の望みが自分の望みにすり替わってしまうので自分が本当は何を望んでいるのか分からなくなる。相手にやすやすと自分の内面を支配されてしまう。

うん、わかるんだけどちっとも嬉しくない。

心当たりがある人も、ない人も興味があれば、こういう本は読むといい。

自身の知らない世界がある。知っておいて損はない。

ただし、元気な時にね。