紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2020.11.22 読了後の本感想【雑多ジャンル】

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読了後の本感想。走り書き。

悩まずにはいられない人(加藤諦三

へーと思って手に取った。思わず発行年数を確認する。最近よくやってる気がする。

世の中には色んな人がいるんだなと謎の感心を覚えた。まぁ、これも図書館の醍醐味ではある。でも、出来れば二度と私の目の前には現れないでほしい。
本書は、心理学を駆使して悩みの本質について解説した本とされている。実際の中身は著者の思考の羅列である。大変読みにくい。個人的には聖書といい勝負をしている。もしかすると、聖書の方が読みやすいかもしれない。更に、所々に突然英語が挟まる。

あー、いるいる。そう言うカルテ書く医師いたわ。紙カルテ時代なら筆記体があったからまだ理解できたのだけれど、電子カルテ時代に何故?時短になってなくない?あれこれ考えすぎて一周回ってアホになったのかとか色々失礼なことを考えていたが、これ癖なんだろうか。読みにくいし理解させる気のない文章に感じた。恐らく賢そうには見えるだろう。

また、本書内には具体的な解決策はないし、医学的でも科学的でもない。心理学を駆使してと書いているが、少なくとも私が学んできた心理学にはないと思う。
雑に書けば、ただひらすら悩んでいる人を責める本である。少なくとも悩んでいるときに読むものではないし、本書の内容に価値があるかはわからない。私にはないと思う。
長年人生相談に関わってきた偉い先生がこう言ってるんだよ。そう言われたら、ははぁ、そうなんですか。としか言えない。人の相談聞きながら心の中ではそう思ってたんだ。怖いね。本気かな?毎回企画大炎上してなかった?とても観たくない。

私はそもそもテレビを見ないので、まず観ないだろうが……。
随所に鬱病に対しての誤った見解が見られるが、著者は鬱病患者に親でも殺されたのだろうか。あまりにも認識が古く、思わず「精神分裂病だった頃の古い文献でも読んでしまったか?」と不安になった。ちなみに5年前の本だ。

鬱病になるような人には外に関心がいかない。あやして欲しいという欲求が強すぎて、それ以外のことに興味がない。”

鬱病者はやれば出来るのに、しない。”

鬱病になるような人が「苦しい、つらい」と騒ぐ時には幼児返りをしている”

などなど……引用する気が失せるほど、鬱病患者への悪意と偏見に満ちている。自身が鬱病になったら一体どうするのだろうか。自分は決してなるまいと信じて止まないのだろう。人生がどうなるかなんて、どんなに賢くてもわからないことなのだが……。もしそうなったらその場で切腹でもするのだろうか。

こういった認識で生きていれば、さぞ鬱病患者は怠惰で堕落したどうしようもない生き物に見えるのだろう。読み終わり、正直失笑を抑えられなかった。だが、こういった本でも貯蔵するのが公共の図書館でもあると思うので、こういう人もいるのだなと考え本を閉じた。

心の平穏を得るために心理学を駆使するのは結構だが、せめて学術的、科学的な視点は持って欲しい。更にそういった認識で人を傷つけるぐらいなら、いっそ人生相談などには関わらず、自身の認識でマスターベーションをして余生を過ごして欲しい。

ここまで笑える本は久し振りに読んだと思う。いっそ賞賛の拍手を送りたい。

余談だが、この認識でモラハラの著書があるそうだ。まず、モラハラの定義区分から出来ているのか不安が尽きない。

悩まずにはいられない人 (PHP新書)

悩まずにはいられない人 (PHP新書)

  • 作者:加藤 諦三
  • 発売日: 2015/03/13
  • メディア: 新書
 
 好きな人と「だけ」生きていく(永松茂久)

好きな人、好きなものと一緒の人生を選ぼう!と提唱している本。

表紙がとてもシンプルで(要点のみだけで構成されていて、白地に黒文字でタイトル。著者名が赤字。シンプルで潔い表紙だと思った)目に付いて手に取った。

中身もかなり潔い。私も見て「いやいや、そんな風に生きられたら苦労しないだろ」と思った。でも、読んでみると「そうか、いいのかそれで」と思う。今すぐ出来るかどうかは別として「それでいいんだな。」と思わせてくれる。

私は、読書で見たことのない世界や創作の世界、わくわくする冒険、過去の人や世界、他国の文化。自分と違う価値観に気軽に触れることが出来ることが楽しいと思うのだが、そういう意味では本書は私が持っていない価値観を提示してくれたなと感じた。

3年後も一緒にいたい人を書き出すワーク、やったことがないので一度やってみようかなと思った。そういう視点で人付き合いを見たことがない。嫌いな人にわざわざ合わせて、我慢しなくていいのか……。でも、よく考えてみたらそうだよな。ただのマゾじゃん。

でも、今の世の中自分の「好きだ!」を意識していない人、よくわからなくなっている人も多分いると思う。日本の学校教育では出る杭は打たれるし、みんなと一緒に歩調を合わせて、個性を殺すのがよしとする風潮もまだあると思う。それに慣れきっている人には、本書の内容はハードルが高く感じるのではないかなと思った。好きって難しい。好きと出来るは違うし、快・不快だけですっぱり割り切れない場合もある。

「好き」は、ちゃんと自分を振り返っている人じゃないとわからない感情だと思う。

手帳術などでは「やりたいこと100リスト」は、自己啓発ページとして流行っているのだが、はじめ全然書けないと思う。私は好きって難しいし面倒くさいとも思う(余談だけれど、そんなときは絶対にやりたくないリストからはじめるといい。やりたくないリストの方が結構書ける。)

表紙がシンプルでいいなと思ったのだが、目次はちょっと見難い。文章は読みやすい方だと思う。文字もそれほど詰まっていないので、じっくり読んでも30分ほどで読みきれると思う。

”意味のない順位を付けたり、どっちがすごいとか正しいかなどを追求する世界を飛び出して、もっと自由になれ。好きな人とお互いが好きなことを認められるようになれば、その場所はお互いにとって、とても生きやすい場所になる。(略)

一生、籠のなかの鳥でいるか、それとも、自由にはばたくか。迷わず後者を選ぼう。”

本書では最後にこう書いてある。

正直、「とてもくさい台詞だな」と思うし「青臭いな」とも思うのだが、タイトルから筋が通っていて、一貫性があるメッセージだと感じた。

好きな人と「だけ」生きていく

好きな人と「だけ」生きていく

  • 作者:永松茂久
  • 発売日: 2020/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
ミナゴロシ(椙本 孝思)

おー?ホラーっぽい表紙だ。と思って手に取った小説。

クローズドシナリオで赤マントの死神に追いかけられ、次々と惨殺される生徒達。と、言うホラーあるある展開。結末が結構意外で「ははー?なるほど??」となった。最終的には普通とは一味違うホラー小説にはなる。ページ数はないのだが、設定がド鉄板なので飽きて途中で読み止めてしまいそう。また、惨殺シーンが結構うん。だめな人はだめなんだろうなぁ……と言う感じなので、途中で読み止めてしまうと、ただの使い古されたホラーで終わってしまうのが少しもどかしい。また、視点転換後になってしまうと、これをホラーと呼んでいいのか少し悩ましいところ。

主人公と同じく、読者自身も訳のわからない所からいきなり話が始まるので置いていかれる感があり、ちょっと読み難いかなと感じた。

あとタイトルもっとこう、なんかないか?うん。

ミナゴロシ

ミナゴロシ

  • 作者:椙本 孝思
  • 発売日: 2013/07/01
  • メディア: 単行本