紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.04.12~04.16 読了後の本感想

午前中ずっと眠いしだるい

人生を面白くする 本物の教養(出口治明

教養とは人生における面白いことを増やすためのツールで、ビジネス社会を生き抜く最強の武器だ。本物の教養はどうしたら身につけられるのか?起業家の著者が考えを書き連ねた本。

この著者は、社会問題に対して、独自視点を持っている。一貫して、本書では自身で考えることが肝要である。と主張している。そのため、社会問題について書いてはいるが問題の打ちっぱなしが多い印象を受けた。

最終章は、自分のビジネススタイルについて書いている。本書は自身の会社の宣伝にもなると捉えている。そういう宣伝書籍の空気感が嫌な人は、恐らく後味が悪い。

総合的には面白い本ではあったのだが、シェイクスピアが面白い。教養だ。と言われると首を捻るところはある。古典文学は当然文化の土台だと思うが、そこから思考を重ねブラッシュアップした文化が現代の文化だとも思う。近年の漫画やゲームには教養がない、文化性に乏しいかといえばそんなことない。

また、日本の社長や役員は教養がないと切り捨てているのだが、えぇ……ホントにござるかぁ?と思ったりもした。年功序列のお陰で昇格したおじさんも当然居るが、実際の社長さんたちに逢うと勉強しているし、興味に対してとても熱心な方も多い。

本書では「私のような大学も出ていない年をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ人生と世界は単純になっていく。だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい」と、ココシャネルの言葉を引用している。これは本当にいい言葉だと思う。ただ、日本の経営者が英語を話せないのは英語教育の問題ではなく、教養のなさでもある。教養を身に付けるには腑に落ちるまで自分の頭で考えることだと強調している。これは腑に落ちないと感じた。

ただ「教養は、人生におけるワクワクすること、面白いことを増やすツール」という主張には納得感を覚えたし、「今更もう遅い」はサボるための言い訳と切り捨てる潔さにも感銘を覚えた。

人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)

人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)

  • 作者:出口 治明
  • 発売日: 2015/09/30
  • メディア: 新書
 
みんなが欲しかった!FPの教科書(滝澤ななみ)

資格勉強をしよう、というよりは税金のことよく知らないから読み物として手を出した。資格取得のための本。

私にとっては知らないことがたくさん書いてあって面白かった。こ、これがコナンに出てくる遺言とか遺産相続問題か……!!みたいな感じ。医療関係に関しては多少勉強しているので、なんとなく分かるのだが不動産関係は完全ド初見なので新鮮だった。

資格テストとしては「道具を覚えればOK」ぐらいのレベルかな?と思った。100時間もいらないだろうな。ちゃんと時間をかければ7割は普通に取れそう。

テキストとしてはキレイに纏まっている本。なんでも枠で囲ってあったり、さらっと書いてあるから逆にどこが重要なのかわかりにくい。読むだけでは記憶に残らないので、別途問題集を解いておかないと資格合格はちょっとしんどいかなと思った。これ1冊で完結するのはちょっと怖いとは思う。

ただ、綺麗に纏まっているのでとりあえず手を出すのにはいいテキストだなと思った。

税金関係の知識は身に付けたいので、別途問題集も買ってみたい。

みんなが欲しかった! FPの教科書 3級 2020-2021年 (みんなが欲しかった! シリーズ)
 
ワイルド全集3(オスカー・ワイルド

第五人格の墓守考察を見ていたら、名前が出てきたのでとりあえず目に付いたやつを引っつかんだ本。

私は歌手も作者も基本見ないし意識しないで触れていることが多いのだが、流石に「幸福な王子」は「あ、これどっかで読んだことある」と思った。童話も書いてたのか。というか、この話の著者はそんな名前の人だったのか……!昔から本当に著者名気にしなさすぎである。今読むと、童話と言うにはドライと言うか、淡々?寒々しい?話が多いなと思った。寂しい。

童話と曲劇が収録されているので、本書の大部分は曲劇。曲劇は本当に知識がないので、台本読んでいる気分であんまり面白くなかった。普通に公演でみたい。

図説 英国貴族の令嬢 増補新装版(村上リコ

黒執事の作者さんが名前を出していて、ほう?と思って手に取った本。

栄華を極めた19世紀から20世紀初頭の英国。由緒正しい貴族の家に生まれた令嬢たちの日常やその裏側の現実をまとめた本。生まれてから死ぬまでの流れに沿ってまとめている。図説とは?と思ったりもしたが、写真や絵画資料は多くある。

私はご存知の通り世界史が苦手で、映画やドラマも殆ど観ていない(主人公と一緒にドキドキハラハラしたり号泣したりうつになったりするのですごく疲れる)基礎知識ゼロで読んだので、とても参考になった。英国貴族、舐めてました。すいませんでした。くっっっっそややこしいなお前ら。こんなややこしいルールでどうやって生きてたんだ。生きてたんだけど。

令嬢の社交界デビューや婚約、結婚にフォーカスしているが、この文化を詳しく紹介しているというより、彼女達の人生の比重がそこにあったと捉えた方がいいかもしれない。男女のかけ引きが~とか、服飾品の云々細かいギミックや由来が~とか、ファッションやメイクを絵の参考にしたいんじゃ!って人は多分物足りない。

私は前述の通り、英国貴族?ナニソレ美味しいの?というレベルの教養しかなかったので、やばい沼を見てしまったカルチャーショックに、数ページ読んでは本を閉じて頭を抱えるを繰り返した。まず、貴族の定義と爵位の動きとか、女性の身分の件で30分ほど頭を抱えてしまった。なん?なんて?おん???と、頭上にクエスチョンが乱舞した。ややこしい!!!

結構薄い本ですが情報量はたっぷり。その手の創作物への解像度が上がって、より楽しめるようになる。

図説 英国貴族の令嬢 増補新装版 (ふくろうの本)

図説 英国貴族の令嬢 増補新装版 (ふくろうの本)

  • 作者:村上リコ
  • 発売日: 2020/12/25
  • メディア: 単行本
 
幻想としての〈私〉 アスペルガー的人間の時代(大饗広之)

統合失調症境界例が軽症化する一方、3割近くの若者が経験しているという人格の多元化や、アスペルガー症候群などが時代の前景に押し出されている。一般的な学生や臨床例に見られる諸現象をもとに、生物学的精神医学では捉えきれない心の深層を掘り下げる。本書ではこういった潮流を「中心のない多元化」という概念で括り、一般的な学生や臨床例に見られる諸現象を挙げながら、精神に引き起こされている今日的変容を浮き彫りにしていく。

らしい!

表紙が吸い込まれそうな不思議な魅力のある絵。なんだが、内容はうーん、すごく独特。ページ的には分厚くもなく、扱われている症例もよく纏まっていてすらすら読めるのだが、何を言っているのか読み解けない。人間失格を生まれて始めて読んだ時の「なんだこれ!?」感がある。今の私には早かった……っ!!と言う感じの本。全面敗北したので、もう少しレベルを上げてから読み直したい。

幻想としての〈私〉: アスペルガー的人間の時代

幻想としての〈私〉: アスペルガー的人間の時代

 
教養としてのスーツ (井本拓海)

副題が「センスなし、お金なし、時間なしでもできる世界レベルの着こなし」

長い。本書としては、所謂3なしでも出来るスーツの教養を紹介した本としての立ち位置。本書は男性向けなので、女性のスーツに付いては一文字も触れられていない。

まず「自分にあったワイシャツの選び方」から始まり、ミニマムに生きるためにはシャツが何枚あればいいのだろうか。だったり、無難に纏まりやすいスーツコーディネートを意識した小物の揃え方などを書いている。首を捻る部分もあるが、恐らく概ね正しいことが正しく書いてあるのだと思う。

滅茶苦茶文字が多いので被服について詳しくない人は「はぁ……(何言ってんのこの人)」と辟易する。服に興味のない人間からしてみれば、セミワイドスプレットカラーとか言われても呪文にしか聞こえない。強そうな呪文ですね。

図もあることにはあるのだが、言ってる内容に対して少なすぎるので、やっぱり何を言ってるのか分からない。途中から辟易してきて、全裸じゃなければOKじゃないかとすら思った。

ただ、ユニクロなどの吊りスーツが身体に合っていない人が多いことには、歯痒く思う部分もある。実際、私もあの手の商品は大体サイズが合わない。一度きちんとサイズをあわせた靴とジャケットを購入したが、いい買い物をしたと思っている。が、やっぱり金銭的に優先度を上位に上げにくい。実際のところ、ユニクロで全身揃えたとしても、清潔感があり全裸でなければいいと思っている。

 ルールは自分で楽しむもので、寸法がちょっと違うだけで非常識扱いされるのだったらその業界はそのまま滅んでくれて構わないと思う。シャツのポケットがないのが標準だと知ってはいるけれど、一部では需要もあるから付いているのではないか。知っていることとそれを選ぶこと、無知を非常識と判を押すことは違う。

あと文体が押し付けがましい?圧の強い感じがあるので、読んでいて面白くない。著者本体もこういう感じなのだろうと思うと、ますますお近づきになりたくない。どうぞ好きに生きていてください、という感想だ。

手入れに付いてもつらつらと書いてあるが、正直新卒の社会人ならもっと他に吸収することやお金を充てる先があると思う。行為自体が好きならしたらいい。好きではないのであれば、手入れが好きな人に委託すればいいと思う。制服としてスーツが標準だ。と強要している会社なのであれば、スーツと手入れ代まで補助してくれ。それが出来ないなら口出しするなとも思う。実際病院では、白衣は専用かごに放り込んでおけば業者が全部やってくれる。白衣自体も病院が用意する場合が多い。周りと違う白衣を着ていたら、その人の私物かスポット採用の派遣職員だ。料金は給与から天引きか、もしくは病院側が全額負担が多い。清潔な白衣を制服と規定しているので、そこは雇い主が保証しようとする姿勢をみせるのが自然だと私は感覚的に思う。

新卒はこれ読んでスーツに頭を巡らせる前に、しっかりよく寝て仕事を覚える方が余程大切だ(ただ先輩が本書を勧めてきた場合には一応読んで話だけ合わせておこう。時期が来たら縁を切ることをお勧めする)どんなに綺麗な白衣を着ていても、急変時に慌ててナースセンターに駆け込んでくるアホの方が救いようがない。新卒は致命傷だけ避けられるようになればいいと思う。制服なんて全裸じゃなければ死なないので後だ。

母という病(岡田尊司

うつ、ひきこもり、依存症、摂食障害など、精神的要因による病の原因が、じつは「母」という存在にあると主張する本。

幾つかの事例の話が出てくるのだが、最終的には著者の同じような主張に着地する。始めは新鮮に思うのだが、終始著者の主張の繰り返しになり最後の方で味に飽きてくる。また、事例紹介と著者の主張はあるが、それに対しての周囲に取れる対策は少ない。本人なりに母と向き合うなり、母側が向き合って事態が好転していくという流れが多く、なんだかなと感じた。発達障害の問題行動も母との関係によるとの主張になっている。しかし、母親をフォローする人も少ない。著者が何か対処したわけでもなく、医者も、学校も、家庭もフォローしてくれない。もう生まれたときには詰んでいるように感じてしまう。なんだかなぁ……

本書はタイトルでも分かるように母親を責める方向になってしまっている。母親の立場から本書を見れば不安になるし、責められているように感じてしまいそう。本書では母親に焦点を当てているが、父親に置き換えて考えてもよいのかなと思う。父親や周囲のフォローが無意味で母のみが子の人生に影響するなら、父親や周囲のフォロー、全て必要がないのではないか。もやもやしたものが残る書籍だった。

(017)母という病 (ポプラ新書)

(017)母という病 (ポプラ新書)

 

 

2021.04.09~04.11 読了後の本感想

夕立とかゲリラ豪雨来たり、天気が不安定になってくると、なんか知らんが4月上旬なのに勝手に梅雨になられた気分になって置いていかないで~って泣きたくなる。世界はもっとのんびり歩いて欲しい。

カラスは飼えるか(松原始)

表紙のカラスが愛らしい!と思って手に取った。あと、タイトルが「いや、そもそもカラスというか、野鳥を飼うって言うのが難しい話じゃない?」と思ったところもある。これについては本書の冒頭で触れていた。本書はカラスの飼い方How to本ではない。その議論をする前に、その動物を飼うならその動物の生態を知らないといけない。本書は色々な側面からカラスの生態を比較解説した本になる。

冒頭を読んで「それなーーー!!!!!」と思った。最近ではエキゾチックアニマルが人気だが、その動物をお迎えするということは生から死まで責任を持つということだと思うのだ。可愛いから飼う。癒しになるから飼う。自粛でお家時間が増えたから飼う。なんて自分勝手でナンセンスで無責任すぎる。ここから始まる時点で、著者への評価が鰻登りだ。推しと愛犬と愛猫の腰と股関節は労われ!そんな抱き方をするんじゃない!腰を痛めるだろうが!!と常々思っている私としては、ちゃんと生態を理解しましょうというのは、賛同できる主張だ。

わーどんな本かなー。と思って読み始めると、1章は屋久島の猿から話が始まる。

猿!?カラス遠いな!?と思ったら最後にはカラスに着地する。なんで???

ツイッターでいい感じの漫画を読んでいたら、いいところでラーメン食べているコマに無理矢理切り替わる、みたいな感じで「はっ!?今での動物の話は!?カ、カラスになってる……!!」

面白くてじわじわする。カラスの話を読んでいると著者のカラス愛も感じられる。

前に別の鳥類学者の本を読んで面白かったが、本書も負けずに面白い。鳥類学者は希少種とのことだったが、その希少種のうち2人も面白い人がいるなら、もうこの母集団の書籍は大体面白いのではないか。

オカルトや悪者、ズル賢いイメージのあるカラスだが、本書を読むとカラスはそんなこと考えてないんだろうなと思える。面白かった。

カラスは飼えるか

カラスは飼えるか

  • 作者:松原 始
  • 発売日: 2020/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
セックスレスの精神医学(阿部輝夫)

”セックスは脚と脚の間にあるのではなく、耳と耳の間にあるといわれている。つまり、セックスは脳で行う。”表紙にあるあらすじに引かれて手に取った本。

人間である以上避けられない問題なのに、睡眠と並んで学生時代に意識して勉強した記憶がなかった。当時も診断基準には入っていたと思うが頻出から目を通していた。少し反省した。人間診てるようで人間診てないなかったのかも。

タイトルで抵抗感もあったのだが、中身は至極真面目な医学書

男性が想像よりも繊細で驚き。海綿体もややこしいんだなぁ。内服もどこに原因があるかで、そりゃ効く効かないもあるのも納得。どこに問題があるのかによって、治療が変わってくるのも至極当たり前である。あと日本とアメリカで診断基準にも差が当然ある。繊細な話だ……。

手元のウスイホンを感慨深い目でみてしまった……エロッテスゲー

本書はそこそこ古い本なので、今はどうなんだろうなと疑問を覚えた。ちょっと真剣に情報を追ってみたい。

セックスレスの精神医学 (ちくま新書)

セックスレスの精神医学 (ちくま新書)

 
論文・レポートを読み書きするための理系基礎英語(臼井俊雄)

今年最高に挫折した本、その1

理系論文が書き読み発表出来るように、理系英語特化の基礎英語の本。

論文を読むには、薬とか遺伝子とかその手の専門用語の英訳に対応できないといけないわけなのですが……学生時代に医療英語の単位を一般教養で取って以来の英語チャレンジです。やっぱりお前とは和解できない。

理系英語は、丁寧な教科書やテキストがあまりなく結構困るのですが(一般的な英語辞書を引いても出てこない単語とかが結構ある)本書では数学や物理など、専門に分かれてよく出てくる文法構成や記号の書き方などを解説している。とても親切な仕事をしている本なのだが……英語……楽しくない……苦痛……こんなに薄い本なのに。苦痛……ってなって、そっと本を閉じた。

論文・レポートを読み書きするための理系基礎英語

論文・レポートを読み書きするための理系基礎英語

  • 作者:臼井 俊雄
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
日経サイエンスで鍛える科学英語(日経サイエンス編集部)

他にも種類が色々と出ているようだけれど、多分一番古いやつに手を出した。科学系の英語ニュースの英文と文法、専門用語の解説、和訳をまとめた本。英語の教科書としてはちょっと不親切ではあるけれど。私が英語できたらいいのになぁ……と思うのは、英語のニュースや論文が読めない瞬間なので、ニーズにはあっていた。

TVは持ってないからニュース番組とか報道番組系観ないけど、日経系列のニュースとかはスマホでたまに読む。日経メディカルとかは今でも定期的チェックしている。結構面白い。

のだが、今年最高に挫折した本、その2

英語全然わからないから、和訳しかわからない。結果古いニュース新聞をわざわざ本にした内容を読んでいるだけ、みたいな状態になって苦痛オブ苦痛だった。英語苦手だ……無理。苦痛。

さめざめとした気分で本を閉じた。切ない。

やっぱり頭の柔らかい学生のうちに英語と向き合わないとだめだったんだなぁ……。せめて選択の論文英語取っとけばマシだったのか。

でも、私の選択単位取れるだけ取ってたから上限が青天井になっていたし、3回生からは卒業まで7~8割実習になってたから。基礎必修や専門基礎落とすとその瞬間に留年が確定しちゃうんだよな。必修は1単位も落とせない状況で、選択単位に苦手で時間の掛かる単位取る勇気がなかった。実習いけないと進級も卒業もできないし。

あと、他言語が地雷みたいになっちゃっている。

最近の流れで「他言語でコミュニケーションを取れる学生を~」とか言い出して(実際日本の英語授業ってよくわからないと思う)たくさん話させようとしてる気がするんだけど。

母国語ですら碌にディベートもコミュニケーションも取れてないのに、なんで他言語でやらせようとするのか。その手の基本って言語変わっても根本は一緒じゃないの?単語暗記すれば出来るなら、日本語も国語辞書暗記すれば出来るようになるんか?暗記楽しくない。

あと人前で話したりするのは日本語でも苦痛……。

「わーいコミュニケーション取れたぞ。言葉通じた。やった~!たのしい~~!!」ってならない。「相手と通じ合えたぞ~!」がそもそも強めの幻覚だと思う。意味が分からん。人前に立たされるのも苦痛。あと発音とか笑うやつがいるのはもっといや。どんな言語でも前提条件が苦痛すぎる。たのしくない。やっぱり私はお前が嫌いだ……。

日経サイエンスで鍛える科学英語

日経サイエンスで鍛える科学英語

  • 発売日: 2011/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
洞察のススメ(船ヶ山哲)

膨大な量の情報が、秒単位で目に飛び込んでくる現代社会を生きるには、本質を見抜く力、「洞察力」を身につける必要がある。成功法則をまとめたビジネス書、らしい。

なんだ、ドラゴン桜に青春とか何か大事なもの捧げたの?って感じの本。

あとタイトル詐欺。洞察って言うより、著者が成功したと思っている偏った意見を声高らかに叫んでいる本。押しと我が強い上にガラも悪い。洞察どこ?恫喝の誤植か何か?

最後には起業家になるための音声講座なるものへの案内が貼ってある。本書内容の盛大なブーメラン且つトドメの一撃。なるほど?起業に興味あるけどコストは出したくないやつのリスト作りたいんだなぁ。リアルに漏れる「うわぁ……近寄らんどこ」

一番ひいたのはあとがき。

妻への感謝を書いている様子なのだが、これが、うん……同性として奥様に同情する。なんで看病してもらったところの記憶が飛び飛びなのに2ヵ月後に結婚するの……?専門学校辞めさせて夢を捨てさせ専業主婦を確約。子ども2人とマレーシアに連れて行ってワンマン育児強要。俺は仕事に集中できました☆じゃない。それは無口で弱虫な俺じゃなくて、奥様の人生を生贄に成功(?)召喚したクズ野郎ですって言うんだ。何の告白文だよ。私は何を読まされているんだ。

それは結婚じゃなくて、会社が用意してくれた家政婦か奴隷を手に入れたと言うんだ。

そんな飛び飛び不安定メンタルの人間が猫飼っていることにも率直にひく。これは結婚と猫飼いになったのどっちが先なのか分からんけど。文体見てると奥様紹介される前っぽい?記憶おぼろげな人間が猫飼えるの?猫も奥さまも子どもも、全部生き物なんですが……?

これを感謝として文章に書き起こした挙句、書籍になっていることがいっそ不気味。でも、精神疾患にリンパマッサージしてる奥様にも首を傾げるので(自然療法マニア感があって、とてつもない地雷感がある)需要と供給が噛み合ってしまったのかもしれない。ごりごりの共依存発動していたのかなとも思う。読んでいるときはぶーぶー言っていたが、夫がうつ病になったときの書籍、結構需要に答えた本だったのかも。

最後に一気にホラーになった。しかも私がだめなタイプのメンタルグロ系ホラー。これはビジネス書の皮を被ったホラー書籍。

洞察のススメ―「5つの真実」を知ることで、すべての仕事はうまくいく

洞察のススメ―「5つの真実」を知ることで、すべての仕事はうまくいく

  • 作者:船ヶ山 哲
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2021.04.05~04.08 読了後の本感想まとめ

急に春になった怖い

すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法(菅原洋平)

「ガマン」「努力」「無理」不要!人生を変える「行動力」の高め方。

なんだそれ魔法か?と思って手に取った本。へー面白いなと思ったのは著者が作業療法士な所。脳神経とはまた違った視点を持っている専門家だと思う。

「すぐやらない」原因は、「性格」でも「やる気」でもない。脳が「すぐやる」モードになっていないだけ。必要なのは、自分の脳を「すぐできる」ように仕向けてやること。新しい切り口の本だなと思った。

科学的な方法とはあるけれど、基本的には著者の見解や臨床経験によるところが多い。どちらかと言うと著者の考え→参考になる事例報告1件→改善結果のような流れになっている。これは、事例報告としては問題ないけれど、この数では科学的とはいえない。

いますぐやってみよう、とはあるけれどどれも事例報告なので、自分と全く同じ事例がなければそれを自分に転用するのは少し無理があるとも思った。

何かたくさん食べさせられた気がするけど、一体何が大切で、何が血肉になったんだ……?と虚無を見てしまったような顔になる。うーん、一体何から取り組めばいいんだ。

どうやら著者にはもう一冊他書があるようなので、そちらも読めば印象も変わるのだろうか。

うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと(浅井逸郎)

妻が診察室に付き添う患者さんは治りが早い!?回復が早い人と遅い人は、どこがどう違うのか7000人超を治療した医師が「病状の4段階」とそれに適した治療法・家族の対応法を明かす。順調に元気になる“完治”に至る支え方。

これ、帯じゃなくて全部表紙に書いてあるんだけども。

画面うるさっ!!あとちょいちょい突っ込みたいところもある。完治じゃなくて寛解じゃない?耳障りのいい単語並べてない?とか。実際の精神科医産業医はそんなに親身じゃないよなとか、うーんと思う部分もちょいちょいある。が、中身自体はイラストも多くわかりやすく書いてある。難しい言葉を出来るだけ使わず、使ったとしても補足。すべきこと、してはいけないことがそれぞれハッキリ記載あり。共依存で共倒れにならないようにするパートナーとしての接し方。うつ病に関わる相談公共福祉機関、うつ病のパートナーを支えながらの子育てや介護の時にはどこに相談するのか。使えそうな公的制度はどんなものがあるのかの紹介もあって、総合的には広く浅く親切な1冊。病院とかに置くパンフによさそうな感じ。

もやもやするのは、妻はそこまでするんかーい!!!パートナー表記じゃだめか!?むしろ御クリニックの患者は働く男性の方が多いのか?うつ病の男女比はあまり差がないはずだが……女性の方が相談しやすく表に出やすいのではないか。みたいな考察はみたことがあるが、その不理解をフォローしたいのか?うーん。

モヤる部分はあるのだが、身近な人がうつ病になったときの1冊としてよく出来ているなとは思った。

成果を生む人が実行している朝9時前のルール(美崎栄一郎)

会社の消耗品になる人と、会社に左右されない生き方ができる人はどこで差がついているのか?スーパーサラリーマンが実践している「セルフブランディング術」を公開。朝の時間を使いこなして、思い通りの「情報力×人脈力」をモノにする25のノウハウを伝授。

タイトルと内容が合ってない。成果を生んでいる自分(著者)の習慣を参考にするといいよ☆みたいな本。前半は、勉強会や人と合う時間は朝の就業前にやりましょう。みたいなことを書いている。中々忙しくて会えない人と朝食会はいいなと思った。ディナーよりランチよりモーニングの方がコスパはいいし。

後半は自分売り込みのための名刺の話。様々な名刺の実例が掲載されているので、オリジナルデザインの参考にはなる(ちゃんとお金出してデザインのプロに頼んではどうかとも思うが)意識高い系?に「君も一緒に頑張ろうぜ!」っていわれている気分でうわぁ…と思った。

朝活みたいな本かと思ったけれど、セルフブランディング術の本が多分正しい。成果をあげるかといわれると、ちょっと疑問が残る内容だった。

成果を生む人が実行している朝9時前のルール

成果を生む人が実行している朝9時前のルール

  • 作者:美崎 栄一郎
  • 発売日: 2010/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
あたらしい働き方(本田直之

「あたらしい働き方がどんどん出てくる今、なぜまだ昔の基準のまま会社を選ぶのか」

著者が、アメリカではパタゴニア、ザッポス、エバーノート、IDEOスタンフォード大学d.Shcool日本ではカヤック、スタートトゥデイ、チームラボ、Plan ・do・see、ワークスアプリケーションズ、などの先進企業を取材し、いままさに世界で生まれつつある「古い価値観や常識に縛られないあたらしい働き方」は何なのか、各社の取材を元にまとめたのが本書。

「ふーん、こんな会社もあるんだ」という感じ。私も、イスがないオフィス、バランスボールしかないオフィス。畳の部屋でお昼寝出来るオフィスとか色々みたことはある。しかし、結局自身には関係ない話のような気もする。大半の職場が病院だったからなんだろうか。これからはこういう働き方が日本にも浸透していくのだろうか。

知らないで職場を選ぶよりは、こんな選択肢もあるんだなと知っておくのは選択肢が広がるようにも思った。やはり私には現実味ないのだが。 

あたらしい働き方

あたらしい働き方

 
「おひとり」を不安0で生き抜く女子貯金(横山光昭)

 安心して幸せなシングルライフを送れるための「お金」の話を分かりやすく解説した本。

「マンションは買ったほうがいいのか」「貯金はいくらあったらよいのか」「保険は入ったほうがよいのか」など基本的な知識から、貯金体質になるためのコツなどなど。

出版時期自体が古いので、情報がちょっと古いのだが、全く何もわからない場合には参考になる。日本人は不思議と老後とか介護とかお金とか性とか、当たり前にあって直面するはずの事を家族や友人と話したり教育したりしないので、なかなか勉強になった。

年金運用がしんどい。少子高齢化だ。と、いうなら国は率先して性や税金、お金の知識を義務教育に盛り込むべきじゃないのだろうか。謎だ。

漠然と節約しよう!ではなく、具体的に数字が導き出せるようになっているので、数字を出されると納得感を覚えてしまう。理系論調が苦手な人はうげーーってなる。多分。節約方法自体は、過去にこの著者の他書を読んだことがある。家計簿に付いてや節約方法に付いては、他書の方が詳しく紹介していた。興味があったら著者の他書をあたるとよいと思う。

具体的な話をしているが、読みやすくサクサク読め、それで居てそこまで情報が薄いわけでもない。いいバランスの書籍。逆に、既に資産形成など勉強している人には物足りない。

「おひとり」を不安0で生き抜く女子貯金

「おひとり」を不安0で生き抜く女子貯金

  • 作者:横山 光昭
  • 発売日: 2014/11/02
  • メディア: 単行本
 
神話と伝説にみる花のシンボル事典(杉原梨江子)

第五人格の墓守が胸に花刺してるけど、あの花をどう解釈すればいいのかよくわからないなぁと思って、手に取った本。

花の名前には1つ1つに歴史があり、物語があり、言い伝えがあり、「シンボル」となるキーワードがある。本書はそうした花の「シンボル」の元となった神話や伝説をたどり、丹念に拾い集めている。約220種の花を収録。情報量がえぐい。

本書は事典なので花ごと簡潔に情報をまとめてある。花の名前はカタカタ名、和名の漢字、英語名の順で配列。重要と思われるシンボル、秘められた否定的な意味のシンボル。学名、英名、和名、名前の由来があるものは表記。花の誕生伝説。シンボルの由来を紹介。この由来は花の特徴、ギリシャ神話、世界各国の神話・伝説、歴史・文化、キリスト教、民間伝承をまとめている。また古代~中世の自然療法として人間がこの植物にどんな効能を注目してきたかも示している。うーん情報量がえぐい!

豊富な情報がまとめてある本書だが、まず花のシンボルとは何か。現在普及している花言葉とはどう違うのか。そもそも花言葉とは何なのか。を認識しておく必要はある。花言葉を調べて、書籍ごとに微妙に言葉にズレがあり書籍や事典を読んで首を捻った経験は一度ぐらいあると思う。本書には、どういった流れで花言葉が普及したのかもまとめてある。今後、花の情報を読んだとき解釈の解像度がぐーんとあがる。

尚、本書を読んで私は情緒を4発ほど殴られ勝手に情緒が死にました。なんつーものを胸に飾ってるんだ。

神話と伝説にみる花のシンボル事典

神話と伝説にみる花のシンボル事典

  • 作者:杉原 梨江子
  • 発売日: 2017/06/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2021.04 バレットジャーナル【365デイズノート2冊目】

365デイズノート。1日1ページ使えば365日。1年持つはずのノートだった。

3ヶ月目にして1冊終了のお知らせ。4月からは2冊目に移行しました。何故じゃーーー

◆表紙と占い

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これどこのパンフレットだっけ、忘れた。こういう花畑に憧れはありつつも、ハチが生涯の天敵だから近寄り難い。あと、汗かくと日焼け止めとよくわからん反応を起こすのか、凄い肌荒れする。肌荒れと言うか、発疹出て痒みで寝れなくなるタイプの荒れ方。なので、そもそも野外が好きではない

占いはいつものしいたけさん。何でもやるなが一番難しいんだよなぁ……何でも引き受けちゃうんだよ

◆4月のトラッカー

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トラッカー自体の構成は変わらず。ちょっと歩数の記録部分を増やした。創作メモはついにカレンダーになった。やっぱり使うかはわからない。

◆健康トラッカー

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この辺は変わらず。実は地味に内服薬の種類が減った。今まではすげー量の薬を飲んでいたのです。最近お昼寝しがちなので体力つけたい。

◆頭痛記録と基礎体温、体重記録

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ついにタイトルを英語にした。それ以外はあんまり変えず。体重は地味にメモリを変えている。体重増えた。体脂肪このままであと2kg増やしたい。

◆家計簿

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家計簿。いうことなし。マネーフォワードと併用。

◆ゲームメモ

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最近ゲームやらなさすぎなので「やれよ」と言う自分への無言圧。

 

◆3月お世話になったコスメ

 保湿が足りないけど、べたべたはして欲しくないけど保湿したいけど乳液では保湿がなりない。面倒くさいメンタルを適度に補ってくれた。ただでさえ乾燥しんどい季節なのに、今年は四六時中マスクしてたけど、想像より肌荒れ少なく生きることが出来た。尚、ハンドケアは習慣がないので今年もバキバキになった。来年は手をバキバキにしない冬にしたい。

アンブリオリスのクリームはそろそろ使い終わるので、夏に向けて保湿を検討し直す。

夏に使うには重い気もする。うーん。

アンブリオリス アンブリオリス クリーム N 75ml [並行輸入品]

アンブリオリス アンブリオリス クリーム N 75ml [並行輸入品]

  • 発売日: 2010/07/16
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021.03.29~04.04 読了後の本感想

1ヶ月の中で数日しか体調が万全な時がないって女性の人体バグじゃないのか。デバックしてほしい。切実に

江戸の怪異と魔界を探る(飯倉義之)

ツイッターで見かけた江戸怪異特化本。江戸に関する怪異、怪談をまとめて紹介しているのが本書。好きな人は滅茶苦茶好きなテーマではある。

実は江戸城自体が四神(玄武・朱雀・青龍・白虎)に守られていた事から、当時も平安京から受け継がれる“鬼門”の概念が大切にされていた事が紹介されている。この手の話が好きな人では聞いたことのある話だろうとは思う。そのため、目新しいと思うような情報は少ないのだが、現在の地図で位置関係を提示したり、当時の浮世絵などを紹介したりと、江戸に特化して纏まった本はあまりみないのでこれ一冊で楽しめる。新しい町、都市の印象が東京江戸は強い。しかし、実際にはそれ以前の古い歴史があり、重視されていた歴史や人々の恐れもあった。そう思うと、普段何気なく通っている地名の由来だとかを改めて知ると、日常が楽しくなる。本書を読んで東京探検に行くのも楽しいしし、本書にはそういう楽しみ方用のルートを紹介されている。

江戸の怪異と魔界を探る

江戸の怪異と魔界を探る

  • 発売日: 2020/04/13
  • メディア: Kindle
 
ふっと「不安になる」がなくなる本(鴨下一郎

タイトルで手に取った本。人生には不安があって当然だが、不安がある自分は弱いのではという強迫観念がはびこっている。「私は私」と自然に言えるような気持ちを手に入れるためのヒントをまとめたのが本書。

もうなんか駄菓子のようなチープさで、ヒントフック集と言う感じ。どこかで見たことのあるような知識がたくさんある。不安を無くす魔法の方法がないことは、ある程度この手の書籍を読み漁れば確信できてしまう。よって本書にもタイトルに答えるような魔法の方法は提示されていない。積み重ねなのだろうな。難しい話だ。ちょっとした休憩時間にさっと読むには便利。

「ふっと不安になる」がなくなる本

「ふっと不安になる」がなくなる本

  • 作者:鴨下 一郎
  • 発売日: 2010/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
漢方嫁日記 体質改善編(ふかやかよこ / 深谷朋昭)

漢方に関するエッセイコミック。薬剤師の夫からの指導のもと、漢方薬局の嫁として知識を深めながら、冷え性・風邪と気候・医食同源・うつ・生理など、自らが抱える様々な健康問題の解決法をわかりやすく解説したのが本書。

漢方、というか東洋医学が馴染みないと思っていたので、知識の足がかりに手を出した。

結果、すごくわかりやすい漢方のコミックスだった。いや、タイトルを観たときから滅茶苦茶心当たりがあったのだが、読みながら「わ、私のことだーーーーー!!!!!」となった。私のことだーーーー!!!!これ一冊でいきなり漢方のプロにはなれないので、生活の見直しと漢方に詳しい専門科に相談しないとなと思った。とりあえず私はご飯を食べよう。医食同源の内容が本書では触れられている。日本人はこの辺りをおばあちゃんの知恵みたいな感じに持っている印象がある。秋茄子は嫁に食わすなとか。「○○を食べれば健康に」と聞くと胡散臭いなーと思ってしまうのだが、季節のものをまるごと食べると栄養素がたくさん摂れるよ!には納得感を覚えてしまう。不思議。もっとそういうことを意識しながら丁寧に生きていきたいなと思った。

 どうでもいいことで悩まない技術(柿木隆介)

 イライラしたり、不安になったり、緊張したり、「悩むほどではないけれど、つい気にしてしまうこと」が生活にはあふれている。本書では、その解決方法を「脳の仕組み」から考え、どのようなアクションを取るべきか解説している。

内容は目新しい内容が少ない。どこかで見たことのあるような手法が多いが、脳の働きに則した根拠が述べているのはよい点。だが、文章が回りくどくわかり難い。結論どこ!?となる。いい暇つぶしにはなるが、よし実戦してみよう!とは思えない。それが出来れたら苦労しないんだよな~みたいな。でもでもだってくんが出勤してくる。

内容がさっぱり頭に残らないので3日で存在を忘れそう。

どうでもいいことで悩まない技術

どうでもいいことで悩まない技術

 
なぜシロクマは南極にいないのか 生物進化と大陸移動説をつなぐ(デニス・マッカーシー

生物地理学の最近の功績を踏まえ、生物分布の実態を詳しくまとめた本。

まず、生物地理学が目新しく、興味深く読むことが出来た。しかし、どこが文章の山なのが全然わからない。主張したい山場、と言うかそういうのがあると思うのだが、どの文も平坦。どの章も平坦と言う感じ。とても読み難い構成をしていると思った。

翻訳は読みやすい部類だと思うのだが、著者の文章に合わせたのか、だらだら長い。後半に進むにつれてどんどん読みにくくなる。タイトルは面白そうなのにな、残念……

本当によくわかるWord Pressの教科書(赤司達彦)

このブログ、はてなから動かしたいなぁ。一から造らないとだめなんかなぁと思って、色々調べているのだが、挫折しそう。詳しい人教えて。

始めてでも「個人サイトが作れる!」という触れ込みで選んだ本書だが、カート機能だったりショッピングサイトの作り方になった辺りで、本から距離を離して半目で読み始めた。わかんねぇ……!!ごめんねアホで……

その方が売れるのかも知れないけど「この本買えばサイト全部作れますよ!」なんて無責任なことは言わないで欲しい。図はいっぱいあるので、ざっくり見たい人はいいのかな。いや、でも説明もなぁ……という中々難しい本。

 

2021.03.25~03.28 読了後の本感想

読了後の本感想走り書き。

お金が教えてくれること マイクロ起業で自由に生きる(家入一真

 騒がしい表紙だなと思って手に取った本。誰だこの人。人の名前覚えるの苦手すぎる。

ジャスダック史上最年少で上場を果たしたIT業界の寵児、家入一真の「お金教室」。

十数億円をたった3年で使い果たしたからこそ見えてきた「お金」との付き合い方。
これは「自由に生きるため」、そして「ビジネスで自分を変えるため」の本。だそうです。私にはよくわからなかった。

成功例より失敗例の方が多いのは参考にはなる。お金によって人生の取れる選択肢が増えるというのには納得感がある。著者が言う豪遊の仕方が全くピンとこなくて、そんな時代もあったんだなぁ……と謎の感心を覚えた。

この本を読んでもお金はたまらない。しかし、表紙が派手でそこまで貧乏に対してコンプレックスを覚えるって言うのも凄い。でも、著者は悪い人ではないんだろうなと感じた。比較的文体は読みやすい。サクサク読める。へーって思う部分もあったが、今後も響くかどうかは人による。

お金が教えてくれること  ~マイクロ起業で自由に生きる~

お金が教えてくれること ~マイクロ起業で自由に生きる~

  • 作者:家入 一真
  • 発売日: 2013/02/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
母がしんどい(田房永子

珍しく漫画。何かの広告で気にはなってたけど読んだことなかったので。「親との一緒に居るのが息苦しい。でも決別するには罪悪感がある」 そんなあなたにこそ読んでもらいたい、毒親との戦いを記録したコミックエッセイ。読んで具合悪くなった。しんどっ……

ここまで凄いの居るんだなぁとも思いつつ、心当たりがある部分もありつつ。色んな意味でうわぁ……となった。小説だったら読めなかったかもしれない。

絵柄の好き嫌いはあるとは思うが、どういう環境だったのか。当時著者がどう思い葛藤していたのか。その辺りの描写がリアル。よく描けたなこれ。所謂毒親育ちって、よくDVパートナーにぶち当たるの業が深い。二人目で理解者に出会えてよかったなぁ……。

一つ理解出来なかったのは、子どもを作っているところかな。母親のサンプル例が本書のこれで母親になろうと思ったのが凄い。私は自分が母親になれる気がしていないし、この遺伝子は私の世代で断ってやると思っている。

母がしんどい【電子特典付】 (角川文庫)

母がしんどい【電子特典付】 (角川文庫)

 
動物の精神科医が教える 犬の咬みグセ解決塾(奥田順之)

数ある犬の問題行動のなかで、もっとも代表的かつ辛い思いをするもののひとつが「咬みグセ」。しつけの問題として捉えられているが、実はしつけだけでは根本的な解決にはならない。獣医行動診療科認定医が咬みグセの原因にアプローチし、解決方法のヒントを提示したのが本書。

今は一人暮らしで犬は飼っていないし、咬み癖のある犬を飼った事もない。だが、犬と猫だとやっぱり犬が好きだし、出来れば将来犬を飼いたい。今は命に責任取れないので、本だけ読んでいる。

全体的に理論メイン。生き物相手なので、これ1冊で速攻解決!にはならない。しつけ方のHow toではなく、その行動なんで?whatがメインな印象。その犬が悪いとか、飼い主が悪いとか、そういう観点ではないので、犬の行動で悩んでいる飼い主さんが読むとちょっと楽になるかもしれない。同時に愛犬に申し訳ない気持ちにもなるかもしれない。我の強い性格が多い日本犬だとか、比較的ビビりが多い小型犬とか。攻撃したくて咬んでいるわけじゃない子も多分たくさん居るんだろうな。

How to本でもないので、本書の内容を愚直に実践していくのは難しそう。でも、知らないよりは知っている方が、お互いに不幸にならなくていい。よい参考になる。

“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾

“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾

  • 作者:奥田 順之
  • 発売日: 2018/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 毒になる親(スーザン・フォワード)

悩める人生のトラウマは「親」。子ども時代に植えつけられた不安、怒り、過剰な義務感、つきまとう罪悪感が、大人になったあなたに害を与え続ける。親に奪われた人生を取り戻すための名著。

毒親」の語源になったのが本書。毒親の本は近年では増えたけれど、読んでみると内容や定義にブレがあるのではないかとは思っていた。自分の中で読む踏ん切りがついたのでそこそこ古い本だが今更手を出した。一体、どんな凄惨な内容なのかと身構えつつ手を出したのだが、いやいやそこまで酷いの日本である!?みたいな事例も結構ある。日本だともう少しマイルドだけど陰湿だよな……みたいな国民性の違い?のような、社会や文化の違い、のようなものもあるとは感じた。

毒親は医学用語でも心理学用語でもない。よって、厳密な定義もない。そういう意味ではHSPだとか、ブルベだとかイエベだとかにニュアンスが似ている気がする。人間は、よくわからないけれどそこにある「困った」に名前をつけるのが好きなのかもしれない。でも、名前が付けば目に見えない何かから、実在する問題や困難に格上げされて、存在感を増したり掴みやすくなるのかなと思う。そういう意味では言霊って考え方は凄いし、名前をつけた著者に感心もする。

本書では親との対決についても書いているが、私は状況によると思う。日本は親が絶対権限を強く持っていて、子どもは親の所有物。子どもの人権は諸外国より軽視されがち。子供って書くぐらいですしね。祖父母の世代からの呪いでもあると思う。変えるには、自身も親も祖父母も親戚も、周囲の社会丸ごと意識を変えないといけない。他人を変えるというのはとても難しいことで無謀。そういった意味では、行動にかかるストレスと成果が見合いません。本書を読んでも現実を知り、辛くなるだけかもしれない。

あとは、日本にはきちんと尻を支えてくれるカウンセラーは少ない現状があります。カウンセラーの保有資格も質も千差万別ですし、人間同士だからこそ相性や費用面の負担もある。心療内科は内科メインで精神や心理に強くなかったり、薬を出すだけのところも少なくない。

まずは、本書を読んで自分の状況を客観的に認識するなり、親へのもやもやした何かを言語化してみたり、ちゃんと形にする。でも、形にして名前をつけるだけで終わっても憂いは晴れない。そもそも、人によってゴールも色々。名前をつけて適度に距離取り「これは私にとっては呪いだったんだ」と認識することがゴールになる人もいれば、絶縁して心の奥底に埋葬することがゴールになる人もいるのだろうな。けれど、本書にある通り、許す必要はないし、欲しいのは親からの上辺の謝罪でもない。ゴールがそれぞれ異なり、絶対解はないので自分で探すしかない。本書に興味を持つ人は、どこかで本書に書いてあるようなことはわかっているのではないか。

他人は自分の思うままに変えられない。向き合うのは辛く、本書の説明にあるような現実の希望にはならない。難しいことは考えたくない。傷と向き合いたくない。兎に角わかりやすい答えが欲しい。そういう人には本書は苦しいだけなのだろうなと思う。

毒になる親

毒になる親

 
タイムマシンがみるみるわかる本(佐藤勝彦

大真面目に科学的な観点から「タイムマシン」について考えているのが本書。相対性理論をはじめ、ワームホール、宇宙ひも、ブレーン宇宙モデルといったキーワードを駆使して過去や未来について思索している。
さくっとSFやタイムトラベルを齧りたい人向け。物理を専門的に勉強している人にはさっぱり物足りない絵本。創作のネタに使いたいけれど、物理は専門外でどこから手をつけたらいいのかわからない。とりあえず簡潔に総論だけ押えたい。そんな横着な人向けの本。

タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]

タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]

  • 作者:佐藤 勝彦
  • 発売日: 2008/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2021.03.21~03.24 読了後の本感想走り書き

だらだらとベッドサイドで読んでいた本の記録。偏頭痛で寝込んでいる時は紙に限る。

生命の起源はどこまでわかったか 深海と宇宙から迫る(高井研)

地球生命はいつどこでどのように生まれたか。その解決の鍵を握るとされるのが深海と宇宙。原始生命の必須条件に挑む研究報告をまとめたのか本書。

フルカラーでビックリした。道理で厚さの割にやけに重いなと思った。

熱意が詰まっている。この世界面白いよ!好きになって!!ってにじり寄って来る感じの本。深海に生命起源があると考え、実際に深海にコロニーを発見した話など、読んでいて面白い話が盛り込まれている。深海と宇宙が繋がるの面白いな。

しかし、生命科学、海洋科学、惑星科学と壮大な分野ばかりで段々話に付いていけなくなる。あと、凄く予算かかりそうな分野ばかりで研究大変だろうなぁ……としんみりした。タイトル内容の解明にはまだ迫れていない。ちゃんと進んではいる。

生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る

生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る

  • 発売日: 2018/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
日本の若者はなぜ希望を持てないのか 日本と主要6ヶ月の国際比較(鈴木賢志)

2013 年に日本、アメリカ、イギリス、スウェーデン、フランス、ドイツ、韓国で実施された若者の意識調査。そこから、日本の若者の希望度が突出して低いことがわかった。なぜ日本の若者が未来に希望を持てないのか。さまざまな角度から各国との比較をし、その原因を考察したのが本書。

タイトルが厳つくて「また根性論かなぁ」と思って読み始めたら、データに基づくしっかりした論文だった。

希望とは何か?から始まるのが好印象。希望感と幸福感は似て非なる感情だと思うので、まずここを論ずるのはよい視点だと思った。

本書では2013年の結果に基づき論じているのだが、「日本の中年」や「日本の高齢者」といった若者以外の他の年齢帯との比較が行われていない。これが本当に「日本の若者」特有の傾向なのか、それとも日本国民全体の気質と関連性が強いことなのかわからない。また、あくまでその時のデータによる各国との比較と検証なので、その後の経年比較データが出てくると、違った考察になるのだろうと思う。

疫病と世界史 上(ウィリアム・H・マクニール)

アステカ帝国を一夜にして消滅させた天然痘など、突発的な疫病の流行は歴史の流れを急変させ、文明の興亡に重大な影響を与えてきた。紀元前500年から紀元1200年まで、人類の歴史を大きく動かした感染症の流行を見る名著。

世界史オーラが凄い強い。私これ苦手だーーーーーー。どうしよう。下読むか悩む。

何故かわからないけど、これ読むの凄く苦痛。なんで。

古典だからか?

翻訳の問題だろうか。著者の原文悪文だった可能性はある。翻訳事態も読みにくいのかもしれない。兎に角読んでいて苦痛。

著者は歴史学が専門で疫病のことに関して、現在ほどの深堀りがなされていない。疫病に付いては比較的新しい類書で補う必要があると思う。本書の内容は1985年に出版されたものだが、今読んでも納得できる部分もありつつ、でもやっぱり読みにくくて宇宙猫顔になる。ただ、世界史に感染症の軸を持ち込んでまとめた本で、その先駈けでもあり名著ではある。

下読むか悩む……読まないかなぁ……耐えられるかな……耐えられないかな……。

教育課程で刷り込まれた歴史への苦手意識が消えないと読めない気がしている。

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)
 

 

マイクロ5リフィル購入と2021.03.20 読了後の感想走り書き

購入品紹介

マイクロ5のシステム手帳は手のひらサイズで大変よきなんだけど……。リフィル売っているところが少ないのが難点よな。しかも、今まで池袋の東急ハンズに観に行ってたんだけど、閉店しちゃうみたいだし。大きなロフトやハンズの店舗を押えておかないと。マイクロ5のデメリットの一つが圧倒的扱い店舗の少なさ。マジで売ってない。各社のサイトで直接購入するのが手堅いのだろうか。通販ありがたい

今回は実店舗に行きたくなさ過ぎて、直接販売会社のサイトでやり取りしました。通販に生かされている人間です。本当にありがとうございます(今スーパーも行きたくない)欲しい商品を探して動き回る方が手間だと取るか、直接やり取りなんて手間だと取るのか。ポイントが勿体無いと取るのか。その辺は個人の肌感覚なんでしょうかね。リアル店舗を構える意義とか問われそうです。

今回の購入品はこちらの4点。アシュフォードのシステム手帳リフィルです。

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・メモリーフ ライト ドット

・シールドホルダー

・ダブルカードホルダー

・トラッド猫耳リフィル(ラスタ)

サイズはいずれもマイクロ5です。A6より小さいサイズの現在あるシステム手帳の中で、恐らく最小のサイズ。マンスリーとメモ帳として使ってます。

「ノートリフィル」

メモは書き捨てているので、無地でもいいのかなぁと思いつつ。今回はドットに落ち着きました。無地だとメモ時はいいのですが、文字をしっかり書くときに不便に感じました。世の中には「線やドットが邪魔だ!」と言う人もいるだろうから、私の趣味です。私は「文章が斜めなんだけど?骨格か人格歪んでんのか?」となる人です。

紙は上質でぬらぬらとまでは行かずとも、つるつるの紙です。万年筆のインクでも抜けませんが、裏からの透けが気に、なる、かなぁ……なる人はいるのかも?前述通り、私は原則書き捨てるので気になりません。あと金具に手が当たるので、使うのは右面のみだしね。

「シールドホルダー」

所謂ジップチャックリフィルです。切手とか絆創膏とか入れておけるやつ。アシュフォードは、この商品以外にクリアファイルもあります。手前のファイルに切り込み加工がしてあり、バインダー金具を開かなくても大きく開いて中身の取り出しが出来ます。

なので、ジップチャックリフィルを選択するかは、何を収納したいのか、システム手帳の空き容量はどのぐらいなのか?にもよります。クリアファイルよりはどうしても嵩張ります。

私はいつも持ち歩いているお守りを入れたくて購入しました。カバン変えるたびに取り外すの手間だったんですよね。手帳はパンパンになりました。小さい手帳とは?既に私お財布よりでかいんだよな。

「ダブルカードホルダー」

言うことないカードホルダーです。たくさんのカードを持ち歩くものではないです。裏表に縦の差込口がありますが入れても2枚でしょう。2枚入れてもちょっとミチミチになりそうです。私は、交通ICカードを入れたくて買いました。

交通ICカードスマホにまとめたら、ここにクレカだけ入れ手帳だけで外出なんかも夢ではない?でも、今のシステム手帳の流行りは多機能よりライフログなように思うので、うーんどうなんだろう。

これで機械がICカードを読み取ってくれなかったら、ちょっと凹みます。

「トラッド猫耳リフィル(ラスタ)」

今回の大本命。言ってしまえば嵩張るインデックスです。上3点は別に急ぎじゃないかなと思っていたのですが、この商品は見つけたときに「今買わないと一生出会えない!!」と思って、速攻カゴにぶち込みました。

これ、可愛らしい商品なんです。ちょっと硬いプラスチックインデックスに、革製の猫耳が生えている商品です!手帳に綴じるとこんな感じ。

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かわいい!

色は4色展開でこれはラスタ。茶猫です。私の手帳本体が青緑なので、カーキーの方がいいのか?とも考えたのですが、今回再入荷されたのがラスタのみだったし。これはこれで可愛いしいいや~となりました。

余談ですが、同様に上からうさ耳が生えるインデックスもあります。

マイクロ5で生やすにはうさ耳は邪魔だな……可愛いけど……

結構人気商品みたいなので、欲しい人は見かけたら躊躇わずにカゴにぶち込みましょう。特に猫耳の方が品薄。

と、言うのも、この商品、注意として書いてある通りハンドメイド商品なんですね。故に生産数も限られているようです。猫耳部分はシステム手帳などにも使われている革製です。革製品は革の確保量によっては、限定商品になってしまう傾向が多いです。そのまま幻の商品となる事もしばしば……。システム手帳界隈は、人気の手帳が品薄で中々手に入らない……!なんて事も少なくありません。世の中にはずらっと革手帳をコレクションしている人や複数使いしている人も居るので、恐らく今後も一定の支持があるんでしょうね。いやぁ、今回出会えてよかった。

ハンドメイドなので、若干穴がズレているのか動きが少し引っ掛かります。ですが、こんないい革を用意して且つ異種組み合わせでの縫いつけ。しかも、コバは焼き締め?線引きだけ?どっちにしても私には、設備的にも技量的にも出来ない。許容範囲です。何より可愛いし。大変満足のいく買い物でした。

マイクロ5は小さくシンプルな手帳のはずなのに、どんどん肥えてますw どうして……

 

今日の読書

ねじ子が精神疾患に出会ったときに考えていることをまとめてみた(森皆ねじ子)

前回、「ぐっとくる脳と神経のみかた」を読みましたが、精神領域に付いてまとめたのが本書。前回と同様9割が著者の手書きです。手書き無地ノートにまとめたようなまとめ方なので、読みやすさは個人によって感じ方に差があります。

ぱっと見て「あ、ここ大事なんだな」と言うのがわかりやすいし、単語の説明だけでは終わらず、臨床ではどんな様子や主訴として遭遇することが多いのか?など図解されています。なので教科書としては相当わかりやすい部類だと思うのですが、書籍としては読みにくいかもしれません。イメージはクラスの友人に借りたノート。

本書ははじめにも書いてある通り、医者が頭の中でどう考え病気を診断しているのか。手技ではなく、思考、脳の技を紹介しています。更に、対象前提は「何も知らない研修医が1人で当直、1人で外来をさせられた時に何とか対応できる程度」、「1年目ナースが外来や当直で不測の事態にも、なんとか対応出来る程度」を目指しています。通常の職場であれば、そんな恐ろしい事態今すぐ捨てて逃げろと思いますが(何かあれば有資格者が責められるので、勤め先より自身が被る不利益の方が大きい)でも、困ったことに往々としてあり、逃げるに逃げられない状況はあるんだよなぁ……。

この時点で医学の基本知識はある前提です。一般向け書籍ではありません。全くの知識無しの状態で、これ一冊で精神領域をフォローできません。読んで家族を理解する切り口の一つにはなるかもしれませんが、それでもやっぱり本書だけで知識を完結させるのはよくないです。その点は著者は重ね重ね注意しています。診断は医師の仕事です。自身の立ち位置と仕事を誤認してはいけません。

あと、研修医は上司、ナースはリーダーなど上の人に従いましょう。本書にもある通り、臨床は厳しい師弟関係の昭和型ド体育会系縦型社会です。メリットデメリットもありますが、そういう世界なので割り切って粛々と従いましょうね。出た杭は滅多打ちにされますし病みます。

この前提でも精神科内容だけで300ページになります。頭に何冊叩き込めばいいのやら……。

本書は兎に角、そういった場で経験が浅い人でも絶対に帰してはいけない患者の知識からフォローしています。ここを逃すと、次は遺体で対面する可能性が考慮が出来るものからです。お互いにとってこんな不幸なことはありません。

精神分野は脳神経などと同様に、年単位で大きく知識が変化している領域です。当然よくわかっていない事も多い。精神領域って、表紙のデザインのような蛍光色で捉えのない渦、所々色が変わったり穴抜けになったり歪んだり。そんな感じの領域だと思います。いい表紙絵です。きっちり分けられればいいのでしょうが、そういう風に切り取れない領域だし、時代や世界が変われば色も形も変わる領域です。

自戒としても肝に留め置きたいのは、本書のあとがきにもある通り本書でわかった気にならないこと。矛盾しているように思うかもしれませんが、前述したような領域です。本書一冊で到底理解出来ません。たくさん診て、たくさん読むのが有効なのでしょう。変態の学問だなぁ、もう……。

もっと詳しく精神をやりたい場合は専門書を買って刃を磨いていきましょう。

私が学生の頃は「精神なんて看護師の墓場」「精神領域に就職させるために進学させたわけじゃないと親族と揉めた」だとか。色々と聞きました(もしかすると、これは未だにあるかもしれない……)今は様々な科と関わりのある領域ですし、私が学生の頃より理解や需要も高まっていると思います。需要や緊急性だけではなく、変態の学問だからこそ、本書を入口に自分が興味を持ったことはもりもり吸収したいですね。本書はその入口部分として十分であると感じました。

 

 

 

2021.03.12~03.19 読了後の本感想

低気圧と偏頭痛。

自律神経に媚びないスタイルの世界。可愛いけど憎らしいね。まだ令和3歳だから許す。

アタマがみるみるシャープになる!!脳の強化書(加藤俊徳)

日常の習慣をほんの少し見直すことで出来る66通りの新しい脳の鍛え方を紹介した本。著者は1万人以上の脳画像を分析してきた医師。経歴が凄いのだが会社を立ち上げたり、著書も何冊か出している。結構昔に書店で見かけたが、なんだかんだ読んでいなかったなと思って手を出した。

本書では脳を働きを8つの脳番地に分け、それぞれの具体的なトレーニング方法が紹介されている。脳科学は難しい内容なので、一般向けを意識しているのか全体的にエビデンスは薄めな印象。1内容見開き1ページで紹介されていてサクサク読める。言ってしまえば内容が薄いとも言う。サクサク読めるので、ちょっとした空き時間に休憩として読むにはいい。2章以降はトレーニング内容の紹介のみなので、1章で紹介している脳の鍛え方の理屈部分のみつまみ食いするのもあり。トレーニング内容は普段自己啓発本脳科学本を読んでいると目新しい内容はない。ただ知っていてもやってる人は少ないので、この機会にやってみるといいのではないかと思った。

個人的には日記をオススメする。が、それで自身の頭を鍛えているのかと言うと自覚はない。私は自分の心理面へのプラスのために書いている。自己肯定感ド底辺なので「わーい今日も生きててえらーい」とか「お空が綺麗だな~」ぐらいのことを書くことからはじめる。後で読むと未来の自分が和むよ。

図説 化石の文化史 神話、装身具、護符、そして薬まで(ケン・マクナマラ

科学がなかった時代に、人類が化石をどう捉え、神話や儀式に組み込まれたのか。化石の歴史と神話をまとめた本。

原題は「Dragons' Teeth and Thunderstones : the Quest for the Meaning of Fossils」訳すと「龍の歯と雷石:化石の意味の探求」これをどうして「化石の文化史」などというチープなタイトルに直して出版したのか。わかりやすさか?わかりやすさなんか??日本人邦訳にわかりやすさを要求しすぎではないか。

訳自体は読みやすく、堅実で過不足ない。しかも、原著の出版が2020年10月で、本書は2021年1月出版。翻訳のスピード感がえぐい。翻訳者の狂気に近い熱意を感じる。だからこそ、タイトルにおしさのようなものを感じた。うーん、ダサい……!!!何とかならんのか、このダサさ!!!原題も中二病臭いタイトルだと言われるとその通りだと思うし、特にあとがき。中学生の黒歴史ノートを覗き見てしまったような一種の恥ずかしさも覚える。だが、内容としては面白いし、化石が空想の生物達が石に変わったものだといわれたり、化石が神話や伝承に組み込まれてきた歴史がわかる。すると、原題に納得する部分もあるのだ。それをなぜ、文化史にまとめてしまった……概ね合ってるけど……。

図説、とあるので当時のスケッチなどいくつか絵はある。しかし、本書には化石に付いて科学的な解説や価値の解説はない。図説かと問われると首を傾げざるを得ない部分もある。文しかないかといわれるとそうでもないので、図説、なのだろう。図説と言われると、もっと解説が欲しい気もするが、それは本書の趣旨ではないのだと思う。恐らく「図説」は本書出版時に足されたタイトルなので、それを本文中に求めるのはおかしいのだろう。センスが来い。

動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話 生き物たちの終末と進化の科学(ジュールズ・ハワード)

生き物は何故、死なないように進化できないのか?

生き物に共通して訪れる「死」を見つめ、大きな連鎖の中からその死が果たす役割について考えていくエッセイ本。中表紙(?)遊び紙(?)がレースのような透け紙で、面白いし、こういう遊び紙を入れている本最近あまり見ないので楽しい。ここで「わーちょっと可愛い!」と和むのだが、本体は難解な鈍器。

本書のテーマを扱うにあたって、著者はまず冒頭で”デス・サロン”なるものに出向く。胡散臭いこの上ないのだが、中身は様々な死に付いてひたすら向き合う集いだ。もうこの時点で面白い。なんだそれ面白いな。

原題は「Death on Earth : Adventures in Evolution and Mortality」訳すと「地球上の死について。進化と死すべき運命の冒険談」だろうか。あんまり訳に自信がない。本書も邦題がダサいな……と思って読み始めたのだが、これがまた本当に死ぬ気で死と向き合っている。読み進めると「あれ?これで合ってる気がする」などと思い始めてしまう。ちょっと悔しい。だが、全体的に邦訳自体は残念ではある。元々難解なテーマをより読み解き難い訳をしていて、読み難さの加速が止まらない。読み辛い部類の本だ。

本書には、何故生物は個体の寿命を伸ばすように進化しないのか?この部分への明確な解の提示はない。強いて言うと、本書では”死とは、さらなる生命が誕生する通過点だ。新しい種は、死があってこそ生まれる。現存する種は、死によって支えられている。絶滅した種は、その死によって記憶に刻まれる”とある。死を通過点と捉えるのは面白いなと思う。日本だと宗教観的に肌に合わないかもしれない。それでも死を研究している学者たちも、紙の上で死を理解出来たとしても受け入れがたいと感じるそうだ。人間は多くは死を理解出来ていないし、本能的に死が怖い。

本書のエピローグには、著者とある若者とのやり取りがエピソードとして紹介されている。若者は著者の講義を聴き”だからってどうなんです?”と尋ねる。生命に何の意味があるのか?何故死ぬのか?と問う。その時の著者は上手く答えられなかった。だが、本書を書くにつれて当時とは異なる返答が出てきたそうだ。”「きみは、この惑星のうえで最高の特権を持っているヒトの一員なんだよ。だって、ほかの生き物と違って、生命の意味を見つけようとしているんだから」自分なりの意味を見つけることが出来る。自分の人生を意味あるものに出来る。自分の死も少しよいものに捉えられるのではないか?”

私は、ヒトが優れているとも、地球で最高の特権を持っているとも、動物の中でも上位の存在だとする捉え方も嫌いだ。聖書では当たり前に出てくる肌感覚だとも認識している。だが、ヒトは集団だからこそ強いのであって、単体ではポンコツだ。動物の中でヒトが優れていると認識しているのは、壮大な勘違いだと思っている。しかし、何故生きているのか。何故死ぬのか。これを考える自由と理由は、恐怖の感情を持つヒトの特権だとも思っている。

本書は全体を通して、読み解くのが大変な鈍器だ。且つ答えもわかりやすく提示されていない。しかし、何故生き物は死なないように進化できないのだろう?と思いを巡らせたい人には興味深い本だと思う。

リベラルの敵はリベラルにあり(倉持麟太郎)

「我々が政治に無関心でも、政治は我々に無関心ではない」

政治は貪欲で常に我々を「調達」しようとしている。このことに自覚的になり、政治を乗りこなそう。その時の羅針盤として機能すべき、現在風前の灯である”リベラル”な価値観を再生するための企てが本書である。

表紙にはこう、本書が紹介されている。うーん、その通りだと思うが、些か厳つい。

さらには帯に”石破茂氏 推薦!「健全な民主主義のための努力が、ここにある」宇野常寛氏 推薦!「この書名にイラッと来るのなら、民主主義を諦めたほうがいい」”とまである。率直に言って、引く。よく読んだな私。なんで読んだのだろう。過去の私がリストに放り込んでいたので、そこにあったから読んだのだが。なんで放り込んであったのか、今となっては疑問だ。

こわ……日本語話してくれるかな……表紙から和やかに喧嘩腰だ。

原題と大きくかけ離れ、わかりやすさだけを優先した表紙も耐え難いが、これはこれで厳つくてしんどい。そんなに構えられると全く読む気が起きない。しかも新書とは思えない分厚さで、タイトルがリベラルなのにアイデンティティから話が始まる。スタートラインが遠すぎる。物理的にも内容的にもハードだ。

勿論、要所要所でなるほどと感じる指摘もある。また、著者は左派の中ではかなり話の通じる人だとも思う。とはいえ、選挙を軽視してるように読める記述が散見された点は気になる。私は日本の政治や選挙は比較的よく出来ていると評価している。ただし「よく出来ている」と「改善すべき点がある」は論点が別だと思っているだけだ。

私は所謂支持政党がない若者に分類されるのだと思う。政治に興味がないわけではないが、支持もしていない。投票先は消去法。ただ、ある権利をどぶに捨てるのはしゃらくさいので選挙には成人してから欠かさず行っている。投票所は山下りないとなかったが、なんだかんだ言ってちゃんと行っていた。出さなければそこにいないのと同義だ。権利はあるので最低限「私はここにいるぞ!お前らのこと見てるからな!」と叫ぶぐらいはしている。その程度の距離感だ。

本書を読んでの全体的な感想は、よくわからんである。リベラルは何か。著者の中での混乱もあるし、解釈も偏っていると感じた。だが同時に、著者の主張は左派の中ではかなりまともな方だとも思う。建設的で議論をしようと最低限している著者の姿勢は評価出来るし、大切なことだ。

ただ、何が伝えたいのかさっぱりわからん!

何が言いたいのか要点を整理して、中立な視点を持っている人間に推敲してもらってくれ!

リベラルの敵はリベラルにあり (ちくま新書)

リベラルの敵はリベラルにあり (ちくま新書)

 

 

 

2021.03.06~03.07 読了後の本感想

んぐー……暖かくなったり、寒くなったり、気圧が上がったり下がったり……!!!しんどい

人生から「逃げる」コマンドを封印している人へ(やしろあずき)

セフィロスか三角コーンで知っている人もいるかも?一応本職はブロガーらしい著者。三角コーン業者じゃなかったのか……

面白いタイトルだなと思っていて、気になっていたので読んで見ました。

マンガ6:文章4で、文字自体も児童向けかってぐらい大きいし、行間も恐ろしく開いているので、多分これ小学生高学年ぐらいだったら読めると思う。大人が読むと文字数が少ないと思うかも?自己啓発本においては、スカスカの本は賛否分かれるのかな。考え方としては言いたいことはわかるし、全く持ってそれなと思う。どちらかと言うと若い人が共感しやすい考え方なのかなと思う。年齢高めの、言っちゃえば終身雇用の社会を盲信している人には「はぁ??」となるかもしれない。こういう考え方もあるんだなと知る意味でも読んでみて欲しい。

文体としてはほぼマンガブログなので、滅茶苦茶読みやすい。

うつ病でガチめに追い込まれているときは、長い文章が読めなかったりするので(私はヒヤリングがクソになる。ABCが認識できなくなった)追い込まれている人でも読める。人生には本当は選択肢がたくさんあり、死ななきゃなんでも選択できる。どこからでも挑戦できるし、自分がのびのび生きやすい環境を探していいんだなと思えた。

いい意味で自分を飾っていない著者なので、等身大のモデルケースを見ている気分。しかし、出てくるエピソード自体はぶっとんでいるし、三角コーンで笑ってしまう。なんなんだろうね、わかってるのに笑ってしまう。気軽に読める自己啓発マンガ

クリエイターの為の宝石事典(飯田孝一)

ツイッターで見かけたので手に取ってみた。想像より高くて薄いが、フルカラーだし……?書籍の価格設定よくわからん。同人誌だったら「安い……!!安すぎるだろ、お前……!!」と叫んでいた。多分。

天然石のもつ伝説や歴史、命名の由来などを解説した本。宝石名は和名表記で英名と中国名も載っている新設設計。結晶系ごと、色別の索引もある。著者の本から、歴史や伝説に関わる部分を取り上げて収録した書籍のようなので、そちらを持っていればいいといわれたらそうなのか……?とは思う。

ただ、オタクこういうネタを軽率に創作に盛り込むの大好きだから。うんしかたないね。あと花言葉も好きだろ……?私も好きだ。

伝説関係の逸話などをまとめてあるので、TRPGアーティファクトのネタになりそう。薄いのですぐ読み終わる。さくさくパンダ

クリエイターの為の宝石事典 (亥辰舎BOOK)

クリエイターの為の宝石事典 (亥辰舎BOOK)

  • 作者:飯田 孝一
  • 発売日: 2020/08/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
病気の社会史 文明に探る病因(立川昭二

古代ギリシアの疾病、ハンセン病、ペスト、梅毒、結核、ガン。病気の歴史をたどる本。病気が文明と歴史にいかなる影響を与えたのかを考察する。

最近の世情や鬼滅の鬼に出てくる上弦の鬼たちを思い出して手を出した。歴史から過去の流行疾患を考える病理のことを古病理学と呼ぶそうだ。私ははじめて知った。人類と病気との闘いは古代ギリシアから始まる。近代の画像診断などの検査で、現在発見されている病気の多くは古代から存在していたことがわかる。著者は冒頭に”病気とは何か?”と考察する。”病気が社会のものであり、文化のものである以上、社会に文明に歴史があると同じように、病気にも歴史がある。”とし、著者は病気が文明がつくると考察した。病気は病原菌を伝播・繁殖させる条件があって、始めて病気になる。

7~9章には日本における病気の歴史にも触れている。当時の無知もあるが、今見れば差別や残虐な行動も数多くある。しかし、同時に現代の世情を見て通ずるものがあるのも興味深い。また、多くの感染症は貧困→疾病→貧困の悪循環が現れ、とりわけコレラは貧困病とも言われている。貧困に伴う公衆衛生上の悪環境は疾患を蔓延させると歴史上にもハッキリしているのだ。公衆衛生のためには貧困層への対応が効果的といえる。また、明治33年には「精神病者監護法」という精神病者の取締りが立法化した。精神疾患は現代でも患者が多く見られ医療問題の一つでもある。ヨーロッパの「罪の文化」に対し、日本は「恥の文化」であるという。この感覚は現代でも通ずるものがあり、この文化の肌感覚の差はどこから生まれたのだろうと疑問を覚えた。

本書を読んでいて面白いと思ったのは、コレラ流行時昭和46年の毎日新聞で「コレラ渦」と見出しを出していることだ。すごい、令和になってもネーミングセンスが昭和から進歩してない……完成された言葉と感動すべきなのか。私は○○渦と言う表現はあまり好ましくないと思っているので面白半分の複雑な気分になった。

本書の不満としてしては、本書は2007年出版で著者も1927年生まれなところだ。とてもよく出来ているし本書は名著だと思うが、著者は亡くなっており且つ情報のアップデートがされていない部分だけがマイナスにも思う。病気と歴史を学ぶなら、本書だけではなく他書を併せて読みたい。

病気の社会史―文明に探る病因 (岩波現代文庫)

病気の社会史―文明に探る病因 (岩波現代文庫)

  • 作者:立川 昭二
  • 発売日: 2007/04/17
  • メディア: 文庫