2020.11.2 読了後の本感想【心理学系多め】
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教育ママさんみたいだけど、全く関係ないオタクの本棚。
読了後の本感想走り書き。
- 10代のための疲れたことをがラクになる本 「敏感すぎる」「傷つきやすい」自分を好きになる方法(長沼睦雄)
- 「心がボロボロ」がスーッとラクになる本(水島広子)
- 「かわいい」のちから 実験で探るその心理(伊戸野宏)
10代のための疲れたことをがラクになる本 「敏感すぎる」「傷つきやすい」自分を好きになる方法(長沼睦雄)
いや、すいません。私10代じゃないです。すいません。
表紙のイラストが可愛くてつい。イラストレーターさんだれだろ?
10代向けを想定しているのか、漢字に全部ふりがな振ってある。漢字がダメでも読めるのかな?大人が見ると書面がすごくうるさい。ギッシリ詰まってる感がある。
表紙は可愛いけど、中身は結構文字が多いと感じるんだろうか。どうなんだろう。
フォント大きいしそうでもないと思うんだけど、文章がダメな子はだめなんだろうな。
精神科医のDrが書いているので、内容としては精神医学の知識面からしっかり説明してある。内容も尖ったものではなく、かなり読みやすい内容。
章の始めには関連した漫画が載っているが、それ以外は基本文字。
内容は噛み砕いてあってもちゃんと専門的なので、表紙と漫画でわーいと思って食いつくと拒否感あるかも?私の感覚信用できないんだよな。
思春期に多い精神に関する病気の紹介やストレスに付いての説明もある。その中でも、これは10代関わらず大人もだよなと思ったのは「心身相関」についての項目。
心と身体は繋がっている。難しいのは本人にその意識がない点。また、その異常を上手く言葉で表現できない点。
20代30代になってもなんでも「ずるい」「むかつく」といった言葉で済ませてしまう人はいる。でも、心と身体は繋がっているから、自信の不調を説明するには意識的に語彙を増やしていく必要がある。難しい。私はなんでも「すごい」で済ませてしまうところもあるので、語彙が増えない。これは私にとっても課題だと思う。
何が辛いのか。何に腹を立てているのか。それを言語化できないと上手く回避できない。
本書では、最近話題のHSPに付いても触れている。流行りだね。これは心理学用語ではだけど、生き難い人への参考になるかなと。子どもの場合はHSCと呼びます。
知識を深く掘り下げる、と言うよりは広く浅く触れている印象を持ちました。
言語化と似た話ですが、10代の悩みを理解出来ないと大人側も対策ができない。そういった意味でも10代向けの本書ではあるんですが、大人も知っておいて損はない。
大人の場合は本書で問題にあたりをつけて、もっと専門的な本で知識を掘り下げるとよいのかなと思います。入門編としてよく出来ている本だと感じました。
「心がボロボロ」がスーッとラクになる本(水島広子)
はじめにつっこませて欲しい。
タイトルは「ボロボロな心」がスーッとラクになる本じゃだめなのか。もう最初手にとってからそこが気になって仕方ない。
この本の主張ははじめに全部書いてある。
心がボロボロになったときは、生き方を変えるとき。
もうこれだよ結論。本書内ではどうやって変えていくのか。どうやって受け止めるのかを話している。また、何処がポイントなのか区切ってまとめて書き出してあるので、How to本としてかなり読みやすい部類?
実際の事例を紹介し、そんなときどう考えたらいいのか?といった実際の例も幾つかかいてある。結構リアルな事例が多く(就職が上手くいかないとか、リストラされてから再就職が決まらないとか、早期退職したいとか。書いてて胃が痛い事例ばっかり)精神医学の専門書というよりは、自分の心の受け止め方を書いている本。一般向け書籍の趣が強い。治療と言うより、癒し?セラピー?といった感じだなと読み進めていた。
おわりにの部分で、本書に付いてがんばり過ぎないようにとか、心のボロボロ度が改善しない場合には自身の努力じゃなくて、本書が足りないと思って欲しいとの補足も付いていて、うーん親切設計だと思った。本書の内容はずぱずぱ本質を書いているので、直接的で冷たく感じる人も居ると思う。
「かわいい」のちから 実験で探るその心理(伊戸野宏)
表紙可愛いけど、がっちがちの論文だよこれ……。
何かとすぐ「かわいい!」と言いがちな私だが、かわいいって一体なんだろう?と思って、手を出した本。実験心理学の側面からかわいいを分析している。
ベビースキーマは結構有名な話だと思うのだが、実際の赤ちゃんが全部可愛いわけではない。と言う話。そうだよなぁと思った(人間の新生児も可愛くない。1歳ぐらいになると可愛いと思う。この辺りの感じ方の話も論じてある)
「かわいい」との言葉は自分は嫌いではない、拒絶していないという表現になる。若者が「かわいい」を多用するのは、語彙不足の外、誰とも仲良く、傷つけたくない意図が含まれているように感じる。とあり、なるほど?と思った。
嫌われる勇気などが売れた背景も「他者に嫌われたくないと思っている日本人」がたくさんいたからだと思うので、使う層は若者だけではなく広く居るんだろうなとも思った。
表紙もテーマもふわふわしているのに、中身は真面目な社会心理学。講義などで教本としても使えそうなしっかり中身の詰まった本だった。面白かった。