紙めくりて

本と文具好きのオタクがクリア冬のコスメで右往左往するブログ

2021.1.13~1.16 読了後の本感想

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読了後の本感想まとめ。作者読み。メンタルヘルス多め

寛容力のコツ ささいなことで怒らない、ちょっとしたことで傷つかない(下園壮太

ささいなことで怒らない、ちょっとしたことで傷つかないための「寛容力の高め方」を解説する本。

「怒ることは悪いこと」と考え、怒った自分を責める。そんな事もあるのだが、本書ではそれは本当に「自身が未熟だから怒ったのか?疲れのせいではないのか?」と一端距離を置いて振り返ることを推奨している。アンガーマネジメントでも言われることだが、怒りは瞬発力はあるが持続力がない。なので、怒りを覚えたらまず深呼吸。出来るなら一端原因から物理的に離れるとよいといわれている。

では、何故人の怒りに瞬発力があるのか。人の感情は原始人のとき、どんな利点があったのだろうか。著者は現代の生活と原始人の身体が齟齬を起こしているからだと分析している。これは著者のどの本でも一貫している考えで、一定の納得度がある。人間のOSアップデートはまだですか……?相変わらず分析が上手いし、カウンセリング時の応対が熟練。こういう時にはそういう分析をして、そう声をかけるのか。と、とても勉強になった。

また、カウンセリングでは「認知行動療法」は一種鉄板のように扱われているが、本書でこの療法に対しての見解に目から鱗だった。この療法は元々欧米で生まれた心理療法で、自分の考え方、物事の捉え方の偏り(ゆがみ)を知り、それを正すことで思考の習慣を変え、行動を変えるというメゾット。合理主義の欧米人には合っているが、自分に厳しく自分を否定しやすい傾向にある日本人だと、今までの人生全体が否定された気持ちになることがある。さらに考え方を変える、捉え方を変えるのは本来エネルギーが要ることで、180度変える必要はないと本書では述べている。確かに、自己肯定感低い日本人に現実的なのか……?とは思っていたが、そういう分析があるのか。実際、人はすぐ変わるものではないし(人がすぐ変われるなら生活習慣病の人なんていないと私は思う)コスト的にも持続が可能なのだろうか?本当にキレよく効果があるなら、薬よりずっといいのではないか。なのに、何故日本では浸透しないのだろう?と疑問には思っていたので、納得してしまった。肉体精神の疲労が大きい現代の生活と日本人の気質に向いてないのか。

今よりもっと寛容になりたい。懐が深い人になりたいと悩んでいる人は一度読んでみると面白い。もう病気まで落ち込んでいる人がやるにはちょっとハードルが高いかな。本当に健康でいるのが一番安上がりで、そのためには肉体と精神の疲労を上手くコントロールしないと難しいのだと思った。

がんばることに疲れてしまったとき読む本(下園壮太

寛容力のコツで、”本当に健康でいるのが一番安上がりで、そのためには肉体と精神の疲労を上手くコントロールしないと難しいのだと思った。”

が、私は!!!

頑張らないと死ぬと思っているし、頑張れない自分に存在価値がねぇ!!

と思っているので。うん、困ったぞ!!頑張らないってどうやればいいんだ!?と思って手を出したのが本書。いや、マジで頑張らないってどうやればいいの……?皆どうやって生きてんの……?適度に怠けるってどうすれば?????適度 IS 何

本書は『がんばる』という武器の、より上手な使い方を解説する本。

えーーーーーーーーーーー

これ、いくつか事例が紹介されて、それに対して具体的な対策がまとめてあるのですが、滅茶苦茶心当たりがあるものと、そんなに心当たりが無いものとありました。

はい。

自力、焦り、気配り、我慢、不安の章が、すげーーー私。 頭抱えるぐらい私だわ、これ。

頼めない!断れない!!反射でイエスと言ってしまう癖。え?なにエスパー???

我慢得意。何でも身体壊すまで我慢するよ!焦りと不安に駆られて事案却下。定期的にそれで闇に消されかける小説。

感想というか、お会いしたことありましたっけ……?と言う感じ。え、なにこれこわ……。

人に物を頼むときのコツ(ABC法)、ゆったりリズム訓練、断る訓練と基準作り、不安な時に行動を起こすコツ。これ短期で取り入れるんではなく長期で取り入れないとこけるやつだな???我慢強い子どもの方が育てやすい。納得しかない。我慢しなくていい項目拡大コピーして貼っていいかなこれ。

”神よ私に、変えられることを変える勇気と、変えられないことを受け入れる冷静さと

その二つを見極める知恵を与えたまえ!”その知恵本気で売ってくれ。欲しい。

これ、定期的に読み返したいので1冊買います。

紙で欲しいけど紙版どこにもないわ……

がんばることに疲れてしまったとき読む本
 
自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった一つの方法(下園壮太

 不安とおさらばして、自信を持って毎日を過ごすための方法をまとめた本。作者読み。

自信がないときにやること。休むこと!パソコンもスマホSNSも全部放り出して休む!

それがな、上手く出来ないんだよな。休むって凄い簡単に言われるけど、これが中々奥深い。世の中に情報が溢れすぎている。スマホをちょっと開けば情報の海。電車に乗れば音と匂いが溢れている。全く無いと不気味なんだろうけど、休むって難しい。

しかも、幹部社員には知らずにお尻を鞭で叩いて走らせることしか出来ないタイプもいる。人災だよ、こんなの……。自衛隊や軍隊の場合はひとまず現地で休ませるのだとか。この辺りも心理学に基づいた効率的な手法で感心しました。

本書の中では、休んだあと。自信を無くす原因の分析と自信を復活にするにはどうするのか?を書いている。相変わらず分析に納得感がある。

結局、自分の認知の歪みと向き合う必要がある。つまり、急に自信満々に変われる方法があるとしたら相当ヤバイかアヤシイ物体ってこと。魔法の方法が欲しい人には悲しい現実だな……。

本書以外にも著者の本でよく出てくる表現なのだが、「スーツを着た原始人」と言う例えが、とても可愛らしいのに本質を突いていると思う。読んでいて面白くなってしまう。

また、日本と西洋では気質が違う。と言う話が、なるほどなぁ!!と感心してしまった。確かにそもそも民族としてのあり方が弥生時代から農耕民族の日本人と狩猟民族の西洋人だと考え方や社会で求められる気質も違うのも分かる。長期目標と短期目標の違いと民族による向き不向きの話もあり、他書の焼き直し感が無くよかった。

こう考えると、今巷の自己啓発本は西洋人向け(著者も西洋人)のものやその焼き直しが多いと思う。自己啓発本を読んで「いや、日本社会では無理じゃない?」と葛藤を感じるは日本人マインドなんでしょうね。日本人にも西洋人マインドのタイプの人もいるけど、極少量らしい。ただ、目標に対しての捉え方は男女差が大きいとか。自己啓発本や西洋方式で成功した極一部の例を見て「あぁ、私には何も出来ない……」と凹む前に、本当にそれは日本で実現可能なのかなと考えたいところだなと感じた。

 学校では絶対に教えてくれない 自分の心のトリセツ(下園壮太・柳本操)

まとめて用意した作者読み最後の本。これは著者をインタビューしたライターが書いたもので、少し他書とは形式が違う。各章にまとめがあり、章も細かく分かれているし、上げられているテーマも疲れた時にありそうな疑問や悩みが多くピックアップされていて取っ付き易い印象。

他書と同様に、悩みの多くは人間が「原始人だった頃」に立ち返ると正体が見えてくる。と言う考え方は共通している。共通して、完全に壊れる休むしかない状態、一歩手前の。所謂未病状態の人向けかなと思う。内容としては総じてまずは休めになるの、現代社会ストレス多すぎてどれだけ磨耗しているんだ…といっそ苦笑した。

他書に比べると、完結に纏まっているので未病のちょっとしんどいかな……と言うときに、さっと開いて確認できる本。つらい時にノウハウ辞書のようにつかえると思った。逆に著者の本を他にもたくさん読んでいるのであれば、わざわざこれでなくてもいいのかな。

自分のこころのトリセツ

自分のこころのトリセツ

 
 説明力で差がつく保健指導(坂根直樹・佐野喜子)

タイトルで何の本かわかる人にしか1mmも需要のない本。ごりご

仕事で役に立つかなぁと思って買ったのだが、今一つ役に立たず終わってしまった。

いくつかの事例に対して、こういう反応はNGでこういう声かけがいいですよ~と紹介しているのだが……まぁ、こうなればいいのにな!!!

如何せん相手もこちらも生物なので、この通りになるかと言われると……微妙な経験者の私は思ったりした。ただ保健指導においてこれが分かりやすい名著!!って本があまりないように思うので(教科書のように形態的に示し難い議題なのだと思う)興味があれば目を通してみるとよいと思った。従事者必読!はちょっと単語が強すぎる。 

説明力で差がつく保健指導

説明力で差がつく保健指導